全身の成長に影響する「歯並び」
小児矯正で口周りの健全な発育を
ひかり歯科医院
(今治市/伊予富田駅)
最終更新日:2021/10/12
- 自由診療
近年、親の健康意識の高まりもあってか、子どもの虫歯が減っている一方で、顎が小さく、歯並びの悪い子どもが増えているという。歯列の乱れは見た目の問題と考えられがちだが、子どもの場合、口周りをはじめ全身の成長と大きな関わりがあると指摘するのが、「ひかり歯科医院」の品川勝美院長だ。ある程度成長が止まってからではなく、発育の過程で小児矯正を行うことが、全身の正しい成長にもつながると、声を大にする品川院長。早期に小児矯正を行うことのメリットや同院での治療の特徴、子どもが治療を続けられるよう工夫していることなど、詳しく聞いた。
(取材日2020年8月27日)
目次
歯列不正は睡眠時無呼吸症候群などの疾患につながる恐れも。成長過程で行う矯正で、全身の正常な機能を促す
- Q歯並びが悪いと、体にはどんな影響があるのでしょうか?
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A
歯並びが悪いと、食べ物をうまく噛むことができず、栄養素が十分に取れませんし、栄養がきちんと取れないと、当然、体の発育に支障を来します。睡眠時無呼吸症候群は成人の病気として知られていますが、最近では子どもにも起きており、歯列の乱れが関係していると考えられています。睡眠中に無呼吸になると、体が低酸素状態となり、脳の発達にも影響します。また、恥ずかしくて口を大きく開けて笑えない、自分に自信を持てないなど、心理的な問題も生じるかもしれません。このように、歯並びの悪さは、見た目の問題だけでなく、全身の病気につながったり心理面に影響を及ぼしたりするのです。
- Q早期に小児矯正を行うメリットとは何ですか?
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A
成長の過程で行う小児矯正は、骨が成長する力を利用して小さな下顎を広げ、歯が並ぶスペースを確保するというもの。歯だけを並べ替えるわけではないので、顎の運動と歯列を調和させやすいんですね。そうして早期に正しい歯並びにしておくことで、しっかり噛んで食べられる、しっかり噛むと唾液がよく出る、唾液の中には抗菌作用を持つ成分が含まれているので食中毒になりにくい、歯磨きしやすくなるので虫歯にもなりにくい、お顔のバランスも整いやすい……といったように、お口周りも正常に機能してくる。つまり、お口だけでなく、全身が健全に成長するよう導ける点が最大のメリットです。
- Q小児矯正は何歳頃から始めるのが適切なのでしょう?
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A
症例によりますが、反対咬合、いわゆる受け口の場合や、顎の位置がずれている場合などは、早く始めたほうがいいとされています。中には3歳から始めるお子さんもいらっしゃいます。今は1歳6ヵ月児健診と3歳児健診で歯のチェックをしますから、そこで指摘されて、歯科医院に相談に来られるケースも多いですね。ただ、小児矯正はお子さん本人とご家族の協力が欠かせませんから、きちんと協力を得られるよう、治療の目的がわかり始める年齢がよいのではないかと思います。具体的には、小学校に上がる6歳頃が適切といえるでしょう。
- Qこちらのクリニックで行う小児矯正の特徴を教えてください。
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A
当院では、まずオーバーレイといって奥歯に金属などの冠をかぶせることで、上下の噛み合わせを補正する治療を行います。次に、拡大床という装置を入れて顎を広げます。最後に、前歯4本と、乳歯列の奥に生えてくる第一大臼歯、いわゆる6歳臼歯にワイヤーを装着して、正しい位置へと誘導します。前歯と奥歯の間に生えてくる3本の永久歯がきちんと並ぶように、スペースを空けておくわけですね。さらに、就寝中には取り外し可能な装置を着けていただき、歯列を動かしていきます。小児矯正は成長の過程で進めるという治療の特性上、長期的に診ていく必要がありますが、成人してから行う矯正治療よりは短期間で終了するのも特徴の一つです。
- Q子どもがきちんと治療を続けられるか心配です。
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A
まだ治療の必要性を理解できずに、中には治療を中断してしまう子がいるのも事実です。でも、特に就寝中に着ける取り外し可能な装置などは、本人の協力がなければできません。ですから当院の場合、装置の使い方の説明などでは「親御さんとの取り決め」ではなく「お子さん本人との取り決め」をすることを心がけています。その上で、治療を中断しそうになったら、なぜこの治療が必要なのかを子ども目線で説明します。そうすると、わかってもらえることが多いですね。一方、3歳くらいの小さなお子さんには、遊び感覚で治療に取り組んでもらえるようにしています。治療を続けてもらうには「痛い思いをさせない」「楽しく進める」ことが一番ですから。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/10万円(税別)~