定期検診で行う予防歯科
将来の健康につながるメリット
渡辺歯科医院
(東海市/太田川駅)
最終更新日:2021/10/12
- 保険診療
小さな虫歯や、日本の成人の約8割が罹患しているといわれる歯周病。痛みもほとんどなく出血も多少であれば、あまり気にせず毎日を過ごしてしまいがちだ。しかし放っておくと慌てて歯科医院に駆け込む事態になることも。「定期的な検診を習慣にすれば、病気が進行して痛い思いをすることも少なく、治療後も良い状態を保ちやすくなりますよ」と話すのは「渡辺歯科医院」の渡邉一史院長だ。子どもにも大人にもフランクな姿勢で、説明は明快でわかりやすい。「子どもの頃に生えた歯を、数十年持たせるにはメンテナンスが重要」との言葉も納得だ。若い人にはなかなかなじみのない歯の定期検診だが、自分の将来のために重要なこと。予防歯科とその啓発にも力を入れる渡邉院長に、詳しく話を聞いた。
(取材日2018年7月11日)
目次
年代問わず重要な予防歯科。子ども時代からの定期的な通院で高齢になっても自分の歯で噛める人生を
- Q予防歯科とはどのようなものですか?
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A
予防とは、痛いところだけを治したり、はずれたかぶせ物をくっつけておしまいという治療ではなく、歯科医院での定期検診によって、普段から口腔の環境を整えておき、もし治療してもその歯をずっと良い状態で長持ちさせることを目的とするものです。歯科医院は、虫歯や病気を処置するだけのところではありません。「問題がないこと」を確認するところでもあるのです。身近なもので車に例えると、車はいつもきれいに洗車され、車検があってしっかり点検されています。自分の体の一部である歯はもっと大切なはず。体の健康状態も反映するデリケートなお口の中に、もっと意識を向けていただければと思っています。
- Q予防は患者にとってどんなメリットがありますか?
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A
虫歯や歯周病が進んで痛い思いをするリスクを減らせますし、小さい頃から定期検診が習慣になれば大人になっても歯を大切にするようになり、自分の歯で物を食べる生活を長く続けられると思います。子どもの頃に生えた歯を数十年持たせるために、やはり定期検診は欠かせません。お子さんの場合「乳歯はどうせ抜ける」と思われがちですが、乳歯が虫歯になって早期に抜けると、後から生えてくる永久歯の生え方、歯並びにも影響します。1度虫歯の治療をした歯は、天然の歯よりもろく虫歯になりやすいこともあり、特に神経を取っていると進行しても痛みがないので定期的なチェックが必要です。どなたにとってもメリットは大きいですね。
- Q予防歯科ではどんなことをするのですか?
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A
歯周病検査として、歯周ポケットの深さを測ります。そしてスケーラーという器具でプラーク(歯垢)や歯石を除去し、歯の着色がひどい場合は、専用のパウダーで色を落とします。PMTCという、より専門的なプログラムは、徹底したクリーニングや研磨を行い、歯の表面をつるつるに仕上げ、再度汚れをつきにくくするものです。歯が磨けていない方には、アニメーションソフトを用いて磨き方のコツや、デンタルフロス、歯間ブラシの使い方などをわかりやすくお伝えします。治療をした方は、程度にもよりますが、大体1ヵ月程度で経過の確認をします。重度の方は月2回、良好な方は数ヵ月ごと、あるいは半年後ごとに来院していただく、という形です。
- Q患者さんの予防に対する意識はいかがですか?
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A
東海市は1歳半から3歳までは半年刻みで歯科検診が、中学生までは医療助成があるので、親御さんがお子さんを連れて来られることは多いです。大人も40~70歳まで5歳ごとに歯周病検診があり、歯に対する意識は高い地域だと思います。ただこの辺りは工場勤務の方や単身赴任の方も多く、お忙しいこともあって「とにかく痛いところだけ治してほしい」とおっしゃる方も。まだまだ日本では若いうちから定期的に歯科医院に行くことは一般的でないのかもしれません。押しつけも良くないので予防のお話だけ簡単にして、頭の隅に置いておいてもらえればと思っています。数年後、また歯が悪くなり、身をもって検診の大事さを痛感される方もいます。
- Q子どもの患者が増えているそうですね。
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A
はい、ありがたいことにクチコミで来られる方も多いです。大人の虫歯はご自身の不摂生が原因とも言えますが、小さいお子さんの虫歯はそうではありません。なるべくお子さんには優しくと決めています。痛い思い出になるとかわいそうですし、将来、定期検診から遠ざかってしまうかもしれません。加えて、心がけているのは、お子さんの意見を聞くことです。お母さんが「グラグラだから抜いて」とおっしゃってもお子さんが「今日はその気分じゃない」と言えば、話し合って様子を見ることもありますね。そうするとお子さんも「この先生、話わかるな」と思ってくれて、その後治療をすることになってもスムーズにいきます。泣く子はあまりいませんね。