加藤 悠 院長、加藤 道子 理事長の独自取材記事
梅の木眼科医院
(横浜市青葉区/市が尾駅)
最終更新日:2024/08/30

東急田園都市線市が尾駅西口より徒歩5分ほどの場所にある「梅の木眼科医院」。1998年の開業から地域に根差す眼科医院として、高齢者から子どもまで幅広く訪れるクリニックだ。2021年には加藤道子理事長の息子である加藤悠先生が院長に就任。東京都内の病院で手術のトレーニングを積んだ経験を生かすべく、新たに手術室を開設。日帰りの白内障手術や網膜硝子体手術が同院で行えるようになった。「患者さんの生活の幅を狭めず、これからも生き生きと生きていける道をともに探るのが開業医の使命」と話す道子理事長と、「満足度の高い治療を提供するために、まずは患者さんのお話をしっかり聞くよう心がけています」という悠院長に、診療の特徴や地域の患者への思いなどを聞いた。
(取材日2021年6月30日/再取材日2024年5月22日)
専門的な手術にも対応。患者に寄り添うかかりつけ眼科
まずは医院の成り立ちを教えてください。

【道子理事長】もともとは勤務医として多忙な日々を送っていましたが、患者さんとしっかり向き合い、その方の生活背景も踏まえた上で医療を行いたいと思い、1998年12月に開業。眼科診療全般を幅広く診療するとともに、視力障害がある人の生活をサポートする「ロービジョンケア」にも力を入れてきました。2021年には、日本眼科学会眼科専門医の息子が院長に就任したのを機に手術室を新設し、専門である白内障手術や網膜硝子体手術にも対応できる環境を整えました。
【悠院長】開業から26年がたち、当院に長年通う患者さんで手術が必要な方も増えてきています。中には足腰が弱ってきている方もいますので、地元で受けられる日帰り手術を提案させていただくことで、地域の皆さんのお役に立てればうれしいですね。理事長の意思を引き継ぎながら、自分の得意分野を生かしていきたいと思っています。
悠先生の院長就任後にはどのような変化がありましたか?
【悠院長】手術室設置のほか、カルテを紙カルテから電子カルテに移行し、待合室を広くするなど、より受診しやすい医院づくりを進めてきました。さらに患者さんの負担を軽減するため、先進の手術機器も新たに導入しています。今までの検査は、散瞳剤という瞳を広げるための目薬を使用していましたが、患者さんは数時間目が見えづらくなり、高齢の方はその間の転倒のリスクもありました。それに替わる広角眼底観察システムを導入したことで、散瞳剤を使わずに眼底の撮影が可能になりました。短時間でまぶしくないので、小さなお子さんも検査しやすいと思います。
こちらにはどんな主訴でいらっしゃる方が多いですか?

【道子理事長】赤ちゃんからお年寄りまで幅広い年齢層の患者さんがいらっしゃいます。症状はさまざまで、例えば赤ちゃんの場合、涙の量や目やに、斜視などを気にして連れて来られることが多いですね。少し大きくなると近視・乱視の問題、大人になるに従い緑内障、白内障、生活習慣病に伴う目の疾患が多くなります。早く病気が見つかるとその後の治療も負担が少なく済みますから、ひどくなるまで我慢しないでまずは相談していただきたいですね。また40歳を過ぎたら一度は眼底のチェックを受けてほしいと思います。
【悠院長】白内障は日帰り手術が可能で、目の中に入れるレンズのピントが1つの単焦点眼内レンズと、遠く・中間・近くなど多数の位置にピントが合うようにする多焦点眼内レンズから、ライフスタイルに合わせて選ぶことができます。また、近視や乱視の矯正を目的とした眼内レンズを挿入する屈折矯正手術も行っています。
日帰りの白内障手術や硝子体手術にも対応
お二人のご経歴を教えてください。

【道子理事長】父が外科の医師だったのでその背中を見て育ちました。自分も何か世の中の役に立つ人間になりたいと医師を志し、東京女子医科大学に進学。卒業後は聖路加国際病院で研鑽を積み、東京女子医科大学病院や関東労災病院、桜ヶ丘中央病院などに勤務しました。糖尿病網膜症を専門にしています。
【悠院長】横浜市立大学医学部を卒業後、東京医療センターや都立駒込病院、杏林大学病院などに勤務しました。医師を志した頃から手術を専門にしたいと思っていたので、眼科全般の診察経験とともに手術のトレーニングも積んできました。特に網膜硝子体手術は得意としている手術です。
院長が専門で学ばれた手術について教えてください。
【悠院長】網膜硝子体手術については専門的な技術が必要となるため、難症例まで対応している先生が多くはないのが現状です。私が勤務していた杏林大学病院は網膜硝子体手術を多く行っている専門の施設でしたので、難症例や、時には緊急手術を行うこともありました。さまざまな症例を数多く経験してきた点は、私の強みでもあります。その経験を生かして当院では、黄斑上膜や黄斑円孔、糖尿病網膜症、網膜剥離など多くの網膜硝子体手術に対応しています。また、白内障手術と網膜硝子体手術を同時に行うような症例にも対応することが可能です。
白内障と緑内障を同時に手術することもできるそうですね。

【悠院長】水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術と呼ばれるもので、初期から中期の緑内障患者さんで白内障を合併している方が対象です。緑内障は、眼圧が高くなることで視神経がダメージを受け、視野が狭くなる病気です。一般的には眼圧低下のために点眼薬を使用しますが、この治療ではチタン製の極小のデバイスを目の中の組織に埋め込み、房水の排出循環の促進をめざします。その結果、眼圧低下につながり、点眼薬の使用頻度を減らしたり、使用を止められることが期待されます。白内障手術と同時に行う場合にのみ保険診療の適用になるので、緑内障治療中の患者さんで、白内障手術をお考えの場合はご相談いただきたいです。また、老眼などで近くのピントが合わなくなった人にも多焦点眼内レンズを提供しています。このレンズは乱視の矯正も見込め、中には、費用の一部を健康保険と併用できる「選定療養」を選択できるタイプもありますので、ご相談ください。
患者に寄り添い、より良い日々を送れるように
診療の際に心がけているのはどんなことでしょうか?

【道子理事長】当院にはいろいろな方が来院されます。さまざまな訴えの中で、よくお話を聞くと糸口が見つかることも多くあると思っています。先進の検査機器を駆使して、正確な診断とタイムリーな治療を心がけ、患者さんの豊かで明るい生活をともに模索していく、これが私どもの生きがいです。
【悠院長】患者さんにより多くの選択肢を提示して、治療への満足度を高めていきたいと思っています。そのためには、患者さんがどのような治療を望んでいるのかを理解する必要があります。ですから、診察では患者さんと視線を合わせて、まずは患者さんの話を聞くことを大切にしています。そして、診断や治療についての説明もおろそかにはしません。患者さんの年齢やライフスタイルなどの状況に合わせて、わかりやすく納得していただける説明を心がけています。
長年勤めているスタッフさんも多いそうですね。
【道子理事長】はい、開業以来のスタッフもいます。優秀なスタッフがそろっていると思いますよ。副院長の海老名もも子先生は、横浜の大規模病院での勤務を経て当院に入職された、神経眼科を専門とする先生です。医師のほか看護師や視能訓練士などのスタッフを含めて、総勢で11人の「チーム梅の木」です。皆が優しく患者さんの立場に立って行動してくれていて、医療を行う上でも、この町に溶け込む上でも、とても心強い仲間だと思っています。当院にはさまざまな訴えを抱えて幅広い年齢層の患者さんが来院されますが、いつもスタッフに支えられ、助けられています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

【道子理事長】患者さんも医師から得ることはあると思いますが、むしろ医師が患者さんから学ぶことのほうが多く、患者さんによって育てられていると考えています。当院が得たものを、この町に還元していくのが開業時からの課題です。開業したからには、この町に寄り添って患者さんや地域の皆さまとともに生きていきたいと思っています。
【悠院長】理事長が礎を築いた当院で、自分の得意分野を生かしながら、今後も地域の方の役に立てる医院をめざしていきます。それが診察であっても手術であっても、また話を聞くだけであっても、ここを頼ってくれる患者さんの役に立てることが第一です。そして、患者さんのより良い人生のために、質の高い医療を提供していきたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とは多焦点眼内レンズを使用した白内障手術(選定療養)片眼/20万円~
有水晶体後房レンズを使用した屈折矯正手術(自由診療)/両眼50万円~