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時枝 啓介 院長の独自取材記事

ときえだ小児科クリニック

(横浜市都筑区/北山田駅)

最終更新日:2019/08/28

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地域密着、患者目線の診療姿勢が特徴の「ときえだ小児科クリニック」。時枝啓介院長は喘息やアレルギーを専門とし、自らも喘息の症状と闘ってきた経験を生かして、同院では長引く治療に前向きになれるよう工夫を凝らす。その表れともいえるのは、おもちゃ箱のように子どもの「好き」が詰まった院内。広いキッズスペースに、たくさんのおもちゃ、待合室を飾る大きな熱帯魚のタペストリー。大人でも通うのが楽しみになってきそうなインテリアだ。今回は時枝院長に、診療に対する考え方や専門分野への想いを聞いた。言葉の一つ一つに信念が宿る魅力的なドクターだ。
(取材日2018年6月12日)

一つとして同じ治療はないというやりがい

先生は喘息、アレルギーが専門なんですね。

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実は私自身、喘息持ちなんです。患者さんの気持ちや苦しみがわかる分、医師としてだけでなく個人的な経験からもアドバイスできるのではないでしょうか。大学病院にいた時も喘息の外来を担当していましたし、アメリカにも呼吸器専門で留学しましたが、喘息は人によって発作の出方が違ったり、天気や体調、生活環境によって症状が左右されたりします。だからテーラーメイドと呼ばれるくらい、一人ひとりに合った治療法の選択が大切で、そこが難しくあり、やりがいでもありますね。

小児の喘息では、どんな検査を行いますか? 治療の進め方も教えてください。

代表的なものが呼気NO測定です。6秒間、装置に一定の強さで息を吹き込むというもので、呼気と画面に映し出されたバルーンが連動していて、息が強過ぎるとバルーンが上に飛び、弱過ぎると下に落ちるんです。6秒間バルーンをキープできれば成功。6歳前後から受けられますが、ゲーム形式なので子どもたちに人気なんですよ。また治療では、2~4週間の出来事を記録する喘息チェックシートを活用しています。3歳以下は親御さんが、4歳以上は本人も一緒に各設問に点数をつけていきますが、例えば18点満点だと「いい調子、そのまま治療を続けよう」、17~13点は「まずまず」、12点以下は「良くないね、治療法を変えよう」というふうに、総合的に判断して治療を見直します。さらに小学生になると、1日の活動内容、天気、咳は出たか、鼻はつらくないか、夜は眠れたかなどをシール形式の日誌につけてもらい、学校での様子も把握できるようにしています。

花粉症の低年齢化も進んでいるそうですね。

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発症の平均年齢は9歳ですが、3歳で症状が出てくる子もいます。しかし近年、花粉症のメカニズムが見直されて、あらかじめ薬を飲んでおくと予防になることがわかりました。花粉症がピークの時もひどい症状に悩まずに済むよう、早くて1月、遅くとも2月下旬には飲み始めるのがお勧めです。ちなみに果物や野菜を食べると喉がイガイガしたり、口が腫れたりすることがありますよね。あれは口腔アレルギー症候群という食物アレルギーの一種なのですが、トマトはスギ、キウイはイネ、メロンはブタクサというふうに、実は花粉と関係しているんですよ。花粉が体について抗体ができると、トマトならトマトの表面についている抗体と花粉が似ているので、口の中の粘膜が反応してしまうわけです。ただし飲み込むと胃液で分解されるので、体の中では認識しません。つまり口から胃までの症状。だから加熱したものや、缶詰は症状が現れないんですよ。

病気の仕組みから考える子どものアレルギー治療

食物アレルギーも気になるテーマです。

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子どもに食物アレルギーが出た場合、原因となった食物を除去するか、それとも少しずつ与えて克服させるか。どっちが正しいと思いますか? 実はどちらも正解。その子の免疫状態によって対応が変わるんです。そもそも食物アレルギーとは特定の食物にリンパ球が反応して起こるもので、刺激を与える度に1個だったリンパ球が10個、100個、1000個と増殖します。そしてその数だけアレルギー反応が強くなるわけです。一方、リンパ球には寿命もあって、刺激を与えなければ減少し、最終的には0に。原因食物を避けることでリンパ球を根絶させようというのが、アレルギー除去食の考え方です。しかし、免疫状態が成人のそれに切り替わる3歳頃までにリンパ球が0にならないと、この治療は意味をなしません。成人の免疫状態はより高度で、リンパ球をコントロールするT細胞が監視し、リンパ球が減ったら増やすよう命令を出してしまうからです。

経口免疫療法はどういう原理なのですか?

T細胞は、免疫細胞がある一定数まで減らないよう監視する役割を持っていると言いました。そのT細胞に「これは反応しなくていいよ」と教え込むために、反応する量よりも少ない量をコンスタントに与えていくのが経口免疫療法です。「少しずつ与えてみて」と言う医師もいるようですが、1gなのか10mgなのか、「少し」は人によって異なります。だからまずはチャレンジテストを行うのが鉄則。ギリギリ反応が起こる量を調べるのですから、当然どこかのタイミングでアレルギー症状は出ます。自宅でアナフィラキシーショックを起こしては大変ですから、必ず専門の医師の指導のもと、入院して行うべきですね。最近はインターネットで得た情報から自己流で進めてしまうケースが後を絶ちませんので、医師がいかに正確な情報を提供するかが大事です。

舌下免疫療法について教えてください。

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舌下免疫療法とは、アレルギーの原因となるものを少量ずつ舌の粘膜から体内に吸収させることで、アレルギー反応を起こさないよう体質を変化させる治療法です。当院ではスギ花粉症に対する舌下免疫療法を実施していますが、今年の6月末からは錠剤タイプの新しい薬を取り入れています。これは非常に画期的な薬で、スギ花粉そのものを濃縮して薬の形にしたものであり、またスギ花粉の抗原(アレルゲン)は胃の中に入ると壊れやすい性質を持っているので、副作用がほとんどなく、安全に配慮されているところが一番の特徴です。従来の液体タイプの薬は保冷材がないと持ち運びできないという不安定さがありましたが、この錠剤タイプは常温で保存でき持ち運びも容易ですし、当院で導入しているものは5歳から使用可能。そして何より、対症療法ではない、スギ花粉症に対する根本的な治療法であるところが大きいですね。

情報の波から患者を救いたい

開業の理由は何ですか?

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自分のめざす医療をしたいと思ったからです。それまで大きな病院に長く勤めていましたが、多くの患者さんが訪れる病院では、一人ひとりの家庭環境や生活環境を把握しきれず、その方に合った治療法の提案ができないし、継続した治療もしにくい。そのため、継続して患者さんを診ていくには開業しかないと決心したのです。この近辺は、以前勤めていた横浜市立市民病院をはじめ、昭和大学横浜市北部地域病院、聖マリアンナ医大西部病院、神奈川県立こども医療センター、横浜労災病院など大きな病院がたくさんあります。状態によっては入院治療が必要な場合もあるので、迅速に連携が取れて、治療・処置ができるこの地が開業する上でベストだと考えました。ちなみに、かつて在籍していた慶應義塾大学病院との連携も可能です。

治療の現場で心がけていることは?

とにかく説明を尽くすことです。例えば喘息の場合、発生のメカニズムから図を見せて説明し、症状を悪化させないためにはどうしたら良いか、きちんとレクチャーします。あとは治療の意義について理解していただくことですね。症状が落ち着いたからと治療をやめてしまうと、本当に治るというゴールにはたどり着きません。実はしっかり治せていなくて、毎年同じ時期に発症するなんてことも。だから今行っている治療が何のためのものなのか、その都度しっかりお伝えすることを大切にしています。理解が深まれば続けていただけますし、続ければ成果につながりますからね。

読者にメッセージをお願いします。

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今の時代は情報が氾濫しており、事実が何なのか、大切なことは何なのか判断ができないことも少なくありません。診断されている病気だけでなく、違う病気にもかかっているのではないかと疑ってしまう。そんな状況が起きているのも事実。だから私は、情報に振り回されず安心して治療が受けられるように、病気に関する心配事があればいつでも相談に乗る、そんなファミリードクターをめざしています。ぜひ、お気軽にご相談に来てください。

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