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墨 尚 院長の独自取材記事

墨歯科医院

(一宮市/尾張一宮駅)

最終更新日:2022/08/08

墨尚院長 墨歯科医院 main

尾張一宮駅または名鉄一宮駅西口から徒歩5分という好立地にあるのが「墨歯科医院」だ。院長の墨尚(すみたかし)先生が初めてインプラント治療を手がけたのは27歳の頃。その後もアメリカの学会で研究報告を行うなど国内外で腕を磨き続けている。興味深いのは「経験を重ねて技術を磨き、深く学ぶほど基礎を大切に考えるようになった」という点だ。スウェーデンのイエテボリ大学で学んだ「Back to the REAL BASIC」をモットーに、妥協のない仕事で患者との信頼関係を築いている。仕事はもちろんプライベートまで原稿に収まりきらないほど話題が豊富で、話し上手な人柄も魅力的な墨院長だった。

(取材日2016年10月17日)

「人工臓器」製作の魅力に目覚めた学生時代

開業のきっかけを教えてください。

墨尚院長 墨歯科医院1

祖父が歯科医師だったのですが、祖父は別の場所で開業しており、父も自分で開業することになったそうです。そこで1972年に開業したのが、この墨歯科医院です。2010年に僕が勤務し始めるタイミングで改装しましたが、将来的にも父とのすみ分けをどうしていこうかと考えたんです。父の患者さんは可能な限り父が診たいだろうし、患者さんにとっても診るべきだと思ったので、受付は一緒だけど中で分かれている形に設計してもらいました。父の患者さんもご高齢になり階段をのぼるのが大変なので、父は1階で診療しています。

1階はお父さま、この2階が先生の診療スペースなのですね。

はい。父としては、診療ユニットとカルテを書くテーブルがあればいいようでしたが、レントゲンのため2階に上がるのが不便だったり技工室も必要となって、結局1階と2階が独立した歯科医院のようになりました。2階のこだわりとしては、待合室の椅子でしょうか。座り心地が良いと患者さんにもよく言われるのですが、実はシカゴのオヘア空港で実際に使われていたものなんです。学会で毎年アメリカに行くのですが、あるときアメリカのオークションサイトで発見して、落札しました(笑)。自分でも気に入っています。

診療室含め、随所にこだわりを感じます。

よく「どうしてこの仕事を選んだのか」という話を若手とするのですが、僕はシンプルに、歯科医師の仕事が好きなんです。そして歯科医院とは、歯科医師にとっては戦場でもある場所だから、自分の働きやすい好きな環境に整えることが大切だと思います。診療方針やインテリアも含めて共感する人たちに集まってもらい、そこでベストを尽くしたいと考えています。

昔から家を継ぐつもりでいらっしゃったのですか?

墨尚院長 墨歯科医院2

実は、そういうわけではありませんでした。高校時代の進路選択の際に、何がしたいのか母に聞かれ、当時はまったく違う職業を話したんです。そうしたら泣かれてしまい、母の思いを知りました。そうして歯学部に入ったのです。アルバイトと部活に明け暮れる日々でしたが、5年生の実習が始まり、補綴(ほてつ:かぶせ物や入れ歯、インプラントなど歯の欠損部分を補う治療のこと)の実習が始まるとものすごく楽しくなりました。先生にお願いして卒業に必要な量の10倍以上つくってしまうほど面白く感じたのです。かぶせ物はインプラント同様、広義の「人工臓器」なので、それをつくるという魅力にはまったのでしょうね。卒業後は大学病院や市中の歯科医院で研鑽を重ねました。

基礎の大切さを実感し、イエテボリ大学で学んだ日々

インプラント治療の経験が長いと伺いました。

墨尚院長 墨歯科医院3

初めてインプラント手術を手がけたのは27歳で、歯科医師としては比較的かなり早い時期だったと思います。社会的にもインプラントへの認知が進み、全体として症例数が増えていた時期だけに、新しいケースを次々と経験できました。治療中に学生時代の恩師に直接電話をして相談し、ユニットに戻って修正したりということもしていましたね。そんなときの先生たちの指導は、決して特別なアドバイスではなく、ほとんどが学生時代に教わったベーシックな内容だったことが印象的です。経験を積むほど基本の大切さを実感したので、「徹底的にやろう」とスウェーデンで勉強することにしました。そこで身に付けたのが「Back to the REAL BASIC」というスタンスです。

「Back to the REAL BASIC」ついて、詳しく教えてください。

歯科医学の発展が著しいスウェーデンのイエテボリ大学で行われていたのですが、現役の歯科医師を対象に、歯学部の学生が学ぶ基本に立ち返りつつ、リアルな現場に合わせて腕を磨いていくという内容を学びました。完璧を求めてダメ出しが繰り返され、磨かれていくんです。寒いスウェーデンの11月、8時から19時まで1週間、基礎をびっしりと繰り返すスケジュールで、肉体的にはきつかったのですが、多くのものを身に付けることができる充実した時間でした。新しく習得した術式もあり、それが必要なケースには提供していますが、ほとんどの症例は基礎がきちんとしていれば対応できると考えています。だからこそ基本・基礎の部分にこだわり、そこを軸に取り組み続けています。

研究・研修にも力を入れているのですね。

墨尚院長 墨歯科医院4

臨床研究に協力したり、勉強会を開いたりもします。東京医科歯科大学から教授を招き、毎月1回1年間、インプラントと病理について学んだこともありました。インプラントを入れた部分がどういう経過をたどるのか理解することを目的としていましたが、病理を知ることで考え方が変わった部分もありましたね。当院はスタッフも勉強熱心なので、本人たちが希望すれば学会やセミナーにも行ってもらっています。特にインプラントや歯周病の学会は、歯科衛生士にも役立つ報告が多いので、幅広い知識が得られるのです。そのせいかどうか、時々歯科衛生士を歯科医師と勘違いされる患者さんもいるくらいです。僕からスタッフに対してよく言うのは、患者さんとは「人対人」で接することを大切にして気を配る、ということくらいですから、本当に頼もしいスタッフたちです。

患者との信頼関係に大切なのは、妥協のない仕事

やりがいを感じるのはどんな場面ですか?

墨尚院長 墨歯科医院5

治療をしているときです。忙しくても苦になりませんし、しんどいと思ったこともありません。誤解を恐れずにいうと、患者さんの幸せが僕の幸せとは思っていないんですよ。僕らはプロなので、「治すのは当たり前のこと」ですから。治療結果に満足してもらうのは当然なので、そのためには「少しやり直させてください」とお願いすることもあります。それで患者さんが治って納得していただけるのであれば、そうするのが義務だと思っています。プロとして妥協のない姿勢で取り組めば、患者さんとの信頼関係を失うことなく質の高い治療を提供できると信じています。

気分転換などはどうされていますか?

気の合う先生たちと集まって遊んでいます。そのとき誰かがやりたいことにみんなが付き合うという感じなんですが、2年前まではレーシングカートに熱中していましたね。夜からでもできるので、診療が終わってから集まって耐久レースに出たこともありました(笑)。そしてまた誰かが「富士山に登ろう」と言い出して、練習のため小さな山から登り始めて、富士山に登頂したり(笑)。次の目標は東南アジアで一番高いマレーシアのキナバル山に登ることです。ほかにも、夜中に急に福井へ行ってイカ釣り船に乗ったりもします。休診日も自分の勉強、若手の指導や講演などで忙しいので、時間をつくってはこうして楽しんでいます。

最後に、今後の展望と読者へメッセージをお願いします。

墨尚院長 墨歯科医院6

今後の展望といっても、今は手を広げることは考えておらず、ほかの先生にきてもらう予定もありません。墨歯科医院に来られる患者さんは、僕が診たいのです。それよりは、治療の質を絶対に落とさないほうが重要と考えています。そして良い治療を提供するためには、患者さんの協力が絶対に必要です。治してもらうという受け身の気持ちばかりではなく、最後までしっかり付き合っていただきたいですね。時にはどうしても回避できない痛みや不快感も伴いますが、それが適切な治療であれば我慢していただかないといけない場合があることもご理解いただきたいと思っています。患者さんご自身が「治したい」という気持ちを強く持って来院されると、同じ痛みでも感じ方や、治療の経過も違ってくると思うので、前向きな気持ちでお越しください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/前歯:1歯につき合計45万1000円~、奥歯:同様に合計41万8000円~

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