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小林 格 院長、小林 雅子 副院長、小林 紘 先生、松嶋 茉莉 先生の独自取材記事

小林クリニック

(横浜市都筑区/センター北駅)

最終更新日:2024/09/24

小林格院長、小林雅子副院長、小林紘先生、松嶋茉莉先生 小林クリニック main

東急田園都市園鷺沼駅からバスで約10分。閑静な住宅街にたたずむ「小林クリニック」は、1995年に開業し、内科、外科、消化器科、呼吸器外科、神経内科、皮膚科と幅広い疾患に対応する地域に根づくクリニック。小林格院長は、消化器科専門で、一般内科診療をはじめ上部内視鏡による検査も行う。神経内科が専門の小林雅子副院長は、訪問診療に力を入れ、24時間365日体制でクリニックに足を運べない患者や、病院を退院し難病やがんの患者宅を訪問し、治療にあたる。2016年より、長男で呼吸器内科専門の小林紘先生、長女で神経内科専門の松嶋茉莉先生が非常勤ドクターとして同院に勤務。家族一丸となって地域診療に貢献する4人の先生方に、診療への思いや今後の展望について聞いた。

(取材日2020年6月17日)

地域のかかりつけクリニック。在宅医療も行う

地域に根差して診療を行ってきたのですね。どのような患者さんがいらっしゃいますか?

小林格院長、小林雅子副院長、小林紘先生、松嶋茉莉先生 小林クリニック1

【格院長】そうですね。1995年の開業以来、地域にお住まいのたくさんの患者さんに足を運んでいただいています。このエリアは高齢化が進んでいるのですが、その一方でマンション建設が進み、若い方も増えてきています。ご自身の健康管理のために定期的に来られる高齢の患者さんが多いですが、消化器、神経内科、呼吸器など、当院の専門医療を求めて新規で来られる方も少なくないですね。
【雅子副院長】高齢の患者さんの中には、認知症の方も多いです。認知症は、初期の場合など、一緒に住んでいるご家族の方が気づかないこともあります。また、ご家族が気づいているのにご本人がそれを認めず、病院に足を運びたがらない方もいらっしゃいます。そのようなご家族からの相談にも対応させていただいています。

専門とされている分野を教えてください。

【格院長】私は消化器科専門で、胃、食道、十二指腸を診る上部内視鏡の検査も行っています。検査には経口内視鏡を使っていますが、安全に、患者さんが苦痛を感じることのないよう、見落としのないよう常に心がけております。内視鏡検査は、疾患の早期発見が何よりも大切です。早期のがんを見つけることができた時は、本当に良かったと思いますね。
【雅子副院長】私は神経内科が専門で、パーキンソン病などの難病に携わってきました。開業以来、在宅診療が中心で、当院に通ってくださっていたのに歩行困難で通えなくなってしまった患者さん、病院を退院された難病やがんの患者さんのお宅に訪問して治療にあたっています。

どのように訪問診療は行われるのですか?

小林格院長、小林雅子副院長、小林紘先生、松嶋茉莉先生 小林クリニック2

【雅子副院長】訪問診療の際は、ドクター、看護師、介護スタッフの3人で向かいます。当院には、ケアマネジャーの資格をもった相談員、訪問診療専門の看護師、事務スタッフが常駐しており、患者さんやご家族が安心して利用していただけるようなシステムが整ってきました。2016年からは呼吸器内科専門の息子、神経内科専門の娘にも手伝ってもらいながら、訪問診療を行っています。
【小林紘先生】僕は大学卒業後、肺がんを中心に、呼吸器系疾患を専門に治療してきました。母の影響もあって訪問診療や緩和ケアに興味があり、自由が丘の在宅診療、緩和ケアのクリニックに勤務し臨床経験を積み、2020年夏から東邦大学の付属病院の緩和センターに勤務する予定です。自分の地域で勉強したいという気持ちも強く、非常勤として、当院の訪問診療を手伝うようになりました。患者さんの痛みや苦しみを少しでも取り除くことができるよう、勉強の毎日です。

患者だけでなく、家族に寄り添いサポートを

訪問診療の際、ドクターとして心がけていることを教えてください。

小林格院長、小林雅子副院長、小林紘先生、松嶋茉莉先生 小林クリニック3

【雅子副院長】訪問診療では、患者さんのケアはもちろんのこと、ご家族との信頼関係を築いていくことを大切にしています。おつらいのは患者さんだけでなく、看ているご家族も同じです。最期のお看取りまで行うので、患者さんとご家族に寄り添い、サポートしていきたいと思っています。ドクターは、私、息子に加え、娘もおりますので、力を合わせて対応しています。
【松嶋茉莉先生】母の影響で、私も内科、神経内科を専門にしています。東邦大学の付属病院に勤務しながら、当院の非常勤として、2016年から週に2~3日訪問診療を行っています。まだまだ駆け出しですが、若いぶん、患者さんやご家族の皆さんが、良い意味で気軽に声をかけてくださいますね(笑)。フラットな関係性を大切にしながら、皆さんの力になれたらと思っています。

ドクター一家で、チームワーク万全ですね。患者さんとの良い関係も伝わってきます。

【格院長】私も妻も東邦大学医学部卒なのですが、息子も娘も東邦大学医学部。家族全員、東邦大学の卒業生なんですよ(笑)。息子も娘も勤務医で忙しいのですが、月に一度は全員でミーティングを行い、患者さんの情報を共有するようにしています。同じクリニックに複数の医師がいることで、患者さんの症状についてディスカッションしながら判断をしていけますし、診療の幅が広がるのも当院の強みだと思っています。長年通い続けてくださる患者さんが多く、お付き合いも長いので、その方が診察室に入ってくる足どりを見るだけで、お元気なのか、調子が悪そうなのかが直感的にわかることもあるんですよ。

本当の意味での、プライマリケアですね。

小林格院長、小林雅子副院長、小林紘先生、松嶋茉莉先生 小林クリニック4

【雅子副院長】そうですね。以前、長く糖尿病と高血圧を患っている患者さんが、「背中が痛い」「足が痛い」と言って受診されたことがありました。いつもの様子とまったく違うので急いで病院に送ったのですが、大動脈解離を起こしていて即入院だったそうです。患者さんが「何かおかしい」と早めに頼ってくれたおかげで、大事に至らずに済んだと思います。後日、その患者さんのご家族の方から改めてお礼と報告の連絡をいただきました。私たち医師も、患者さんから日々たくさんのことを教えてもらっています。内科の受診にいらっしゃった患者さんが、「イボができちゃったの」って言ってきたら、院長に取ってもらったり(笑)、それぞれの専門分野を生かしながら診療しています。

若い二人の医師のパワーも吸収していきたい

こちらでの診療からどのようなことを吸収されていますか?

小林格院長、小林雅子副院長、小林紘先生、松嶋茉莉先生 小林クリニック5

【小林紘先生】訪問診療においては、これから専門的に携わる予定の緩和ケアの世界でも、母が専門としている神経の難病には特殊性があります。予後はどうなるのか、どのくらいのスパンで回復していくのかなどを聞きながら診療できるところが非常に勉強になりますね。人工呼吸器を装着している患者さんに対しては、私の専門分野である呼吸器内科の知識を生かして対応するなど臨機応変に学ぶことができています。
【松嶋茉莉先生】訪問診療は、患者さんのご自宅で診療するぶん、患者さんやご家族との距離が縮まると思います。体調が良くなられたときや、重症化してしまい病院に送り、しばらくしてから退院して戻ってこられたりすると、自分の親戚のような感覚でうれしさを感じますし、治療への思い入れも深まることを実感しています。

お忙しい日々の中、休日はどのようにお過ごしですか?

【格院長】自宅でゆっくりしながらジャズ音楽を聴いています。
【雅子副院長】患者さんの中にチェロの上手な方がいて、その方から習っています。なかなか上達しませんが(笑)、10年以上続いています。
【小林紘先生】小学生の子どもが2人いて、カードゲームやボードゲームなどで遊んでいます。もう少し大きくなったら、私も習っていた剣道を一緒に始めたいですね。
【松嶋茉莉先生】十分睡眠をとって、ヨガをしたりなど、リフレッシュしてます。

今後の展望について教えてください。

小林格院長、小林雅子副院長、小林紘先生、松嶋茉莉先生 小林クリニック6

【格院長】それぞれの専門分野を生かしながら、地域の方々の健康を総合的にサポートしていく役割を、これからも果たしていきたいと思います。
【雅子副院長】これまでどおり、外来診療、訪問診療合わせて地域医療に貢献していきたいと思います。患者さんの健康管理や予防に力を入れ、1年間の検査計画を立てて様子を見ていくなど、充実させていきたいですね。息子、娘の若い力を借りながら、私たちも新しい知識を吸収し、神経内科、認知症、呼吸器疾患などの専門的な診療にも力を入れていきたいと思います。時には「治療」でなく「人生相談」になることもありますが、人生相談も大歓迎(笑)。話をしにだけでも、いらしてください。

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