原 正幸 理事長、原 幸弘 院長の独自取材記事
原歯科
(長久手市/長久手古戦場駅)
最終更新日:2021/11/08

長久手古戦場駅のすぐ南に位置する「原歯科」。40年以上にわたり、地域の歯科医療に貢献してきたクリニックだ。原正幸理事長は開業以来「患者第一主義」を掲げ、一人ひとりに寄り添い、わかりやすく説明する診療に努めてきた。現在は長男の原幸弘院長とともに、さらなる「患者の幸せ」のため、口腔内にとどまらず、全身の健康づくりや美容を含めた包括的なサポートにまで活動を広げている。「歯科治療を通じて患者さんに幸せで健康的な生活を送っていただき、社会貢献につなげたい」と口をそろえる両先生。医療に対する真摯な思いや、お互いに対する信頼感が真っすぐに伝わってきた。
(取材日2021年6月21日)
歯を治療するだけでなく体の健康管理にまで目を向ける
貴院の理念はどのようなことですか?

【幸弘院長】当院は父が1979年に開設し、1998年に現地に新築移転しました。開業以来「患者さん第一主義」という理念は変わりません。医療に携わる人間は、困っている人を助けることが仕事で、ひいては社会に貢献するというのが父の考え方です。息子の私が言うのも何ですが、父は、人として尊敬できる人。エネルギーがあり、人のために人生を捧げていると感じます。おかげさまで40年以上のお付き合いの方も多く、「ずっとここに通えて良かった」と言っていただくことも。長く通う方は定期検診もしっかり受けられており、きちんと口内環境を管理されているので、ご高齢でも歯が残っている方が多いですね。たくさんの方に自分の歯で食事をし、健康に暮らしていただくようにしていくことは、健康寿命を延ばすことにもつながります。それが歯科医師としての社会貢献になると思います。
設備や感染症対策について教えてください。
【原理事長】検査機器としてエックス線やCT、さらにマイクロスコープを備えています。特徴的な設備は、手術室ですね。私がインプラント治療を学んだスウェーデンの教授と一緒に設計し、衛生管理を徹底しました。ガウンやマスクは外科の開腹手術で使用するものと同等のものです。感染症対策としては、患者さんに診療前にうがいをしてもらうことをお願いしています。また、当院で使用する除菌スプレーはフルーツ成分由来のものです。さまざまな角度から安心・安全な医療環境の提供をめざしています。
オーラルフレイルや口の健康について教えてください。

【幸弘院長】オーラルフレイルはお口周りの筋力が衰え、噛む機能や滑舌が低下することです。口腔機能が衰えると、それがサルコペニアといわれる筋力量の低下など体の衰えにつながります。要介護や寝たきりになってしまうリスクを避けるためにも、お口の健康を保つことは非常に重要なのです。残念ながら歯を失い、入れ歯にした方はフレイルになりやすいので、しっかりと噛める入れ歯を作ることが大切になります。当院では型採りの段階から精度にこだわり、快適に使っていただけるようにしています。お口の健康の指標として80歳で20本の歯を残す「8020運動」がありますが、当院に通われている患者さんは達成されている方が多いんですよ。中には90歳で27本残っているという方も。歯が健康な方は体もお元気で、年齢より若く見えると実感しています。
歯科医療を通し、患者に幸せを提供することをめざす
貴院では予防にも力を入れられているそうですね。

【幸弘院長】はい。毎日歯磨きをしていても、歯ブラシの毛先はせいぜい1~2ミリしか歯周ポケットに入りません。歯周ポケットは平均3ミリですので、どうしても1ミリ分は汚れが残ることが多く、それが徐々に固まると歯石となって歯周病へと進行していきます。そのため歯科医院でのクリーニングを3ヵ月に1度は取り入れていただきたいですね。当院では1度の検診でさっとすべてを終えるのではなく、保険診療のルールに則って3回に分けて全部の歯を丁寧に掃除していきます。忙しい方には工夫して2回で終えることも可能ですが、納得して3回通ってくださる方が多いです。それも「8020」を達成した方が多い要因でしょう。当院では父が開発に携わった説明専用のシステムにより、歯1本1本をイラストにして「見える化」していますので、患者さんが現状を把握しやすく定期検診を受けるモチベーションになっていると思います。
スタッフさんについても教えてください。
【幸弘院長】主に定期検診を担当するのはスタッフです。当院では各自、歯科技術や身だしなみ、意欲なども自己採点して「見える化」しています。数値で表すのでお互いに確認し、高めあうことができますね。仕事以外のたわいない会話も大事にしており、みんなの仲が良いのも当院の自慢の一つです。実際に治療するのは私たち歯科医師ですが、それはスタッフのアシストがあってこそ。スタッフの力はとても大きく、いつも感謝しています。
【原理事長】歯科医院での仕事は大変ですが、スタッフにも楽しく、自信とやりがいを持って働いてほしいと思います。そうすれば自然と笑顔になり、幸せな気分になって、それが患者さんにも伝わるのではないでしょうか。
改めて患者さんに対する先生方の思いとは?

【幸弘院長】歯科医療を通して健康づくりに貢献することで、皆さんに幸せになっていただきたい、という思いが一番強いですね。私の名前は、父からと、父の尊敬する方から一文字ずつもらったものですが、「幸」と「弘」で幸せを広めるという意味もあると気づきました。患者さんはじめ、スタッフにも、そして自分の周りの方すべてにも幸せが広がればいいなと思っています。
【原理事長】健康であることは、幸せなこと。医療はその根本的なところに関わるわけで、「8020運動」は、食べるためだけではなく健康寿命を延ばし幸せな人生を送るためなのです。歯科医師の仕事は「どれだけ多く治療したか」ではなく、「どれだけ多くの人に幸せになってもらったか」で評価されるものだと思っています。
患者が幸せな気持ちで通えるクリニックに
理事長は初期の頃からインプラント治療に携わっておられるそうですね。

【原理事長】はい、インプラント治療における草分け的存在のスウェーデン人の先生について学びました。スウェーデンではハンディキャップがある人も、ない人と同じように生活できるようにしようということ、また人間の本来持つ機能を大切にしようという考え方が強く、インプラントもそうした信念のもと「第二の天然歯」として開発されたのです。自分の歯のようにしっかりと噛むことが望め、周りの歯に負担をかけにくい治療であることから、残っている他の歯を守る、つまり予防のための治療であるともいえるでしょう。当院はそうしたインプラント本来の在り方や治療術を伝えるための活動にも力を入れ、全国の希望する歯科医師に研修を行っています。当院でのインプラント手術は、患者さんお一人にしっかり向き合うため、1日1症例に限定しています。
理事長の提唱されている「Gott Dentist」とは?
【原理事長】「Gott」とはスウェーデン語で「幸せ」のこと。私は「幸福歯科学」をめざしています。患者さんの幸せにつながる健康を支えるためには、歯科医療だけでは限界があり、全身にアプローチすることが大事だろうと考え、さまざまな構想を練っているところです。これまでお口の健康をメインに注力してきましたので、これからは体のお悩みにも寄り添い、健康づくりを支えたいと考えています。地域の方々はもちろん、さらに多くの人を助けたいと思っていて、「歯科が世界を笑顔にする」をスローガンに、アメリカの企業とコラボレーションして健康をサポートする器具を開発したいという構想もあります。院長には私の思いを引き継ぎ、医療業界を引っ張っていく人になってもらいたいですね。
今後の展望についてお聞かせください。

【幸弘院長】治療ではなく、予防やメンテナンスのために来院される方がもっと増えてほしいと思っています。定期検診を習慣にしていただき、予防やメンテナンスだけの通院になれば痛みもほとんどなく、きれいになって気持ち良く帰っていただけますよね。当院では患者さんにリラックスしていただけるようなオプションサービスもご用意しています。世間一般の「歯医者さんは痛くなったら行くところ」というイメージではなく、ワクワクして笑顔で通えるクリニックで在りたいです。きちんとした治療やケアを提供する一方で、患者さんが何でも聞きやすい、アットホームな雰囲気はこれまでどおり大事にしていきたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(1本)/50万~70万円、入れ歯/25万~45万円、ブリッジ/25万円~、インレー/4万~5万円