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齋藤 清人 院長の独自取材記事

仲町台さいとう整形外科

(横浜市都筑区/仲町台駅)

最終更新日:2021/10/12

齋藤清人院長 仲町台さいとう整形外科 main

仲町台駅よりせせらぎ公園方面へ歩くこと2分。タイルで舗装されたきれいな歩道を抜けるとすぐの場所にあるのが「仲町台さいとう整形外科」だ。広々とした待合室やリハビリテーションルームが印象的な同院の齋藤清人院長は、大学病院で長年、骨粗しょう症をはじめとする整形外科疾患の研究に取り組んできたベテラン医師で、その豊富な知識と経験を生かした診療を実践している。「治療は医師だけに任せるのではなく、治し方をお教えするので、ご自分も治そうという意思を持って頑張っていただきたいのです」と語る齋藤院長に、同院のことや診療にかける思いについて話を聞いた。

(取材日2018年10月13日)

病気や痛みを根本的に治すことに取り組む

クリニックを紹介していただけますか?

齋藤清人院長 仲町台さいとう整形外科1

痛みやトラブルを表面的に解決するのではなく、根本的な問題を発見して、それに対処する方法を患者さんと一緒に考えましょうというのがポリシーです。近くにはマンションがありファミリー層がたくさん住んでいますし、少し離れると高齢者も多いことから、赤ちゃんから高齢者までの老若男女の方々にご利用いただいています。少年少女だとケガ、高齢者では膝や腰の痛みや骨粗しょう症の患者さんが多いですね。エックス線撮影装置や心電図などの一般的な検査装置に加えて、より精密に骨密度を測ることができるDEXA法の検査装置や、動脈硬化を測定する脈波伝播速度測定器も備えています。リハビリテーションにも力を入れていて、理学療法士が常勤と非常勤を含めて10人おり、常時3〜4人体制で行っています。また、水曜の午前中には、次女が診療を担当しているのですが、外反母趾や踵の痛みなどを診療する足の外科に特化した外来も開設しています。

診療方針を教えてください。

先ほども話したとおり、根本的な問題を発見して、それに対処するということです。例えば、腰が痛いからといって痛み止めを飲んで終わりではなくて、その痛みの原因を探して、筋力トレーニングやストレッチに取り組むことで、日常生活の中で根本的に治していきたい。そのお手伝いをしたいと考えています。それに、加齢に伴う変化にストップをかけることは難しいですが、日常生活が最終的に維持できるよう、要するに寝たきりにならないための方法を一緒に考えて、実行していきたいというスタンスです。

もう少し詳しく教えてください。

齋藤清人院長 仲町台さいとう整形外科2

例えば、椎間板ヘルニアと診断された人が100人いると、入院が必要になるのがその中の1割ほどで、手術までしなくてはならないのは2〜3%しかいないんです。そして、それらを解析してみると、再発を繰り返している人が本当に多いんです。ですから、椎間板ヘルニアを繰り返さずに、入院や手術が必要にならないようにするには、最初に発症した時にちゃんとした治療方針を決めて運動療法に取り組み、それ以上悪くならない方法を患者さん自身が覚え、後は自分が頑張れば繰り返さないで済みますね。そして高齢者の場合は、何かを繰り返すというよりも、1回転倒して骨折してしまうとそれで寝たきりになってしまうこともありますから、同じように運動療法に取り組んで、そうならないように予防するのも大切なのです。

骨粗しょう症の治療に力を入れる

力を入れていることは何ですか?

齋藤清人院長 仲町台さいとう整形外科3

専門が骨粗しょう症ですので、その診断と治療には力を入れています。特に女性の高齢者は多くの方がなる病気ですし、骨粗しょう症の人が転んでしまうと寝たきりになってしまう確率が高い。そして、これから高齢者はもっと増えますから、その介護や経済的負担といった問題はさらに大きくなります。それにストップをかけるには、一人ひとりがそれなりの努力をしないといけません。十数年前に新しい薬が出てから、海外では骨折が減っているのですが、日本だけ増え続けているんです。同じ薬を使っているのにですよ。それはなぜかというと、世界では高齢女性の4割が病院に行って検査を受けているのに、日本では1割に満たないんです。さらに、1年後に治療を続けている人も、世界では4割なのに日本では1割。つまり16対1の割合で治療が継続できてない。それで骨折が減らないのです。

どうすれば良いのでしょう?

65歳を過ぎたら、まず自分の骨がどうなっているのか検査を受け、その結果によって医師と相談して適切な対処をすることです。治療が必要な場合、当院ではカレンダーチェックを勧めていて、ポイントをまとめたプリントをお渡ししています。薬をちゃんと飲み、日光浴をして、牛乳を飲んで納豆を食べ、体操をする。これをちゃんと継続しようということで、カレンダーに記入してもらい、時々見せてもらうんです。それに体操は、体を痛めないように正しく行う必要がありますから、理学療法士による安全に配慮した筋力トレーニング方法の指導も行っています。これらがストレスになるという人もいますし、やるやらないは最終的には自己責任です。しかし、改善を促すさまざまな取り組みや、それを行う意義を伝えるのは私たちの義務です。私はここを開院以来、これをめざして取り組んできましたし、ここまでしっかりとやっている医院は少ないと思います。

動脈硬化を測る脈波伝播速度測定器は、整形外科でも関係あるのですか?

齋藤清人院長 仲町台さいとう整形外科4

少し歩くと足が痛くなったりしびれたりして歩けなくなり、少し休むと歩けるようになる間欠性跛行(かんけつせいはこう)は、動脈硬化によって足の血管が詰まってしまう閉塞性動脈硬化症と脊柱管狭窄症の両方で起こりますので、その鑑別に使うのが一つ。そしてもう一つが、骨質のチェックです。動脈のコラーゲンと骨のコラーゲンはほぼ共通で、動脈硬化が起こっている人は骨のコラーゲンの劣化をも起こっていて、そういう人は骨密度が低くなくても骨質が劣化しており、骨折しやすいことがわかっているんです。つまり骨折予防には、骨密度と骨質の両方が大切で、骨質の劣化がわかれば、より適した薬を処方することができるのです。この骨質の劣化については、今から30年以上も前、大学で研究をしていた頃から私はすでに着目しており、研究を重ねていたんです。それを後輩たちが引き継いで、今では体系化され、臨床にも生かせるようになりました。

偉大な祖父の影響で自然と医師をめざす

最近気になっていることはありますか?

齋藤清人院長 仲町台さいとう整形外科5

ウォーキングが正義になり過ぎていることがありますね。自分は毎日ちゃんと何千歩も歩いているから大丈夫だと言う人も少なくないですし、内科の先生もウォーキングを勧めます。でも、そのときに膝や腰のことは考えていないんです。だから、腰痛や膝痛、変形性膝関節症や脊柱管狭窄症にしても、歩いて悪くする人はたくさんいます。ウォーキングの目的は結局、20分以上の有酸素運動ですから、歩かなくても水泳や自転車こぎでも良いですし、自転車は転倒の恐れがありますから、自宅でできるサイクルトレーナーみたいなものを使うこともできます。つまり、有酸素運動や筋力トレーニング、ストレッチ、バランストレーニングには、それぞれに目的や理由があるので、それをちゃんと理解してもらって、正しくて適切な運動をすることが大切なのです。

ところで、先生はなぜ医師を志したのですか?

実家は代々医師の家系で、中でも祖父は齋藤眞といい、日本における脳神経外科学のパイオニア的存在といわれています。そんな祖父の伝説とでもいうのでしょうか、いろいろな活躍の話を聞いたり、祖父の姿を見たりしていると、医師というのは重要な仕事を担っているのだということをよく感じました。そんな中で育ちましたので、医師になることは私にとって自然なことだったんでしょうね。

最後にメッセージをお願いします。

齋藤清人院長 仲町台さいとう整形外科6

患者さんの中には、自分は仕事が忙しくて、医者は治すのが仕事なのだから、先生治してくださいという人がいます。でも、病院に来れば病気や痛みを治してもらえるというのは違います。病気や痛みの原因は、患者さんの中にあるのですから、それを見つけて、自分で治そうという気持ちがないと良くなりません。テレビなどでも、こうすればすぐに良くなるという話をしていますが、医療というのはそんなにセンセーショナルなものではなく、地道なものです。私は、治す手伝いはできますけど、魔法をかけることはできません。時々「先生は厳しい」と言われることもありますが、私は熱心なだけなのです。現在の状況や病気についてちゃんと理解いただいて、自分のために何ができるのか、どうしたら良いのかをしっかりと指導します。私は絶対に諦めませんから、一緒に頑張って問題を解決していきましょう。

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