大西 信亮 院長の独自取材記事
大西歯科医院
(丸亀市/讃岐塩屋駅)
最終更新日:2025/02/03

「大西歯科医院」は、JR予讃線・丸亀駅から徒歩12分ほどの閑静な住宅街にある。院長の大西信亮先生の祖父が開業し、父である前院長が継承し、以降50年以上にわたって地域の歯科診療に貢献してきた。3代目院長の大西先生は徳島大学歯学部を卒業後、大阪の歯科医院で研鑽を積み、院長に就任。一般歯科から小児歯科、予防歯科まで力を入れ、新たに審美歯科やインプラント治療にも取り組んでいる。院長就任を機に改装した院内は明るく、花や絵画の飾られた待合室では、診療の前後もリラックスして過ごせそうだ。「患者さんとの出会いを大切に、皆さんの健康と幸せを支えたい」と、笑顔を絶やさずに話す大西院長に同院の歴史や診療方針、今後の展望などを聞いた。
(取材日2021年7月29日)
3代にわたり地域の歯科診療を支え続ける
長年、この地域の歯科医療を担ってきた歴史ある歯科医院だそうですね。

祖父が50年ほど前に開業し、父が1985年に、現在の場所へ移転させました。私は徳島大学歯学部を卒業後、大阪の歯科医院で7年間、勤務医を経験してから2017年に当院を引き継ぎました。祖父の代から地域の皆さんを診療してきましたので、長いお付き合いの高齢の患者さんやそのお子さん、お孫さんがご家族で通院されるケースが多いです。父はそういう患者さんたちの虫歯の治療や、歯の補綴(ほてつ)を中心に行っていました。私も一般歯科診療からスタートしましたが、最近は環境が整ってきたこともあり、予防をベースとした審美歯科やインプラント治療にも取り組めるようになっています。長寿時代ですから、長く快適に過ごすための選択肢の一つとして、自由診療も手がけていきたいです。
診療のコンセプトや、クリニックデザインのテーマを伺いたいです。
「出会いに感謝し、責任ある行動によって健康で幸せな人生を提供します」という言葉をコンセプトに掲げています。患者さんや地域の方たちとの出会い、スタッフとの出会い、こうして取材をしていただくことも出会いですよね。それぞれの出会いを大切にしながら、皆さんと一緒に幸せになりたいという思いを込めています。当院は私が引き継いだことを機に、外観と内装をリニューアルしたんです。患者さんがリラックスできるようにと、明るく落ち着いた雰囲気にしてもらいました。リニューアルに合わせて、新しくロゴマークも作ったんですよ。「丸亀市の伝統工芸品のうちわを使ってほしい」とお願いしたら、かわいらしいものができあがりました。親しみを感じるデザインですし、うちわはエコロジーな民芸品でもありますから、気に入っています。
幅広い診療内容に対応されていますが、どのような患者層や主訴が多いですか。

私が引き継いだ当初は、祖父や父の代から通院されている高齢の患者さんの虫歯治療が多かったです。そういう方たちのご家族も来院されるようになり、新しい世代の患者さんが増えてきました。それにつれて、小児歯科での受診も多くなっています。私自身が子ども4人の父親で、お子さんと接することが好きですし、スタッフも子どものいる人が多いんです。お子さんに対してもどんな治療をするのかを説明して、治療はできるだけ短時間で終わらせるよう努めています。父の時代は虫歯治療が多かったこともあり、お口のメンテナンスや予防歯科までは対応していませんでしたが、現在は多くの歯科衛生士が在籍していますので、定期的なクリーニングや歯磨き指導にも力を入れています。
定期歯科検診で、健康な口腔環境を維持してほしい
定期歯科検診を重視しているそうですね。

香川県は世帯あたりの貯蓄高がいつも全国上位というだけあって、コストパフォーマンスを気にする県民性があるかもしれないです(笑)。その意味では、定期的に歯科検診を受けることはコストパフォーマンスが高いと思うんです。進行した虫歯の根管治療をして、かぶせ物を入れてとなると、1本の治療費だけで数万円かかることもありますが、歯科検診なら、基本的にそこまでかかることはありませんから。そろそろ検診を受けていただきたい患者さんにははがきでお知らせしたり、ご家族で来院されている患者さんには「おじいちゃんも一度、診せに来てくださいね」と声をかけたりしています。虫歯にならない口内環境を維持できるように、症状がなくても気軽に来院できる歯科医院でありたいです。
自由診療に関しては、取り組まれるようになったきっかけがあるのでしょうか?
以前、勤務していた大阪の歯科医院が、審美歯科やインプラント治療などの自由診療に力を入れていたことがきっかけです。学生時代は歯科医療に限らず、審美面を重視した医療にあまり関心がありませんでした。けれども実際に携わってみると、歯にコンプレックスがあっていつも口元を隠していた方や、写真を撮られるのが嫌だったという方のお悩みを解消につなげることに、やりがいを感じるようになったんです。インプラントがどなたにとっても最良の手段とは限りません。けれども長く入れ歯で苦労されてきた方の中には、インプラントによって噛み心地の改善が期待できるケースもあります。ほとんどの歯科治療は保険診療の範囲でできますし、自由診療を希望される方は多くありませんが、より不自由の少ない、満足度を追求する診療の一つとして大切な選択肢だと思うので、これからも患者さんに提案できるようにと勉強を続けています。
審美歯科を希望するのは、女性の患者さんが多いですか?

そうでもありませんよ。以前、ご相談に来られた男性は会社で役職に就いている方でしたが、「私は顔がいかつくて怖い印象を持たれる。ビジネスに不利だから、かわいらしい口元にしてほしい」とおっしゃっていました。新型コロナウイルス感染症の影響でまだまだマスク生活が続いているので、今のうちに治療をしておきたいという方もいらっしゃいます。自分の歯を白くしたい、金属のかぶせ物を白いものに替えたいという希望にも対応しますので相談していただきたいです。
できるだけ削らず自然歯を生かす新しい歯科診療へ
心に残る患者さんとのエピソードをお聞かせください。

歯を何本か失って、困っていた高齢の女性の患者さんに数ヵ月かけて義歯を作ったことがあります。その後、街中で偶然お会いすることがあったのですが、久しぶりに帰省されたご家族と一緒にこれから外食をするということでした。このときに「先生のせいで太ったわ。食べることが楽しいから(笑)」と言っていただいたのはうれしかったですね。あとは大阪時代の患者さんに丸亀市に帰ることをお話ししたら、「四国にはよく出張で行くんだ。先生に診てもらいたいから、寄ってもいいかな」と言われたことも印象に残っています。当院でも、こういう患者さんとの出会いを積み重ねていきたいです。
今後、力を入れていきたい分野はありますか?
父の時代は虫歯治療が優先で、歯周病の方を診る機会があまりなかったので、歯科衛生士と一緒にケアしていきたいです。歯を磨く時に歯だけをブラッシングする習慣が身についている方が多いのですが、今は歯周病予防のために、歯と歯茎の境目にもブラシを当てる方法が主流です。デンタルフロスや歯間ブラシも活用していただきたいのですが、慣れないと続けるのが難しいですから、根気よくアドバイスしていこうと思います。さらにもう一つ、力を入れていきたいのは噛み合わせの調整ですね。噛み合わせの不正は、頭痛や肩凝りの原因になっていると考えられるケースがあります。調整は保険診療の範囲でできますので、気軽に相談していただきたいです。患者さんの症状の改善をめざす治療もやりがいはありますが、一番いいのは、患者さんが虫歯や歯周病にならないことです。そのための予防歯科に力を入れて、その大切さもお伝えしていこうと思います。
地域の皆さんや読者へのメッセージをお願いします。

歯科治療は痛い、怖いというイメージがあって、どうしても身構えてしまうかもしれません。けれども現在の歯科診療は削る、詰める、かぶせるといったマイナスイメージの治療から、できるだけ歯を削らず、自然歯を生かす方向性に変わってきています。当院は患者さんが不安にならない対応や雰囲気づくりに努め、そして治療の際には「なぜ虫歯になったのか。このままにしておくとどうなるのか」を説明し、納得していただくようにしています。スタッフが教えてくれたのですが、患者さんの中には「また来たよ」と言って来院する方も多くいらっしゃるそうです。そんな、親しみを持てる歯科医院をこれからもめざしていきますので、気負わずに相談にいらしてください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント(1歯)/35万円~ 、オフィスホワイトニング/1回:1万3000円程度、3回:3万5000円程度、かぶせ物(セラミック)/6万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。