正しい姿勢を保ち、口の筋肉を鍛えて
口腔環境の改善をめざす
あい歯科 矯正歯科
(岡崎市/北野桝塚駅)
最終更新日:2024/10/23


- 保険診療
食べる・話す・呼吸するという機能が十分に発達しない口腔機能発達不全症は、出っ歯や不正咬合など目に見える症状が出る前の状態であるため、保護者が気づくのは難しいといわれる。予防歯科に力を入れている「医療法人ポライト あい歯科 矯正歯科」の市川博文院長は、「患者さんの普段の様子や生活習慣を把握しているかかりつけの歯科医院を持つことが早期発見につながります」と語る。小児歯科に専門的に取り組む歯科医師やスタッフとともに、適切な治療と訓練で正しい口腔環境をつくれるようサポートする市川院長に、口腔機能発達不全症のリスクや治療・訓練方法などを聞いた。
(取材日2018年1月10日/情報更新日2024年10月15日)
目次
気づきにくい口腔機能発達不全症も、小児歯科を専門とする歯科医師が見つけ、適切に治療や訓練を行う
- Q口腔機能発達不全症とは、どのような病気でしょうか?
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A
▲放置しておくと将来に影響が出ることもあるという
口腔機能発達不全症は、先天性の疾患などがない小児において、「食べる」「話す」「呼吸」などの機能が十分に発達していない状態を指す疾患です。食べる機能の不全は、歯並びが悪い、生えてくるのが遅い歯があるなどの理由で、うまく噛んだり飲み込んだりができないことを指します。話す機能の不全は、口や舌をうまく動かせないため、発音が不明瞭になります。呼吸不全では、鼻呼吸ができないため、口を開けていることが多く、口の中が乾燥する、いびきをかくといったケースが見られます。これらに当てはまる場合、歯科医院で専門的な治療や訓練を行うことをお勧めします。
- Q口腔機能発達不全症は、どうすれば気づけますか?
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A
▲子ども専用の部屋があるため安心して通うことができる
口腔機能発達不全症は、出っ歯や不正咬合など目に見える症状が出る前の状態なので、保護者が気づくのは難しいかもしれません。ただし、よく観察していると、口をぽかんと開けていたり、舌を前歯に押しつけて飲み込んでいたりするサインを見つけることができる場合もあります。その際は、早めに歯科医師に相談しましょう。歯科医師やスタッフは、患者さんの普段の様子や生活習慣などをしっかり見聞きし、総合的に判断しています。そのため、気軽に相談できるかかりつけの歯科医院を持つことが早期発見につながることもあるでしょう。
- Q放置していると、どのようなリスクがありますか?
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A
▲習癖や生活習慣から見直すことが重要と話す院長
口腔機能発達不全症を放置すると、顎の発達に影響が出やすく、出っ歯や受け口、不正咬合などさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。唾を飲み込む際、舌は上顎のスポットという位置にあるのが正しいのですが、舌が下がってしまう低位舌という状態だと受け口になりやすく、指しゃぶりを続けていると出っ歯になりやすい傾向があります。また、こうした舌の習癖があると、矯正治療で歯列を治すことができたとしても、後戻りしやすくなってしまいます。なお、口呼吸をしていると感染症にもかかりやすいともいわれています。
- Q口腔機能発達不全症の治療方法を教えてください。
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A
▲専門のスタッフがトレーニングを行う場合も
正しい姿勢を保つことと、舌を上顎の正しい位置に置くことが重要です。舌の位置を改善し、口周りの筋肉を正しく動くようにするには、口腔筋機能療法(MFT)というトレーニングを行います。これは痛みが少なく、子どもでも取り組みやすい訓練法です。また、「パ・タ・カ・ラ」の4文字を発声するパタカラ体操や、「あ・い・う・べ」という口の動きをするあいうべ体操も、口腔周囲の筋肉を鍛えるのに有用といわれています。歯並びの改善を促しながら、子どものうちにアプローチすることで、将来的に歯列が悪くなるのを防いでいきます。
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。