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時枝 啓介 院長の独自取材記事

ときえだ小児科クリニック

(横浜市都筑区/北山田駅)

最終更新日:2020/12/01

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時代とともに変化する医療のニーズを見据え、患者の生活に寄り添った診療を行う「ときえだ小児科クリニック」。喘息やアレルギー性疾患を専門とする時枝啓介院長は、自らも喘息の症状と闘ってきた経験を生かし、患者が前向きな気持ちで治療を継続できるように工夫を凝らす。大人になる前に完治をめざせる小児の疾患は多く、それには早期の治療と長期的な予防が鍵となるそうだ。「今後は地域のホームドクターにも専門性が求められる」と話す時枝院長に、小児医療の現状や開業医としての考え、同院の特徴や診療内容などについて話を聞いた。
(取材日2020年6月24日)

専門性を生かし、現代に求められる医療を実践

患者さんの特徴や傾向を教えてください。

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もともと小児科は喘息発作などの急性疾患が大半で、少し前までは日中の診療に加えて夜間の救急対応にも追われていました。しかし、近年は予防接種や健診が普及したこともあり、重症のお子さんが減ったと感じています。未病段階での発見と予防が重視され、クリニックは患者さんの体を日常的に管理する場所になりつつあるんです。とはいえ喘息やアレルギー関連疾患に慢性的に悩む患者さんはまだまだ多いので、当院では早期の治療に努めています。さらに、適応障害をはじめとする精神疾患や自閉スペクトラム症、思春期の不登校など、今後もなくならないであろう小児特有の病気や悩みに対しても、引き続き丁寧に向き合いたいと考えています。

先生のご専門は、喘息やアレルギー性疾患とお聞きしました。

そうですね。大学病院では喘息の外来を担当し、アメリカにも呼吸器専門の医師として留学経験があり、そこで数多くの症例に携わりました。実は私自身が喘息持ちなので、患者さんの気持ちや苦しみも理解しているつもりです。医師としてはもちろん、同じ経験を持つ人間としても適切なアドバイスができればと思います。今でこそある程度状況が改善しましたが、以前は十分な治療を受けていなかったために、喘息が原因で亡くなってしまう若いお子さんが後を絶ちませんでした。勤務医時代、病院に運ばれてきた子を見て非常にショックを受けましたね。それからは「喘息で悲しむ子がいなくなるように、普段からきちんと病気を管理したい」という気持ちを胸に診療にあたっています。

小児喘息では、どのような検査や治療を行いますか?

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検査は患者さんの年齢に応じたものを実施します。例えば6歳前後のお子さんには、装置に一定の強さで息を吹き込む呼気NO濃度測定を行うことが多いですね。この検査は呼気に連動して画面に映し出されたバルーンが動き、息が強過ぎるとバルーンが上に飛び、弱過ぎると下に落ちる仕組みで、6秒間バルーンをキープできれば成功。ゲーム感覚でできるので、子どもたちに人気なんですよ。喘息は発作の出方に個人差があり、天気や体調、生活環境にも影響されるので、治療はまさにオーダーメイド。当院では喘息管理シートを使用し、経過ごとの症状をスコア化します。シートの設問にそって点数をつけ、点数が低ければ治療法を見直す。呼気NO濃度測定も適宜行い、気管支のダメージ状態を評価しながら処方する薬も調整します。そして症状がなくなった後も、細くなった気管支が元に戻るまで治療を継続することが大切です。

豊富な知識と技術を駆使してアレルギー性疾患に対応

アレルギー性疾患の中でも、よくある病気は何ですか?

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主にダニアレルギーが原因とされるアトピー性皮膚炎は、乳幼児期に多い病気の一つです。見た目は乳児湿疹と似ていますが、血中のたんぱく質の増え方に明らかな違いが見られますので、検査時に数値を測定して判断します。治療は段階的で、初めに薬を使って症状を抑えていきます。かゆくてかいてしまうと症状が悪化してしまうので、皮膚を軽く叩き、痛みでかゆみを緩和させるタッピング法もお勧めです。症状が落ち着いたら、スキンケアによる保湿や軟膏の塗布で良好な状態を維持します。病気を大人まで持ち越さないためには、子どもの頃にいかに健康な皮膚を保てるかが大きく関わってくるのです。健全な発汗で皮膚の新陳代謝を高めるなど、日常生活指導も行っています。

食物アレルギーの治療法も気になります。

お子さんに食物アレルギーが出た場合は、アレルギー反応に対する根本的な治療法とされている経口免疫療法を実施します。これは原因となる食べ物を医師の管理のもと摂取し、耐性獲得をめざす方法です。お子さんの免疫状態は一人ひとり異なるため、まずは食物負荷試験を行い「この子はどれだけ食べたらアレルギー反応が出るのか」を判断します。その後、発症しないレベルの少量の食物を摂取し続けることで、アレルギー反応を抑える抗体を作っていきます。最近はインターネットの情報をもとに自己流で治療を進めてしまう方もおりますが、自宅で万が一アナフィラキシーショックを起こしては大変です。当院では患者さんの安全を第一に考え、近隣の病院とも連携して治療を進めますので安心してご相談ください。

花粉症の低年齢化も進んでいるとか。

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少し前まで花粉症の平均発症年齢は9歳でしたが、現在は6~7歳で、中には3歳で発症する子もいます。従来の治療法は、あらかじめ薬を飲んで予防する対症療法が一般的でした。しかし、これは花粉症そのものを治す方法ではないので毎年薬を飲まなければなりません。そこで当院では、舌の粘膜からアレルゲンを体内に少量ずつ取り込み、食物アレルギーの治療と同じ要領で体質を変化させていく舌下免疫療法を採用しています。現在はスギ花粉を濃縮した錠剤タイプの薬ができ、取り扱いが容易になりました。また、スギ花粉のアレルゲンは胃の中に入ると壊れやすい性質があるので、副作用がほとんどない点も特徴です。舌下免疫療法には保険が適用され、対象年齢は5歳から。花粉症のほか、ダニをアレルゲンとする通年性のアレルギー性鼻炎にも使用可能です。

小児科の開業医としての社会的使命を果たしたい

2020年4月には、病児保育施設を開設したそうですね。

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もともと区内にあった病児保育施設の診療を手伝っていたのですが、その施設が閉鎖してしまったため、新たに開設に踏み切りました。病児保育サービスがないと、親御さんはお子さんが体調を崩す度に仕事を休まなければなりません。そしてお子さんも、保育園に行けなくなると教育の機会が失われてしまいます。現代は核家族も多いですし、受け皿がないと困る人は大勢いると思ったんです。子育て世代にとって暮らしやすく、「この地域に住んでいて良かった」と思ってもらえるようなことをしたいと、開業医としての社会的使命を感じましたね。病児保育はただ病気のお子さんを預かるだけでなく、保育の役割も担う必要があると考えています。親御さんが安心して働けるように、施設と保育園とでスムーズに連携できる体制が理想です。

現在注力されている、小児の在宅診療についても伺います。

医療技術の進歩により、以前なら病院での医療的ケアが必要だった子どもが自宅で生活しているケースが増えています。人工呼吸器をつけた子も、早ければ生後3ヵ月~半年で退院できるほどになりました。ただ、予防接種を受けたいときや少し熱が出たときなどに医療機関を受診するのは、親御さんにとって大きな負担です。その子から目が離せない中で、年の近いきょうだいを診てほしい場合はさらに大変ですよね。そう思って、当院では開業時から小児在宅診療を実施しています。実際に在宅診療のニーズは高く、きょうだいでまとめて予防接種を行うほか、お子さんのちょっとした変化を伺ったり日常生活における相談に乗ったりしています。小児科の医師だからこそ、細かなところまで専門的に対応できるのが強みですね。

読者へのメッセージをお願いします。

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今の時代は情報が氾濫しており、正しいこと、大切なことがわかりにくくなっています。症状や対処法は一人ひとり違いますし、生活環境まで把握した上でその子に合った治療を提案できる医師も必要です。皆さんが情報に振り回されずに安心して受診できるように、私はいつでも気軽に相談できる「専門性のあるホームドクター」でありたいと思っています。診療では何より説明を心がけ、喘息などの発症メカニズムは図を使って解説し、症状の悪化を防ぐためのレクチャーも行います。また、小児期に完治をめざせる病気なのに、症状が落ち着いたからといって治療をやめてしまうと繰り返し発症するなんてことも。そのため、患者さんやご家族が治療の必要性を十分に理解し、継続できるようにサポートしています。

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