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菱川 秀樹 理事長の独自取材記事

菱川歯科医院

(一宮市/木曽川駅)

最終更新日:2021/10/12

菱川秀樹理事長 菱川歯科医院 main

一宮市立葉栗中学校のすぐ南側に立つ「菱川歯科医院」は、この地で30年近く地域に根差した歯科医院として地域医療に貢献し続けている。「患者さんはこの歯科医院と一緒に年齢を重ねられているので高齢の方が多いですね」と話すのは理事長の菱川秀樹先生。高齢者のみならず、子どもから大人まで幅広い患者の治療を行っている。成長発達歯科学の研究に従事していた経験から、歯列矯正や認知症と歯科の関わりについても専門的な知識をもとにアドバイスも交えながら患者にわかりやすいように伝えている。理事長自身も食べることが大好きで医食同源の考えのもと「患者がおいしく食べられることが何よりうれしい」と話す菱川理事長に、診療に対する思いや地域医療への取り組みなどを語ってもらった。

(取材日2021年3月15日)

学術的な知見をもとに地域医療に30年近く貢献

歯科医師をめざした理由、開業までの経緯をお聞かせください。

菱川秀樹理事長 菱川歯科医院1

私が中学生の時に祖父が脳梗塞で倒れ、病院に見舞いに行ったのですが、祖父の入れ歯が外されていて、頬がこけてまるで別人のような雰囲気でした。「通常急性期の病院のお医者さんは入れ歯を入れることはしないんだよ」とその場で教えられましたが、当時の私にはとてもショッキングで「何とかしてくれる歯医者さんがいればいいのに」と感じました。この時の「入れ歯一つでこんなにも人の姿は変わってしまうのだ」という体験が、歯科医師という職業を考えるきっかけになりました。神奈川歯科大学卒業後は、基礎医学を学びたいという思いから日本大学歯学部の大学院にて解剖組織学の研究を続けました。大学院卒業後は、大学の兼任講師を務めながら、週の半分は矯正歯科医院で勤務をしていました。症状を一つ一つ検証し、学術的な考えに基づいて病名を確定・診断する今の診療スタイルは、このような経験があったからだと思います。

どのような患者さんが来院していますか?

平日の午前はご高齢の方が多く、午後からは近隣にお住まいの主婦の方や学生さん、夜は仕事帰りの方が多いです。車で来院される方や、患者さんを送迎するご家族のために駐車スペースは10台分とゆったりご用意しています。開業当初から一緒に年月を重ねてきたこともあり、ご高齢の患者さんが多くなりました。そのような状況から当院では来院が難しい患者さんのために訪問歯科診療も行っています。また先日などは子どもの頃から口腔ケアを診ていた患者さんが「今度、就職することになりました!」と報告を兼ねて歯のクリーニングに来てくれました。患者さんに対して「家族のように寄り添う治療を」と、日々の診療で心がけているので、患者さんの人生の節目にそのような報告をもらえることに幸せを感じます。

患者さんと接する時、どんなことに気をつけていますか?

菱川秀樹理事長 菱川歯科医院2

患者と歯科医師というよりも、患者さんに接するときは「自分の家族だったらどういう診療がうれしいか?」を常に考えながら診療を行っています。開業時から働くベテランスタッフをはじめ私の考えを理解してくれているスタッフばかりなので、とてもアットホームな雰囲気の歯科医院だと思います。なんでも相談してもらえることが理想なので、治療内容はわかりやすい言葉で伝え、しっかりと理解していただくようにしています。また、小さなお子さんが一人で通院される時や、ご高齢の方で治療内容を覚えたり理解するのが難しい場合は、その日の治療内容と次回以降の治療計画や方向性を書いたリーフレットをお渡しして保護者やご家族の方にも、当院で行っている治療内容を把握していただけるように配慮しております。

コロナ禍だからこそ口腔環境に気をつけてほしい

こちらのクリニックの感染症対策をお聞かせください。

菱川秀樹理事長 菱川歯科医院3

入り口に自動で手の消毒ができる機械を置き、診察室に入る手前では顔をかざすだけで体温を測れて手の消毒もできる機械を設置しています。院内の窓は全開放し、空気清浄機や加湿器を設置も行っています。治療中は私をはじめスタッフもマスクとフェイスシールドを着用し、診療台ごとに口腔外バキュームも設置して飛沫感染防止に努めています。患者さんの診療予約も密にならないように配慮し、それでも待合室が混むようであれば車の中でお待ちいただくなど臨機応変に対応しています。あと、当院では個人宅や施設への訪問診療も行っていますが、私自身が新型コロナウイルス感染症に罹患してしまうと患者さんにも感染させてしまい大変なことになるので、日々健康管理には気をつけています。

コロナ禍で多くなった疾患はありますか? また、日常生活で患者さんに気をつけてほしいことは?

遅くまでゲームをして生活リズムが狂ったり、普段よりお菓子の回数が増えたりしたのか、私が歯科校医を務めている中学校の歯科健診でも、コロナ禍前と比べて歯肉炎や虫歯のリスクが高まっている生徒さんが増えている印象です。成長期のお子さんは3食では足りず補食が必要になると思いますが、補食をお菓子ではなく、果物やお芋など食物繊維の豊富な野菜を選ぶと、さまざまな栄養素を補完することができます。甘いものは脳の栄養になるのですべてが悪ではありませんが、高カロリーでよく噛まずに食べることにより過剰摂取となり、低学年での肥満などにつながることも事実。ダラダラと長時間にわたって食べていると虫歯リスクも高まります。日頃から生活リズムを整え、栄養バランスの整った食事を取り、健やかな生活を心がけるようにしてください。

歯科医院の受診を控える人が増えたといわれますが、歯の健康にどのような影響を及ぼすのでしょう。

菱川秀樹理事長 菱川歯科医院4

不要不急の外出を控え、ステイホームが求められたこの1年は、老若男女問わず、すべての方が通常の生活を送れなかったのではないかと思います。歯科医院への通院も飛沫感染の恐れや、不要不急の外出と捉えて通院を控えた方もいたのではないでしょうか。しかし、全国の歯科医院でクラスターになった話はまだ聞いていません。むしろ全身の健康に深く関係している口腔内環境の健康を維持することのほうが大切です。定期的に口腔内メンテナンスを行っていれば、大がかりな治療を行わずに済むことが多々あります。ご自身の健康を守るためにも定期的な歯科医院での口腔ケア・メンテナンスを習慣にしてください。お口の健康は全身の健康につながります。

地域のため、歯科業界の後進のため、日々奮闘

スタッフ構成について伺います。

菱川秀樹理事長 菱川歯科医院5

口腔外科と歯列矯正は専門の歯科医師が曜日別で担当していますが、基本的に当院内での治療や訪問歯科診療は私が行っています。ほかに歯科衛生士や歯科助手・受付スタッフなどがいるほか、外部の施設に出向いて口腔ケアを専属で行う歯科衛生士もいます。いずれのスタッフも「自分の家族にしたい治療や対応を」を理念に、患者さんに対応してくれています。今年で開業して29年目ですが、本当に家族的な歯科医院だと私自身が感じています。歯科治療だけにとどまらず、年に一度は社会科見学と称して、中学生に向けて歯科医院での仕事と内容について学んでもらう機会を設けており、こうした地域活動もスタッフ全員で頑張っています。

今後の展望をお聞かせください。

超高齢社会に向けた活動は今後も継続していきたいです。これからの時代は在宅療養になっても安心して暮らせるように、医療機関が連携して地域医療を行う必要があります。そのために介護職の方々との勉強会にも参加したり、愛知県保険医協会が開催するスタッフ育成のために講師を務めたりしています。また歯科医師の後進を育成すべく日本大学の兼任講師も継続しています。開業医に今後求められる医療とは何か。それを学生たちに伝えていくことが私の責務だと考えていますので、今後もライフワークとして続けていきたいです。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

菱川秀樹理事長 菱川歯科医院6

マスクをしている今だからこそ「前歯を治したい」というご相談や「旅行にいけないのでその費用で前から気にしていた歯を治したい」というご相談が増えています。当院でも樹脂でできたブロックを削り出した白いかぶせ物や詰め物を採用しています。昔入れた金属のかぶせ物を白い素材のものへ作り替えたり、1本欠落している歯を白い素材のブリッジで補ったりすることも可能です。現在は保険診療でもいろいろとできることが増えています。気になっていることがある方はぜひ一度ご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

入れ歯(ノンクラスプデンチャー)/7万7000円~、マルチブラケット矯正/片顎は33万円・上下顎は66万円、マウスピース型装置、拡大装置など取り外しの装置を用いた矯正/11万円~、セラミックを用いた補綴治療/7万1500円~、ジルコニアクラウン/7万7000円~
※詳細は直接お問い合わせください。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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