幼少期における予防歯科の重要性と
予防視点でも勧めたい矯正治療
けい歯科クリニック
(一宮市/木曽川駅)
最終更新日:2023/08/01


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子育てに奮闘する中で、家族はそれぞれの立場から「子どもが生涯、健康的な毎日を過ごせるように」と願うことだろう。その願いを後押しするものとして、近年広まりつつあるのが「予防歯科」という考え方だ。しかし一方で、その重要性や具体的な内容、取り組む理由について深く知る機会はまだまだ少ないともいえる。また、歯列の乱れなど小さい頃に治療を開始すべき悩みに対して、適したタイミングなども知りたいところ。今回は小児歯科を中心に研鑽を深めてきた「けい歯科クリニック」の押谷慶院長に、幼少期から予防歯科に取り組む意義から考え方、子どものケアを支える家族が知っておくべき知識など、歯の健康を守るにあたって大切な情報をふんだんに語ってもらった。
(取材日2018年3月9日)
目次
正しいメンテナンスの方法を学び、適切な治療を受けることで、生涯にわたって健康的な口元の維持を
- Q幼少期から予防歯科に取り組むべき理由とは何でしょうか?
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A
▲予防歯科の重要性を語る押谷院長
子どものうちから虫歯になりにくい環境を整えることが、長い将来を見据えた予防歯科につながっていくからです。特に乳歯は大人の歯と比べて虫歯になりやすいため、この時期にしっかり歯磨きなどの口腔内ケアの習慣を定着させていくことが非常に重要なのです。乳歯に虫歯ができると、「いずれ生え替わるから、すぐに治療しなくても大丈夫では?」と思われるかもしれません。しかしそのまま放置してしまうと、乳歯に隠れている永久歯に影響を及ぼすことも。何より、歯への関心も薄くなってしまいます。予防歯科でまず大事なのは、ご自身の歯に関心を持つこと。そのためにも、幼少期から予防歯科に取り組むことはとても意義のあることと思います。
- Q予防歯科を意識し始めるのに適したタイミングは?
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A
▲キッズスペースには子どもの好きな絵本などがそろう
離乳食を食べ始めるなど、食生活に変化が見られたタイミングで一度考え始めてみるのが良いかと思います。年齢で言えば2~3歳くらいでしょうか。その頃から食後に仕上げ磨きなどを意識していただきたいですね。やはり食事の内容が変われば、砂糖など虫歯の原因となるものも口にするようになりますので、その分リスクも高まります。予防の観点以外でも、例えば歯の生え始めが遅れている、歯の生え方に違和感を覚える、といったことがあれば、年齢に関わらずいつでも相談に来ていただいて大丈夫です。1歳半健診や3歳児健診でもお口の中の様子もチェックしますので、それをきっかけにクリニックに足を運んでいただくのも良いでしょう。
- Q日常生活で親御さんが気をつけるべきことはありますか?
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A
▲治療への恐怖心も和らぐ、明るい雰囲気の診察室
就寝前の仕上げ磨きは、毎日行っていただきたいです。仕上げ磨きは、お子さんを背中から抱きかかえて、親御さんが上からのぞき込むようにして磨いてあげるのが、お子さんにとって安心感の得られる方法かと思います。また磨くときの力加減も重要です。「しっかり汚れを取らなければ」と一生懸命になるあまり力が入りすぎてしまうと、歯や歯茎に過度なストレスがかかってしまいます。お子さんは特に感覚が鋭敏ですので、力が強いことから歯磨きそのものを苦手に感じてしまうことがあるようです。当院でも仕上げ磨きに関する相談を受けることは少なくありません。ご希望があればやり方をレクチャーしますので、お気軽に相談いただきたいですね。
- Q子どもの成長に伴って、歯並びの状態も気になってきます。
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A
▲矯正に用いる器具。歯並びは虫歯の原因にもなり得る
確かに歯が生え始めると、がたつきや並び方、顎の状態なども気になってきますよね。歯並びが乱れていると段差やくぼみもできやすいので、食べかすが詰まったり歯垢などの汚れがたまりやすくなってしまいます。そうすると歯と歯の間から虫歯ができる原因ともなります。歯列の乱れは単に見た目の問題だけではない、ということなんですね。また反対咬合(受け口)の場合、一度その状態になってしまうと自然に元に戻るということは難しく、顎の成長が進んでしまう前に、早期に治療を開始することが望ましいです。治療のタイミングが遅れてしまうと治療の選択肢も狭まってしまいますので、気になる場合は早めにカウンセリングを受けてみましょう。
- Q貴院で治療を進める際、大切にされていることなどありますか?
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A
▲親はもちろん、子どもに対しても丁寧に治療内容を説明している
治療を進める際に何よりも大切にしているのは、説明です。矯正治療を開始する際は、エックス線写真などを用いながら目で見てわかる形で、親御さんとお子さん本人に説明するようにしています。説明中は、ともすれば親御さんと歯科医師との会話が中心になりがちですが、当の本人が置き去りになって話が進んでしまうと不安になりますし、モチベーションも維持しづらくなってしまいますから。治療方法はさまざまありますが、当院では主に夜間から就寝時にかけて装置を装着してもらう治療方法を採用しています。着脱可能な装置なので、歯のお手入れもしやすいですし、固定式と違って日中見た目を気にしなくていいので、負担も少ないかと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/10万円~(上顎・下顎それぞれ)
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。