全国のドクター9,353人の想いを取材
クリニック・病院 161,009件の情報を掲載(2021年3月03日現在)

  1. TOP
  2. 愛知県
  3. 一宮市
  4. 木曽川駅
  5. 医療法人秀和 菱川歯科医院
  6. 菱川 秀樹 理事長

菱川 秀樹 理事長の独自取材記事

菱川歯科医院

(一宮市/木曽川駅)

最終更新日:2020/04/01

110817

一宮市高田宮廻り18にある「菱川歯科医院」は、1993年開業の地域に根差したアットホームな歯科医院。「患者さんはこの歯科医院と一緒に年齢を重ねられているので、高齢の方が多いですね」と話すのは、理事長の菱川秀樹先生。高齢者だけでなく、子どもから大人まで、どんな患者にも自分の家族に接するように丁寧な診察を心がける。成長発達歯科学の研究に従事していた経験から、矯正や認知症と歯科の関わりなどを専門的なアドバイスも交え、わかりやすく伝えているのが特徴だ。自身も食べることが大好きで、患者がおいしく食べられることが何よりうれしいという菱川先生に、日頃の診療の様子や地域医療の取り組みなどを聞いた。
(取材日2018年12月18日)

噛み合わせと認知症の関連を研究

開院までの経緯を教えてください。

1

学生時代はラクビー部に所属し、スポーツを中心の学生生活を送っていました。そのため、大学卒業後ももう少し基礎医学を学びたいという気持ちがあり、大学院へ進みました。出身の神奈川歯科大学では臨床講座へのお誘いもあったのですが、私が学びたかったのは解剖組織学でした。そこで、縁あって日本大学歯学部の大学院で研究を続けました。大学院卒業後は、大学の兼任講師をしながら週の半分を名古屋市内の矯正歯科医院で勤務をしていました。症状を一つ一つ検証しながら病名を確定していくような学術的な考えに基づいた診断が身に付いたのは、この頃の経験が大きいと思います。2年間の勤務医生活を経て、実家のある地元で開業しました。

具体的にはどんな研究をされていたのですか?

開院後も神奈川大学の成長発達歯科学で非常勤講師をしながら基礎研究を続けました。噛み合わせについての研究が主で、噛み合わせというと矯正が思い浮かぶ方も多いと思いますが、高齢者にとっても噛み合わせは重要なことなんです。例えば、脳の機能が衰えた高齢者の噛み合わせを整えると、脳の血流量が増加して、認知症の進行を遅らせることができたという研究データがあります。また、季節の味やおいしい食べ物を想像するだけでも脳の血流は活発になることがあるんですよ。食べ物を目の前にして香りを楽しんだり、噛んで味覚を味わったりと、五感を刺激することで、高齢者でも脳内の網目状の神経のネットワークが発達します。脳を衰えさせないために、まずは口から食べたり飲んだりができるようにしなければなりません。

歯科医師をめざすことになったきっかけを教えてください。

2

私が中学生のとき、祖父が脳梗塞で倒れて入院をしました。病院にお見舞いに行ったのですが、祖父の入れ歯は外されていて、顎がこけて昔の祖父じゃないような雰囲気でした。病人になって、まさか骸骨みたいになってしまうなんて、当時の私にはとてもショッキングだったんです。「病院のお医者さんは入れ歯を入れることはしないんだよ」とその場で教えられ、何とかしてくれる歯医者さんがいればなと感じました。振り返れば、入れ歯一つでこんなにも人の姿を変えてしまうのだと、その祖父の姿に衝撃を受けたことが、歯科医師という職業を考えるきっかけになったと思います。

残せる歯はできるだけ残す方向性で治療をする

周辺の地域性と患者層について教えてください。

3

この地域は昔から住んでいる方が多く、当院の周囲にも兼業農家がたくさんあります。開院当時、週末だけ農業をやっていた患者さんも、現在は平均年齢が75歳ぐらいで、地域的に高齢化が進んでいるようです。主婦、学生、矯正治療のお子さんなど、時間帯によってさまざまな方が来院されていますが、数で言えば、高齢者が一番多いと思います。開院当時から比べて、認知症の方も増えていますし、脳梗塞の後遺症で車の運転ができないなど、場合によっては往診もしています。

患者さんと接する上で、どんなことに気をつけていますか?

先ほどもお話ししたように、開院当時の患者さんも年齢を重ね、高齢の方が増えています。高齢の方に付き添ってご家族も一緒に治療することもありますし、ご家族みんなで通ってくださる方々も多いので、アットホームな雰囲気は大切にしています。患者と歯科医師というよりも自分の家族というような気持ちで、診療させていただいていますね。開業時から働くベテランのスタッフもいて、私の考えを理解してくれているので、クリニック全体でそういった雰囲気づくりができていると思います。何でも相談してもらえることが理想なので、治療内容はわかりやすい言葉で伝え、しっかり理解していただくようにしていますし、理解しづらい場合は、その日の治療内容と今後の方向性などを書いたリーフレットをお渡しすることもあります。

やりがいを感じるのはどんな時ですか?

4

昔から治療に通ってくださっていた患者さんなんですが、寝たきりになってしまったので往診で入れ歯を作らせていただきました。そこで、そのおばあちゃんが「皆さんは高級ブランドのバッグが宝物だとか言われるけれど、私の宝物は先生が作ってくれたこの入れ歯です」と言ってくださいました。今もその言葉を思い出すだけで、目が潤みます。自分の治療がお役に立てたことがうれしかったですし、患者さんに喜ばれることがやりがいにもなります。

歯科医師として今後も高齢化する地域に貢献していく

診療ではどんなことに重点を置いていますか?

5

基本的には、残せる可能性があればできる限りご本人の歯を残す治療をしています。たとえ抜くことになっても、親知らずの根未完成歯を用いて移植することで、咬合を維持できる場合もあります。また、力を注いでいるのが入れ歯の場合でもできるだけ快適に使っていただけるようなケアです。入れ歯を機能させるには、トレーニングと調整が必要ですので、入れ歯を作って終わりではなく、患者さんがうまく使えるようになることをめざして伴走するという感じでしょうか。私自身が食べることが大好きなので、食べられなくなるということは人生の楽しみが半減してしまうと思っています。「おいしく食べられます」と言ってもらえるまで根気良く付き合っていきます。

トレーニングというのは、具体的にはどんなことですか?

固形物と水分を交互に取る訓練も必要ですし、上顎の入れ歯は、口蓋を覆ってしまうことが多いので、食べ物を口の中に運ぶ位置も意識する必要があります。テレビを見ながら何となく口に入れていたら、誤嚥の原因になってしまいますから。入れ歯も義手や義足と同じで、機能訓練が必要なんです。新しい革靴も最初は堅くて履きづらいですが、なじめば何年も履きこなせますよね。それと同じです。入れ歯を作ってはみたけれど、使えないので捨ててしまったという話もありますから、そんなことのないように、患者さんには「慣れるまで気長にやっていきましょう」と話しています。使っている間に痩せてしまっても、病気でしばらく使えないブランクの期間があっても、その都度、調整していくことが必要です。また離乳食のお子さんの場合でも食べ物を口へ運ぶ位置は重要です。奥へ運びすぎると舌を動かすことを覚えず丸飲みの癖がついてしまいますから、注意してください。

今後の展望などがあれば、お聞かせください。

高齢化社会に向けた活動は、歯科医師として今後も継続していきたいですね。その活動の一つが、地元歯科医師会主催の在宅歯科医療に関する出前講座です。老人会やふれあいサロンで定期的に開いていますので、地域の方はぜひ参加していただきたいですね。たとえ在宅医療が必要になっても、住み慣れた地域で安心して過ごせるように、医療機関が連携して地域医療を行っていく必要があります。多職種の連携ということで、介護職の方々との勉強会にも参加しています。また、医師と歯科医師の集まりである愛知県保険医協会が開催するスタッフ育成のための講座で講師も務めていますし、歯科医師の後進の育成として、日本大学の兼任講師も継続しています。開業医として、将来、臨床ではどんなことが必要になるのかを学生たちに伝えていくことが責務だと思うので、ライフワークにしていきたいです。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

6

樹脂やジルコニアといった新しい素材が、今の時代にはマッチしていると思います。今後、需要も増えるのではないでしょうか。当院でも、樹脂でできたブロックを削り出してかぶせ物や詰め物に使っています。昔入れた金属のかぶせ物を白く作り替えることも可能ですし、一本欠落している場合でも、条件がそろえば白い素材でブリッジができますので、ぜひご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

入れ歯(ノンクラスプデンチャー)/7万円~、マルチブラケット矯正/片顎は30万円・上下顎は60万円、マウスピース型装置、拡大装置など取り外しの装置を用いた矯正/10万円~ (いずれも税抜き)
※詳細等は直接お問い合わせください。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供を行っております。
カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)については、効果・効能に関して個人差があるため、 カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)を用いた治療を行う場合は、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

Access