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河合 康夫 院長の独自取材記事

河合医院

(横浜市青葉区/あざみ野駅)

最終更新日:2020/02/07

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閑静な住宅地すすき野にある「河合医院」は1989年に開業して以来、プライマリ・ケアを行うホームドクターとしての役割を果たしながら、新しい医療を積極的に取り入れ、多くの人の健康な暮らしを支えてきた。30年前に渡米し、当時まだ日本では知られていなかったPMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)の治療に着眼し、薬による治療に携わってきたほか、糖尿病患者への糖質制限による食事療法ややけどの湿潤療法など、困っている人のための治療を取り入れる。同院を訪れる患者は、近隣のみならず遠方からも多い。穏やかで優しい笑顔が印象的な河合康夫院長に、得意とする治療法、糖質制限や湿潤療法についてや、今後の取り組みについて語ってもらった。
(取材日2016年6月23日/再取材日2020年1月21日)

PMS、PMDDは薬で対応。我慢せずに受診を

診療内容をお聞かせください。

内科、婦人科、皮膚科を中心に、レベルの高いプライマリケア(初期治療)ができる地域の医院をめざしつつ、必要に応じて高度な医療機関へ紹介するという形をとっています。内科では特に高血圧や糖尿病、高脂血症など、皮膚科では傷の湿潤療法に力を入れています。湿潤療法とは、普通は傷を乾かすところを、洗浄後に薬のついたシートを貼りつけて傷を覆う治療法です。やけどの治療にも取り入れており、覆ってしまうと痛みの感じ方も違ってきます。婦人科ではPMS(月経前症候群)の治療を中心に、更年期障害をはじめとした婦人科疾患全般に対応しています。

婦人科で特に力を入れて診療しているPMSとはどのような病気ですか?

日本ではあまり知られていませんが、アメリカではとても盛んに治療が行われている病気です。生理前に起こる症状で、軽い人は、乳房が張る、おなかにガスがたまる、むくむ、甘いものが食べたくなる、イライラするなどの症状が出ます。ひどい場合は、イライラが激しくなる、不安になるなどの症状によって、社会生活や仕事、家庭で支障をきたす深刻なケースもあります。こうしたひどいケースはPMDD(月経前不快気分障害)といいます。中等度以上のPMSは、生殖年齢女性の5.4%、PMDDは1.2%といわれています。

どのような治療法があるのでしょうか?

病気の原因として考えられるセロトニンは心の動きや感情に効く重要なホルモンで、黄体期に黄体ホルモンが出ることでセロトニンの神経に作用し、働きが悪くなるのではないかと考えられています。そういった要因から、うつ病の薬であるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)で症状の緩和を図ります。うつ病に使う薬と言うと皆さん驚かれますが、PMDDの方の場合は、月経前に症状が出たら服用し、生理が来たら止めるという一時的な使い方もでき、服用量も少なく副作用もほとんどありません。PMS及びPMDDが病気であるということがきちんと認識され、そういった薬があるということが広く知られ、適切な治療がほどこされるよう、医療関係者や患者さんを含め社会にもっと啓発していきたいと考えています。

糖質制限や湿潤療法、常に世界水準の医療に注目

治療法があると知らずに我慢している女性も多いのではないでしょうか?

そうですね。SSRIは精神科で使う薬なので、残念ながら産婦人科の先生は扱いに慣れていなかったり、精神科の先生も産婦人科を理解されていなかったりする方が多く、結果的に困っている方に治療法として届いていないのが現状です。PMSやPMDDは生理前には誰にでもあるよねと済まされてしまいがちですが、過度のイライラから夫婦関係が崩れてしまうことや、子どもにあたってしまうことも出てきます。思春期の大事な時期に、親と喧嘩して認めてもらえないことで非行に走るようなことがあれば、人生が大きく変わってしまいます。ですから、男性を含め周囲の方にも、社会生活が送れなくなる程になることもあるということを知っていただきたいですね。対応できる病気なのに情報がないから我慢をして、社会生活に支障をきたすなんてもったいない。ちゃんと治療をしてくれる先生を探して、ぜひ受診していただきたいと思います。

内科診療で特徴的なことはありますか?

糖尿病患者への糖質制限です。実は日本では明治の頃から糖質制限は取り入れられていたのですが、戦後忘れられてしまい、最近になって復活してきたという背景があります。日本ではカロリー制限が行われていますが、世界的には糖質制限が改善の期待ができる方法の一つだと捉えられています。私も専門家の提唱する「糖質制限10か条」を治療に取り入れていますが、完璧に実行できる患者さんは2割ほど。指導を始めたばかりの方だとなかなか難しいので、まずは夜はご飯を食べないなどそういったことから取り組んでもらっています。

皮膚科における湿潤療法について詳しく教えてください。

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夏井睦先生が提唱する湿潤療法は、消毒しない、乾かさないという方法で、傷シートを使用して治療をします。まず水道水でしっかりと洗浄してから、創面を乾燥させないお薬で覆います。外用剤については、ワセリンと軟膏のみを使用します。クリームは細胞膜を破壊してしまうので、絶対に使用しません。傷の具合を見ながら、創面が感染していたら感染源を見つける、抗生剤を使用するなどして処置を行っていきます。このように手順が定められていますから、きちんと従って正しい湿潤療法を提供できるように細心の注意を払っています。

多くの人に新しい医療を提供するため更なる挑戦を

なぜ医師をめざされたのですか?

病気の人の役に立ちたいという想いからですが、初めから婦人科をめざしていたわけではありません。医学部でいろいろな学科の勉強をしていくうちに方向が決まっていった感じですね。でも今考えると、父親が産婦人科の医療機械を製造・販売する仕事をしていた関係で、産婦人科というものが身近だったような気はします。大学では、臨床と生殖生理学の研究し、さらに勉強しようと米国フロリダ州のマイアミ大学に留学、主に卵巣のホルモンに関する研究に2年間たずさわりました。そこでは同時に家庭医療の良さにも触れ、もっと詳しく学びたいと、今度は英国のエジンバラ大学の大学院でプライマリケアについて勉強しました。その後しばらくして開業したのですが、1989年のことですから、もう30年以上になりますね。

先生のご趣味は何ですか?

診療後にプールつきジムに行くことです。帰宅途中にあるので楽に通えるんです。ジムには温泉もあって、毎日つかってリフレッシュすることが小さな喜びです(笑)。

最後に、今後、積極的に取り組みたいことを教えてください。

糖質制限にはもっと力を入れて指導していきたいです。糖質制限中の人も食事を楽しめるように、食に関する研究も積極的に進めていきたいですね。最近はチェーンの定食屋さんでも糖質制限のニーズを取り入れている所がありますし、パスタやラーメンも糖質制限商品が出てきました。これが売れるとわかれば商品開発がもっと進むと思うので、もっと糖質制限による糖尿病の治療が広まるように尽力したいですね。あとは、女性ホルモンの働きを助けるエクオールという成分にも注目しています。エクオールとは大豆イソフラボンの機能の本質となる成分で、更年期症状の軽減につながるといわれています。特に40~50代の女性で、不調が見られる方にはぜひ摂取していただきたいと思っています。このような新しい知見も積極的に取り入れて、今後も診療の幅を広げていきたいですね。

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