市川 博文 院長、市川 明里 先生、市川 翔太 先生の独自取材記事
あい歯科 矯正歯科
(岡崎市/北野桝塚駅)
最終更新日:2024/10/24

25年以上にわたり地域に根差してきた「あい歯科 矯正歯科」には、近隣住民を中心に幅広い年齢層の患者が通っている。市川博文院長は予防に注力しており、院内には予防専用のチェアが2台設置されている。小児の治療は、市川院長の長女である市川明里(あかり)先生が主に担当し、マウスピース型装置を用いた矯正やMFT(口腔筋機能療法)を精力的に行っている。さらに土曜日は息子の市川翔太先生が成人の矯正治療を担当する。「虫歯や歯周病予防にとどまらず、長く健康的な生活を送るために食生活からサポートする歯科医院でありたい」と話す市川院長は、トライアスロンが趣味で国際大会への参加経験もあるバイタリティーの持ち主。終始笑顔を絶やさない市川院長、明里先生、翔太先生の3人に、さまざまな話を聞いた。
(取材日2022年11月29日/情報更新日2024年10月18日)
子どもの矯正やMFTにも注力
この地で開業して26年になられるそうですね。

【市川院長】はい。開業時、診療チェアは3台でしたが、患者さんに恵まれ、現在診療チェアが6台、予防専用チェアは2台になりました。子どもだった患者さんが結婚した後も遠方から通ってくれたり、親になって子どもの歯の相談に来てくれたりなど、うれしいこともありますね。また、コロナ禍以降、開催できていないのですが、高齢になられた患者さんに「8020運動」の表彰をしていました。表彰式では、例えば一人ひとりに若い頃の話などをしてもらい、最後はみんなで歌を歌ったりするのです。開業当初から地域に根差した歯科医院をめざしていましたが、まさに地域医療に携わる醍醐味だと考えています。また再開できる日が来たらいいなと思っています。
予防に注力されるようになったきっかけはあるのですか?
【市川院長】勤務医時代、数多くの患者さんの虫歯を削ったり、詰め物を作ったりしましたが、再治療になる方が少なくないことに気づきました。「このままではいけない」と考え、予防に注力されていた山形県の歯科医師のもとにスタッフとともに通い、予防について徹底的に学んだのです。以後、患者さんの食事や生活習慣を確認したり、唾液検査をしてリスクを調べたり、予防の大切さをお伝えしたりと口腔環境を整えることに力を入れるようになりました。「悪くなった歯を治す」とことは患者さんにもわかりやすいのですが、「悪くならないように予防する」ことは実感しにくいため、その重要性を理解していただくには時間がかかります。それでも徐々に浸透し、将来的なトラブルを未然に防げていると感じる瞬間はうれしいですね。
院長先生のお子さんである明里先生や翔太先生も加わられました。

【明里先生】大学卒業後、他院で数年間の経験を積み、当院に加わりました。私は子どもの一般歯科や矯正歯科を担当しており、口腔育成に力を注いでいきたいと思います。例えば、舌癖や口呼吸、指しゃぶりなどがある場合、その影響で歯並びやかみ合わせが悪くなることが考えられます。治療と並行してMFT(口腔筋機能療法)もスタッフと協力して積極的に行っていきたいですね。
【翔太先生】私は週1回ここで勤務し、主に矯正治療を担当しています。心がけているのは、患者さんに納得していただける治療を行うため、コミュニケーションを大切にすることです。小児の口腔機能改善を担当する明里先生と情報共有することで、矯正治療が必要となる子どもの治療がスムーズに行えるよう努めています。
院全体で患者に愛情を持って接する
小児の患者さんに対しては、どのようなことを心がけていますか?

【明里先生】よほど緊急性がない限り、無理強いしたり押さえつけたりはせず、その子に合わせたペースで治療を進めることを心がけています。口を開ける、歯磨きをするといった小さなステップで少しずつ進め、例えば、できなかったことができるようになったら「頑張ったね」と褒めるようにします。当院には子ども専用のキッズクラブという部屋がありますので、そこでスタッフと一緒に歯を磨いたりして楽しく過ごしてもらいます。次に来院するとき、親御さんが大変な思いをされないためにも、お子さんに「また来たい」と思ってもらえればいいなと考えています。スタッフは子育て経験者が多く、お子さんに対する指導も的確です。障がいのあるお子さんには、その子に合ったサポートをしています。
高齢の方に対して取り組んでいることはありますか?
【明里先生】口や舌の筋肉を鍛え、口呼吸を鼻呼吸に改善する「あいうべ体操」を実践してもらう他、口腔内の衛生状態や感覚、咀嚼、嚥下、唾液分泌などの機能が低下していないかを調べる口腔機能低下症の検査を行っています。「口が乾きやすい」「食べにくい」といった不調を訴えてくれる患者さんは少ないため、スタッフが最初の問診で「最近、むせることはありませんか?」などと伺い、話を引き出すようにしています。スタッフは、こちらが指示しなくても、いろいろなことを患者さんに質問してくれる頼もしい存在です。
スタッフの方々が診療を支えてくれているのですね。

【市川院長】スタッフにはいつも助けられています。私に代わって患者さんに歯科の知識を説明してくれたり、患者さんが私には言いづらいことを聞いてくれたりと橋渡しの役割もしてくれますね。予防歯科は落ち着いた専用のスペースがあり、歯科衛生士が45分ほどかけて、一人ひとりに合わせたケアをしています。おかげで予防の予約は増えています。効率や時間に追われず患者さんと丁寧に向き合うことを大切にしているところが当院の自慢です。スタッフも明里先生も、愛情を持って患者さんに接していて素晴らしいと思います。実は、私の妻も、開業してから歯科衛生士の資格を取り、今は管理栄養士の資格もあります。スタッフのまとめ役として頑張ってくれています。
長く快適に暮らせるように一歩先の予防を
3人の様子からご家族の仲の良さが伝わってきます。

【市川院長】昔から、仕事が終わったらすぐに家に帰り、子どもたちとよく話をしていました。歯科医師になれと言ったことはありませんが、「医療の仕事はいいよ」ということは伝えていましたね。今は明里先生がいて、土曜日は翔太先生が来て矯正治療を担当しています。家族で歯科医療についていろいろ話ができるのでとても楽しいです。毎日、盆と正月みたい(笑)。たまには意見が違って議論することもありますが、ベースの価値観は同じだと思っています。
これからのことについてお聞かせください。
【明里先生】私はお子さんを診ることが中心なので、「今」だけでなく「将来」のために正しい咬合育成に力を入れていきたいと思います。幼い頃から楽しく歯科医院に通ってもらうことが予防につながればうれしいです。また、歯科医師が良いと思った治療と患者さんの希望とが、いつも合致するわけではありません。そのため、歯科医師の意見を押し通すのではなく、患者さんの個性やライフスタイルなどをくみ取り、ご希望とすり合わせて一緒に治療のゴールを決めていくことを大切にしていきたいと思います。父と一緒に働くようになって、判断に迷うときなど、すぐに相談できる環境があるのはありがたいですね。
院長はいかがでしょうか?

【市川院長】今や、お年寄りでも歯があることは当たり前になってきていて、歯科医師はその前の段階、つまり食事のときに咀嚼や嚥下を正しくできるように、そして健康的な食生活を長く送れるようにサポートしていくことが重要になっていると思います。当院には妻のほかにもう一人、管理栄養士がいますので、口腔機能が低下したり寝たきりになったりする前に食事や栄養についてアドバイスをし、良い口腔環境をつくってあげたいですね。また、お子さんに対しては矯正治療が必要になる前に悪癖や姿勢を改善し、正しい成長を促すお手伝いをしたいと思います。単なる虫歯予防、歯周病予防ではなく、患者さんが将来的に長く快適に暮らしていくための予防ができる歯科医院であることが理想です。そのほうが、削ったり詰めたりするより患者さんの笑顔が見られて幸せなんです。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/30万円~、小児のマウスピース型装置を用いた矯正+MFT/8万円~、成人矯正/51万円~78万、部分矯正(MTM)15万5000円、ホームホワイトニング/2万7000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。