乳がんは自己検診で発見可能
検診&セルフチェックを欠かさずに
K・クリニック
(横浜市青葉区/あざみ野駅)
最終更新日:2022/08/02
- 保険診療
女性に多いがん、女性がかかりやすいがんといえば、まず「乳がん」を頭に浮かべる人は多いのではないだろうか。2018年国立がん研究センターのデータでは女性が生涯で乳がんにかかる確率は10.9%。9人に1人がかかるとされている。発症率が高い乳がんだが、早期発見によって完治が見込める病気であり、自己チェックで異常が見つかるケースも多い。このことは自分の体を守るためにもぜひ多くの女性に知ってほしい情報だ。そこで、乳がんになりやすい人や自分でできること、どんな時に医療機関に相談すればいいのかを、乳がん検診に力を入れている「Kクリニック」の金杉和男理事長に解説してもらった。
(取材日2022年7月1月)
目次
乳がんはセルフチェックで見つけやすい病気。医療機関での乳がん検診と日々のセルフチェックで早期発見を
- Q乳がんになりやすいのはどのような人でしょうか?
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A
国立がん研究センターの2018年のデータでは、女性が生涯で乳がんにかかる確率は10.9%とされ、誰でもなりやすい病気であるといえます。特に多いのは40代ですが、10代や90代で乳がんが見つかる人もいます。そういう意味でも「この年齢だから安心」ということはなく、常に注意が必要です。ただし、家族に乳がん罹患者がいる場合や肥満の人は、乳がんのリスクがそうでない人に比べて高いことがわかっています。家族歴がある人はより注意して検診を受け、セルフチェックをしましょう。肥満ぎみの人は、食べるものを広く見直して体に悪いといわれているものをできるだけ排除し、高脂肪・高栄養の食べ物を減らすといった努力が必要です。
- Q乳がんのセルフチェックについて教えてください。
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A
セルフチェックに適しているのは、乳房の張りが収まる月経終了後5~7日後くらいのタイミングです。まず、目で見て自分の乳房の形を確認します。次に立ったまま乳房に触れ、異常がないかを調べましょう。立った状態だけでなく、寝た状態で調べることも大切です。仰向けになり調べるほうの肩の下に枕かタオルを入れ、乳房を高くして、乳房に硬くごつごつした触感がないかを調べます。そのほか、乳房の腫れやただれ、ひきつれ、色の変化、凹凸がないかも見て、乳首にひきつれやかさぶたがないかもチェックします。乳首を指で挟み、分泌物がないかも調べます。月経のない方は毎月同じ日にちでのセルフチェックをすると良いでしょう。
- Q痛みなど症状がなくても検診を受けたほうが良いでしょうか?
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A
乳がんは早期発見・早期治療が大切な病気です。発見と治療が早いほど、体への負担や経済的な負担が少なく済み、乳房を温存できる可能性も高まります。特に40歳を過ぎたら、1年おきに自治体がマンモグラフィ検査費用の一部を負担してくれますので、成人女性は年に1回は検診を受けることをお勧めします。また、セルフチェックで少しでも異常が感じられた場合は、速やかに専門の医療機関を受診してください。また、毎年検診を受けている人が検診と次の年の検診の間に乳がんになった場合、速い速度で病気が進行している恐れがあるため早めの対応が必要です。
- Q乳がん検診の検査内容を教えてください。
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A
問診、触診、マンモグラフィ、超音波検査です。昔はマンモグラフィは痛いといわれていましたが、今はソフトになっており痛みも昔ほどではありません。被ばく量も昔の機械と比べると減少しています。マンモグラフィと超音波検査はそれぞれ得意とする部分が異なるので、両方を同時に受けるのが望ましいです。検査を受ける際は、経験の豊富なドクターのもとで検査を受けたほうが、見落としのリスクが減って安心だと思います。当院では、初診の方にはまず話を聞いて触診をしてから、超音波検査だけでいいのか、マンモグラフィもしたほうがいいのかを判断します。いきなりマンモグラフィをすることはないので安心してください。
- Q検診で乳がんの疑いがある場合、その後はどうなりますか?
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A
異常が感じられた場合はMRIを使い精密検査を行います。MRIで画像診断をした上で、乳がんの可能性があると判断された場合、専門の病院で組織を採取して調べます。その結果を踏まえ、乳がんかどうかを診断します。乳がんは自分で触って異常に気づくことが多いため、見つけやすい病気ですし、早期発見・早期治療ができれば根治もめざせます。乳腺炎の症状に似ている乳がんという病気もありますから、まずはきちんとした検査を受けて、異常の原因を突き止めましょう。