骨格にアプローチして顎の健全な発達を促す
小児の顎顔面矯正
七光台歯科クリニック
(野田市/七光台駅)
最終更新日:2024/05/15
- 自由診療
「最近の子どもは顔が小さい」と感じたことがある人は多いだろう。しかし、顔が小さいということは顎が小さいということでもあり、そこには注意しなければならない問題が潜んでいると「七光台歯科クリニック」の飯塚晃司先生は言う。それが、上顎や下顎の成長ぶりが標準より小さい劣成長だ。顎の成長が停滞したまま乳歯が永久歯に生え替わると、狭い範囲に歯が並びきらず、歯並びが崩れる原因になる。大人になってからでは根本的な改善が困難なため、成長に合わせて顎を矯正する「顎顔面矯正」で骨格の改善を図ることが望ましい。「歯が並ぶスペースを確保して、噛み合わせで苦労しない未来を手に入れましょう」と話す飯塚先生に、治療について詳しく教えてもらった。
(取材日2024年4月18日)
目次
将来生えてくる歯のために十分なスペースの確保をめざし、顎を適切な大きさに広げることを図る顎顔面矯正
- Q顎顔面矯正とは、具体的にどのようなことを行うのですか?
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A
顎顔面矯正は、顎の骨格にアプローチすることで、歯が正常に生える状態をつくるための治療です。通常、子どもの顎は、脳に近い上顎が先に発達し、10歳くらいまでにほぼ完成します。下顎は、上顎の成長よりも遅く、10代になってから成長のピークを迎えるのが一般的です。近年、やわらかいものを多く食べる食習慣などによって、顎の成長が停滞する子どもが目立つようになりました。顎顔面矯正では、子どもの成長に合わせて口腔内に装置を入れ、顎を十分な大きさまで広げることを図ります。診察やエックス線検査、歯型の採取などを通じて顎や口腔内の状態を確かめた後、必要な検査をし、治療計画に沿って矯正装置を使用していただきます。
- Qどのようなタイミングで相談すると良いのでしょう。
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A
顎顔面矯正が必要なお子さんは、多くの場合上顎が小さいために舌が正常なポジションに収まりきらず、口呼吸になって口が開きがちになります。また、乳歯が生え替わる時期には歯と歯の間に隙間が空いてくるものですが、顎が小さいと隙間が空かないことも多いですね。こうした状態に心当たりがある場合は、なるべく早めにご相談ください。近年は骨格的に歯が並びきらないことが明らかなお子さんが多いので、将来的に矯正が必要かどうかを見極めるための受診もお勧めします。矯正開始は、上顎の成長が止まる10歳前後までが望ましいです。ご本人の状態にもよりますが、できそうなら6~7歳の乳歯の生え替わり時期にはスタートできると良いですね。
- Q顎顔面矯正をすることのメリットを教えてください。
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A
まず、子どものうちに骨格の正常な発達を促し、すべての歯が並ぶだけのスペースの確保をめざすことによって、将来的に正しい歯並びの獲得につながることが期待できます。大人になってからでは顎の矯正は難しいため、歯並びが悪くなる根本的な原因までアプローチすることは困難になります。歯列矯正の際に抜歯が必要になったり、期間が長引いたりすることも多いでしょう。子どものうちに顎顔面矯正をしておくことによって、大人になってからのこうした負担の軽減が期待できます。また、上顎に十分なスペースができれば、舌が正しい位置に収まるため、口呼吸の改善につながると期待できることもメリットですね。
- Q痛みや、顔つきへの影響はありませんか。
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A
顎が小さく、口呼吸をしている子は、装置よりも型採りが苦しいと感じることが多いようです。1回だけ、かつ短時間なので、型採りだけはちょっと我慢しようとお伝えしています。装置に関しては、入れた直後こそ「話しにくい」「食べにくい」と感じることがあるものの、痛みはほとんどありません。お子さんは順応性が高いので、それほど心配する必要はないかと思います。また、顎を広げることを目的にしているとはいえ、顔が大きくなるわけではありません。顔つきも大きく変わることはないので、安心してくださいね。
- Q治療期間について教えてください。
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A
期間はその子によって異なり、中には1年程度で装置が外れる子もいます。装置を外した後は、男の子なら12~14歳、女の子なら10~12歳のピークまで様子を見ていきます。また、必要に応じて、歯をきれいに並べるための二期治療を行います。
自由診療費用の目安
自由診療とは顎顔面矯正(一期治療)/38万5000円~、顎顔面矯正(二期治療)/55万円~88万円
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。