齋藤 英延 院長の独自取材記事
かねます歯科
(碧南市/碧南駅)
最終更新日:2025/03/26

名鉄三河線碧南駅から徒歩7分の住宅街にある「かねます歯科」。クリニックはバリアフリー対応で、診察室は車いすでの出入りも可能な広々とした空間になっている。この地にクリニックを開いて33年になる齋藤英延院長は、碧南市歯科医師会会長としての活動のほか、近隣の保育園の園医や小学校の校医として、地域の子どもたちの歯の健康を守る活動に長年積極的に関わってきた。そんな齋藤院長が治療で重視しているのは歯周病の治療と定期的な検診。噛むことの大切さを重視し、インプラント治療にも早くから取り組んでいる。地元住民から信頼される歯科医師として、患者の立場に立った、「怖くない、痛くない、我慢しなくてもいい治療」を心がけているという齋藤院長に、日々の診療の様子や患者への思いを聞いた。
(取材日2017年4月25日/記事更新日2024年10月15日)
歯科医師会活動を通して地域医療に積極的貢献
こちらで開院されるまでの経緯をお話しください。

1987年に愛知学院大学の歯学部を卒業して、その後、同大学の第2補綴学教室に入局し、そこでは総義歯学、総入れ歯を専門に勉強し、経験を積みました。それから名古屋市栄の歯科診療所に3年勤務しまして、1991年に私の地元であるここ碧南市で開院させていただきました。早いもので、開業してから今年でもう33年になります。昔からなじみのある場所で開業できたのは自分にとっても良かったと思います。
開院当初と現在とでは地域の皆さんの意識などは変わりましたか?
おかげさまで開院してからずっと通っていただいている患者さんも多いですね。開院当初に比べると、皆さん歯槽膿漏の治療に対する意識がとても高くなってきています。継続して通ってくれる方も多くなりました。それと、17年ほど前からホームページを開設しまして、それからはかなり若い世代の人たちにも来ていただけるようになりました。特に増えたのは若い女性ですね。若い患者さんの主訴として多いのはやはり歯周病です。口臭を気にされる方も増えてきています。
先生は地元の歯科医師会や学校医の活動などもされていますね。

地元の碧南歯科医師会での活動のほか、学校医も27年近く続けています。今は保育園と小学校を担当していますが、最近は虫歯にかかっている子どもたちはかなり減ってきました。現在、歯科医師会が市と一緒になって力を入れているのが「E6保護事業」です。乳歯はA、B、C、D、Eと数えますが、噛み合わせに一番大切な6歳臼歯と、その前にあるEの歯をしっかり守っていこうという取り組みです。具体的には、フッ素塗布や歯磨き指導、親子を対象にした講話を行っていて、私は事業の立ち上げ時から関わってきました。最初は保育園などにも協力してもらうのが大変でしたが、今ではぜひやってください、と言われるようになりました。皆さんの意識が変わったんですね。
患者と話し合いの上、一番いい治療法を提示したい
こちらのクリニックで特に力を入れていることは何ですか?

やはり歯周病の治療ですね。歯周病は細菌によって起こる病気ですから、当クリニックでは、その細菌には薬を用いる方法を取っています。薬を飲んで細菌がいない状態をめざすのです。その後はセルフケアも大切なので、専用の歯磨き剤を使って歯磨きをしっかり行ってもらいます。薬の効果が望めるのは一時的ですので、そのままにしているとまた感染してしまいます。また、家族内でもすぐに感染しますから、なるべく増やさないようにしっかり歯磨きするのが大切なのです。そして3、4ヵ月に一度は来院していただいて、再感染していないかどうかチェックを受けていただきます。この定期的なチェックが重要なんです。ただ妊婦さんは薬が使えませんから、そういう方はまず歯磨き指導とか歯石を取るとかということを先に受けてもらい、母乳が終わった時期くらいに薬の治療を受けるようお勧めしています。
患者さんに対して、治療の上で心がけていることはありますか?
痛くない、怖くない、我慢しない治療を心がけています。また、急患の患者さんはほとんど診るようにしています。予約制ですが、痛みがある患者さんは予約がなくても診ています。長いお付き合いになっている患者さんも多く、そうした方々の高齢化に伴って訪問歯科診療も行っています。当院に通うのが困難になってしまった方に対してはできるだけの対応はしています。
インプラント治療も早くから手がけてこられたそうですね。

そうですね。インプラント治療を始めたのは今から約24年ぐらい前になります。当時インプラントの性能が飛躍的に良くなり、しっかり噛むことが期待できるようになったことからこの治療に取り組み始め、まずはインプラント治療の相談に対応する体制を整えました。そのきっかけは、実は私の家族なんです。その家族はもともと入れ歯だったんですが、インプラントを5本入れたんです。インプラントだと噛む力も普通の歯と同じくらいであることが望めるんですね。入れ歯ではなかなかそうはいきません。そのうち外見も姿勢も、見違えるようによくなり、元気なんです。あのときインプラントにしたのがよかったんじゃないかなと思っているのですが、やはり歯は大事だなと思いましたね。インプラントに対応が難しい患者さんには、痛みが出にくい義歯をお勧めすることもあります。
インプラントは半永久的に機能することが望めると聞きますが、本当ですか?
やはり手入れは必要です。当院では、インプラント治療を受けた患者さんには、3ヵ月に1度通院してもらいます。治療後の管理をきちっとしていく必要があり、手入れをしっかり行えば長く持たせることが期待できます。ただ、インプラントを入れるには費用がかります。また、骨がなくてインプラントを埋入できない方もいらっしゃいます。すべての人に適した治療というわけではありませんから、そういう方には義歯をお勧めます。私は義歯についても長年学んできたので、それぞれのメリット、デメリットを示し、患者さんの要望をお聞きした上で一番いい方法を選んでいくようにしています。
患者の立場に立ち、丁寧で痛くない治療をめざす
ところで、先生が歯科医師をめざされたきっかけは?

私の両親はまったく違う職業でしたが、親戚には歯科医師が多いんですね。それが大きく影響しているのかもしれませんね。歯科医師がどういう仕事かというイメージは小さい頃からありましたし、もともと子どもの頃からプラモデルを作るとか、手先を使って細かいことをするのが得意でしたし、好きだったんです。それで自然と歯科医師を志すようになりました。
休日はどのように過ごされますか?
普段ずっと院内で仕事しているので、休日は体を動かしてリフレッシュするように心がけています。趣味はいろいろあって、冬はスキーやスノーボード、夏は釣りやゴルフですね。現在は、子どもたちも仕事をし始めたりと難しくなりましたが、小さい頃はよく温泉やスキーなど、あちこち家族旅行にも行きました。2人とも男の子なんですが、妻がすごく優しく育ててくれたからか、息子たちも優しい性格に育ってくれたのはうれしいことですね。
最後に今後の展望をお聞かせください。

これからも丁寧で痛みの少ない治療を心がけ、特に歯周病の治療とインプラント治療に力を注いでいきます。そして、患者さんが歯の治療に対して持っている「痛い」とか「怖い」とかいうネガティブなイメージをできるだけ取り除ける環境づくりをしていきます。常に親身になって優しく対応し、何でも言える、話しやすい雰囲気を大切にしたいですね。実際治療を受けて「本当に痛くなくて良かった」と喜んで帰られる患者さんの姿を見られたらうれしいです。今後もゆったりとした環境で、一人ひとりの患者さんとじっくり向き合い、オーダーメイドな治療ができるように日々努めていきたいと考えています。本当はもっともっと一人ひとりとゆっくりじっくり向き合って治療したいのですが、なかなかそうもいきません。それでも、それぞれの患者さんに適した治療をこれからもしっかり提供できればと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療:1本/38万5000円~
※口腔内環境により異なりますので詳しくは医療機関にお問い合わせください。