保険適用の多焦点レンズも利用可能な
白内障手術で見え方の改善を
梅の木眼科医院
(横浜市青葉区/市が尾駅)
最終更新日:2024/08/28


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視界が全体にかすんだり、ぼやけたりするほか、光がまぶしく感じるなど、見え方に大きく影響する白内障。主な要因は加齢で、進行度の違いはあっても、高齢者の多くが白内障にかかっているといわれる。初期の場合であれば、進行を緩やかにしていくための点眼薬で対応していくことが多いだろう。ただ、点眼薬を使っても少しずつ進行していくため、見え方が改善することはないとされる。一方、根本的な治療として行われるのが人工の眼内レンズによる治療。最近では日帰り手術も選択できたり、眼内レンズの選択肢も増えているという。そこで、大学病院などで白内障手術をはじめ難易度の高い治療を多く経験してきた「梅の木眼科医院」の加藤悠院長に、白内障手術となるタイミング、眼内レンズの違いや選び方などを詳しく解説してもらった。
(取材日2022年6月15日)
目次
ピントの合う位置が異なる眼内レンズを生活スタイルに応じて選択。保険適用の多焦点レンズも利用可能に
- Q白内障はどんな症状で、どれくらいの年代に多いのですか?
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A
▲白内障は加齢性の疾患であるが、年齢関係なく発症することも
白内障は目の中のレンズ(水晶体)が濁る病気で、すりガラス越しのようにかすんだり、ぼやけたりといった見え方になるといわれます。また、光がまぶしく感じる、視力の低下から目の疲れを感じる、などの症状も多いようです。主な原因は加齢で、一般的に60歳以上のほぼ全員に、程度の違いはあっても白内障の症状が見られるとされています。また、年齢を問わず糖尿病などの病気や外部からの強い衝撃で白内障になる場合もあります。加齢による白内障は一般的にゆっくり進行するため、ご本人も症状に気づきにくく、ある程度悪くなってから「見えづらい」、「視界がぼんやりする」と感じ、それから眼科に相談されるケースも多いと思います。
- Q治療の選択肢とその選び方について教えてください。
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A
▲視能訓練士による詳細な検査を受ける
治療は点眼薬と手術に大別されます。点眼薬は病気の進行を緩やかにしていく目的で、白内障があまり進行していない方、手術を望まない方が主な対象です。しかし、点眼薬を使っても病気は少しずつ進行するため、見え方の改善をめざす場合は手術が必要となります。車の運転や日常の活動に不安がある、読書が楽しめないなど、白内障で生活に支障がある方は手術を検討されてもいいでしょう。白内障手術は濁った水晶体を人工の眼内レンズに置き換えるもので、現在は日帰りでも手術可能になっています。また、手術中に難症例とわかった場合もすぐ対応できるよう、当院では繊細な技術を要する網膜硝子体手術の経験も豊富な私がすべての手術を担当します。
- Q眼内レンズにはどのような種類があるのですか?
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A
▲患者の生活スタイルに合った眼内レンズを選ぶことが大事
眼内レンズは1ヵ所にピントが合う単焦点レンズ、複数箇所にピントが合う多焦点レンズに分けられます。単焦点レンズは近、中、遠距離にピントが合うタイプから1つ選び、ピントが合わない距離は眼鏡で調整します。このため車の運転が多い方は遠距離タイプ、読書や手元の作業を楽しむ方は近距離タイプといったように、その方が生活で重視される距離でレンズを選ぶのが一般的です。多焦点レンズは2ヵ所またはそれ以上の箇所にピントを合わせられますので、眼鏡を使う場面を減らせるメリットが考えられます。2024年6月現在で、単焦点レンズに加えて多焦点レンズの1種類で保険が適用されていますので、保険診療での選択肢も広がりました。
- Q手術を選んだ場合、入院と日帰りでは何が違いますか?
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A
▲手術当日の所要時間は、準備や術後の安静を含めて1時間ほど
白内障手術は部分麻酔で行い、一般的に手術自体の時間は10分程度で、準備や術後の安静を含めても1時間ほどが目安です。手術した目は眼帯で保護し、翌日の受診で術後の様子を確認。問題がなければ眼帯を外して、目とその周囲を清浄に保つため点眼薬を続けていただきます。こうした流れは数日の入院でも日帰りでも変わりません。このため、ご高齢などで手術後すぐに帰宅されるのが難しい方でなければ、日帰り手術を中心に考えていいでしょう。日帰り手術は入院した場合より生活への影響が少なく、仕事やご家族への負担も軽くなると思います。なお両目とも手術される場合は片目ずつ、数日から1週間くらい間隔を空けて行うことが一般的です。
- Q手術後の注意点などを教えてください。
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A
▲術後は、定期的な通院で目の状態を確認
生活面の制約はほとんどありませんが、術後3日ほどは顔をこすらないよう注意し、洗顔はタオルなどで目の周囲を避けて拭うようにしてください。ご自身での洗髪も顔にお湯がかかるのでお勧めできません。術後で大切なのは点眼薬を決められたとおりに使うことです。一般的に複数の点眼薬が同時に処方され、術後の経過により種類や数も変わるので、当院では患者さんごとに点眼薬のスケジュール表を作り、朝はAの点眼薬とBの点眼薬、昼はAとC、夜はAだけ、などの予定が目に見えてわかるようにしています。また、手術後しばらくは車の運転ができないので、車での移動が必要な方はご家族に協力いただくか、タクシーなどの利用もお考えください。
自由診療費用の目安
自由診療とは多焦点眼内レンズを用いた白内障手術/20万円~