時代は「治療」から「予防」へ
定期歯科検診で口腔の健康維持を
大西歯科医院
(丸亀市/讃岐塩屋駅)
最終更新日:2023/11/30


- 保険診療
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「歯が痛くなったら歯科医院へ行く」。そんな患者の概念が、少しずつ変わってきている。口内環境の悪化した患者が列をなし、歯科医師も抜歯を選ばざるを得なかった時代が過ぎた今、歯科医院における最大のテーマは「予防歯科」だと言えるかもしれない。香川県丸亀市で3代続く「大西歯科医院」の大西信亮院長は、そんな時代を背負う歯科医師の一人だ。2017年の継承を機に診療体制の見直しを図り、スタッフと強固に連携しながら、定期通院を通じた歯科予防処置に力を注ぐ。継続して歯科検診を受けることで、患者が得られるメリットとは? 今回のインタビューでは、口腔トラブルにまつわる素朴な疑問とともに、同院で行われる定期歯科検診のフローを取材した。
(取材日2023年11月6日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q毎日歯磨きを頑張っても、虫歯になるのはなぜでしょうか?
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A
例えば妊娠中の女性であれば、つわりの影響で虫歯のリスクが高い食事を取るようになり、突然虫歯が増えることがあります。年配の方で多いのは、歯周病が進行することで歯の根面が露出し、虫歯になるというケース。またお子さんの場合は、歯を悪くしたご家族とやわらかく歯に残りやすい食事を共有して、虫歯になるケースも見受けられます。ただこうした虫歯の要因に、ご自分で気づける方はなかなかいらっしゃいません。体にいいという理由で飲むサプリメントや、就寝前の甘い飲み物なども歯に悪影響を与えることがありますので、定期的に歯科検診へお越しいただきながら、私たちと一緒に食生活や歯の磨き方を見直していただければと思います。
- Q歯科医院に通い続けるのは、おっくうに感じるのですが……。
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A
当院の強みは、スタッフがどんな患者さんに対しても、優しく思いやりを持って接していること。またそうなるように、日々心がけていることです。歯科衛生士は極力担当制として、慣れ親しんだ人間が対応することで、患者さんも私自身も安心感を得られる体制を敷いています。さらに院内は年配の方でも通いやすいよう土足に対応し、小さなお子さんと気兼ねなく過ごせる個室の診療室も導入しています。治療器具・器材の滅菌システムや各種検査機器についても、コストをかけて先進の設備をそろえました。人と人とのつながりを大切にしながら、優しく見守るような姿勢で口腔内の健康をサポートいたしますので、どなたも安心してご来院ください。
- Q虫歯や歯周病が進行していて、歯を抜いた後はどうなるのですか?
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A
残念ながら抜歯に至った場合、選択肢となるのは入れ歯、ブリッジ、インプラントの主に3つです。両隣の歯に金具をかける入れ歯や、両隣の歯を削り3本分の歯を入れるブリッジは保険が適用されますが、周囲の歯が虫歯になりやすいという弱点も。そのため当院では、インプラント(人工歯根)に力を入れています。周囲の歯を削らず、歯の寿命を縮めないインプラント治療は、予防歯科の観点でも賢明な選択肢だと思います。また第四の選択肢として、歯の移植にも対応可能です。適合の良い親知らずがある、年齢が比較的若いなどの条件はありますが、患者さんには複数の手段があるという事実を知った上で、信頼する歯科医師にご相談いただきたいです。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1カウンセリング
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個室のカウンセリングルーム、もしくは診療室で5〜10分程度のカウンセリングを実施。歯科衛生士が、来院した理由や今の健康状態、口腔内の心配事や困り事、今後希望する治療などを優しく質問し、問診票に記入していく。「最近どうですか?」という一言も、患者の健康状態や生活環境をある程度把握しているからこそ、かけられる言葉だ。カウンセリングは、患者と歯科衛生士が信頼関係を築く意味でも欠かせない時間となっている。
- 2検査・撮影
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成人の約8割が罹患しているともいわれる、歯周病の検査は必須。進行度を調べるため、歯と歯茎の間にある歯周ポケットの深さを測定し、ポケットに触れた際の出血の有無や、歯の揺れ具合も見る。さらに口腔内写真の撮影を頻回に行うことで、歯の欠損や摩耗といった微細な変化の発見につなげている。虫歯リスクが高い人や、症状に変化が見られない人などは、希望すれば唾液の量や質を調べることも可能。
- 3歯磨き指導・クリーニング
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検査の結果を踏まえた歯磨き指導とクリーニングを行う。その際、最も大切にしているのは「歯を大切にすること」。しっかりと清掃することで進行の抑制が見込める虫歯もあるため、患者の来院する頻度やタイミング、口腔全体のバランスも考慮し対応するという。歯石を除去する際は超音波スケーラーを用いて汚れを弾き出し、歯石が付着しにくくなるようなコーティングをすることで歯へのダメージを抑えている。
- 4必要に応じて治療を実施
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虫歯や歯周病が見つかった場合は、その原因やこれから予想される影響を歯科医師が丁寧に説明。患者に納得してもらった上で、その人その人に合わせた治療を進めていく。かぶせ物一つでも、金属やセラミックなど選択肢は多いが、定期的に歯科医院へ訪れていれば、歯科医師も患者の今後を見据えた専門的な意見を提案しやすくなる。何か気になることがあれば、一人で抱え込まず気軽に歯と口の専門家に相談しよう。
- 5定期通院
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歯科医院でケアした口内環境を維持できるのは、約3ヵ月といわれている。半年や一年おきで問題のない人もいるが、通常は3ヵ月を目安に来院を。同院では季節の絵はがきやコミュニケーションアプリを使って、患者に来院時期を知らせている。3代続く歯科医院とあって、中には親子3世代で通う患者の姿も。定期通院を通じて、優しく思いやりのある歯科医師、スタッフらとのつながりを末永く大切にしていきたい。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント(1歯)/35万円〜、かぶせ物(セラミック)/6万円〜
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。