全国のドクター9,097人の想いを取材
クリニック・病院 161,402件の情報を掲載(2020年3月29日現在)

  1. TOP
  2. 愛知県
  3. 豊川市
  4. 伊奈駅
  5. ヒロタ歯科クリニック
  6. 廣田 正司 院長、廣田 俊介 副院長

廣田 正司 院長、廣田 俊介 副院長の独自取材記事

ヒロタ歯科クリニック

(豊川市/伊奈駅)

最終更新日:2019/08/28

109586

愛知県豊川市伊奈町(旧・宝飯郡小坂井町)、名鉄名古屋本線・伊奈駅から線路沿いを豊橋方面に3分ほど歩いた住宅街の一角に「ヒロタ歯科クリニック」がある。ここに30年ほど前に開業した廣田正司(まさし)院長は補綴のスペシャリストで、精度の高い義歯治療の提供に努めている。また1年半ほど前に、横浜での学業と修行を終えて、副院長としてクリニックに加わった次男の廣田俊介先生は、有病者や障害者の全身管理を大学で学んだ。歯科医師としての長年の経験から培った治療技術と診断力を持つ父と、現代のニーズにフィットした患者管理と予防歯科を学び実践する息子。2人で力を合わせ、地域の特性も考えながら、当地の人々の歯の健康に貢献していきたいと抱負を語る。院長・副院長の2人に話を聞いた。
(取材日2017年9月2日)

地域の歯科医療を支え続けて30余年

クリニックをこちらに開業されたのはなぜですか?

1

【廣田院長】私が生まれ育ったのは隣の豊橋市なのですが、たまたま自宅の目の前に歯科医院があり、そこでは開業できない。でもどうにか近隣で開業したいと思って出会ったのがこの土地でした。32年前のことです。昔から通っていただいている患者さんに加え、そのお子さんやお孫さんを含めたご家族で通っていただいている方、企業にお勤めの方などもたくさんいらっしゃいます。

院長も副院長も、横浜の鶴見大学のご出身ですね?

【廣田院長】はい、妻も長男も含め家族4人、鶴見大学です。鶴見大学の指導方針が非常に臨床に即し、患者さんのほうを向いているので、息子2人が大学を選ぶときにも勧めました。また息子たちには一度都会で暮らしてみてほしいなと思ったことも理由のひとつです。長男は大学を卒業後、大学院へ進み、今は研究者の道をめざしているようです。次男がこちらに帰ってきてくれましたので、将来このクリニックを継承してもらいたいと思い、今一緒に頑張っているところです。

俊介先生は最初からこちらを継ぐつもりだったのですか?

【俊介副院長】いえ、このクリニックを継ぐのは兄だと漠然と思っていました。でも兄が研究者の道を志すようになり、僕も結婚して子どもが生まれたのを契機に、この伊奈の町で育てたいなと思い、決心しました。ある日、患者さんが「長生きしてくださいね」と父にかけた言葉を聞いて、父が育ててきたこのクリニックを大事にしたいなあと考えたのです。

院長は補綴のエキスパートと伺いました。補綴の面白さ、やりがいは何ですか?

2

【廣田院長】ズバリ、歯を作って入れることですね。開業すると、実際の義歯製作は歯科技工士さんにお願いすることが多くなりますが、大学にいる頃は、自分で義歯を作るのが基本でした。自分が作った歯を患者さんのお口の中に収めることによって、患者さんが噛めるようになること、またおいしく食べられるようになると本当にうれしいんです。だから、今でも自分で作ることが結構あります。大学と同じレベルくらいの義歯を作って提供できているのではないかと自負しています。技工士さんもとても技術力が高く、横浜の大学時代から一緒にやらせてもらっている人なので、私の意図するところをよく理解してくれています。「患者さんがなるべく早く噛めるように」という思いで、型を取るところから、作ってお口の中に入れ微調整するところまで、トータルで迅速に対応できます。

全身管理や生活背景も考慮しての治療

俊介先生が歯科医師をめざした理由を教えてください。

3

【俊介副院長】僕はここができてすぐ生まれ、今年30歳になります。医院とともに成長してきたと言ってもいい。僕が子どもの頃はここの2階に住んでいて、よく下に降りてきて遊んでいました。歯科特有の歯を削るウィーンっていう音も、消毒の匂いも、普通の人にとってはちょっと嫌な感じがするものかもしれませんが、僕にとってはなじみのある懐かしい音と香り。また、小さいときから手先が器用で、歯の模型を作る父のそばでまねしてみたり、母方の祖父が歯科技工士で、母の郷里の岩手に遊びに行くといろいろな道具を触って遊ばせてもらったりして、自分は歯科医師に向いているかも、と思っていました。大学受験前になって父や母の仕事を今一度眺めたときに「ああ、すごい仕事なんだな」と改めて思いましたね。実は音楽を勉強したいという気持ちもあったのですが、兄も歯科をめざしていたこともあり、背中を押してくれました。

俊介先生は「障害者歯科」を専攻されましたね。

【俊介副院長】はい。大学を卒業し、1年間の初期研修を終えたとき、補綴や矯正など何かに特化するよりも、もう少し全般的に歯科医療に関わりたかったんです。それができるところを大学の中で探したときに、「障害者歯科」という分野に出会いました。そこでは障害や他の病気を持ち、一般の歯科では治療が困難な患者さんが対象となっていて、大学病院ということもあり、いろいろなところを渡り歩いて最後にそこにたどり着く方も多く、高いレベルでの全身管理が必要な治療を多く手がけていました。また、有病者・障害者の方はいろいろな薬を飲まれていることが多くて、注意すべきことがたくさんあり、とても勉強になりました。

そのときの経験は、今こちらでどのように役に立っていますか?

4

【俊介副院長】虫歯を見てただその治療をするだけでなく「なぜこの人は虫歯になったのか」を考えるのですが、例えばある薬を飲んでいたために唾液の分泌が減り、口の中が渇いて虫歯になりやすい環境だったとか、この超高齢社会では本当に隠れた要素がたくさんあります。また、小学生の男の子の歯肉炎がなかなか治らず、普通なら磨き残しが原因だと考えられるのですが、おかしいと思い、それとなくお母さんに聞いてみたところ、実は腎臓の疾患があり薬を飲んでいた。その薬が原因だと診断できました。でも、じゃあその薬をやめればいいかというとそうではありません。やはり歯科よりも全身的なことを優先すべきで「それならうまく付き合っていきましょう」というアプローチに変わります。腎臓の主治医の先生と連携しながら歯はこちらで月1回管理していくことになりました。歯科は全身的なことや生活背景も含めて治療を進めることが大事なんです。

次世代に向けて、受け継ぐ「ヒロタイズム」

今後、力を入れていきたいのはどんな分野ですか?

5

【俊介副院長】やはり予防ですね。歯は自分では見えない世界なので、「ここに虫歯がある」と言われても患者さんは不安だと思います。ですので、口腔内カメラとモニターを使って見てもらい、かみ砕いて説明することを心がけています。また、なぜ虫歯になったのかも大事。ただ甘いものを食べたからではないはずなのです。歯ブラシ指導など、予防歯科に移行し「義歯にならないようにするには」という意識を持ってもらえたらうれしいです。
【廣田院長】私は近隣の高校、小学校、保育園の校医をやらせていただいていまして、保育園では保母さんたちが頑張って「フッ素洗口」が普及してきたおかげで虫歯が減ってきているのがわかります。ただ小学校では、この地域は愛知県でも虫歯が多いほうなのです。地域性もあると思いますので、そのあたりも踏まえてお母さん方への情報提供もしていきたいですね。

俊介先生が院長から学びたいこと、院長が俊介先生に学んでほしいと思うことは何ですか?

【俊介副院長】院長先生は、治療に関してすごく的確なんです。「この症状だったらこうだ」と自信を持って言える。その自信は、豊富な経験に裏付けされたものだと思います。そして義歯に関してはプロ中のプロ。高価な機材を備えた大学病院レベルの治療を、開業医として応用して保険診療で提供しています。たくさんの偉い先生を見てきましたが、こんなに近くに「学びたい」と思える師がいてとても幸せです。
【廣田院長】私から学んでほしいなと思うのは、やはり基礎。自分も最初に補綴学教室で諸先生、諸先輩から教えていただいたことを発展させてきました。患者さんの「痛みを取る」といった基礎がとにかく一番大事なのです。

最後に、患者さんへのメッセージをお願いします。

6

【廣田院長】歯に何らかのトラブルがあるとき、自分で判断しないでいただきたいなと思います。曖昧な知識で自分の歯の健康をおろそかにせずに、気軽に相談に来てください。私たちは患者さんの意向を最大限に考えます。歯科医院って嫌なところだと思うんですが、その気持ちを十分くみ、「食べる」という基本的な喜びを一緒に守っていきたいですね。

Access