大西 信亮 院長の独自取材記事
大西歯科医院
(丸亀市/讃岐塩屋駅)
最終更新日:2025/12/10
「大西歯科医院」は、JR予讃線・丸亀駅から徒歩約10分の閑静な住宅街にある。院長である大西信亮(おおにし・のぶあき)先生の祖父が開業し、以降50年以上にわたって、地域の歯科医療に貢献してきた。3代目院長の大西先生は徳島大学歯学部を卒業後、大阪の歯科医院で研鑽を積み、現職に就任。一般歯科や小児歯科の診療のみならず、歯列矯正や審美目的の施術、インプラント治療にも取り組んでいる。院長就任を機に改装した院内は明るく、リラックスして過ごせそうだ。「患者さんとの出会いを大切に、皆さんの健康と幸せを支えたい」と笑顔で話す大西院長に、同院の歴史や診療の特徴などを聞いた。
(取材日2021年7月29日/情報更新日2025年11月28日)
3代にわたって、地域の歯科医療に貢献
長年、この地域の歯科医療を担ってきた歴史ある歯科医院だそうですね。

祖父が約55年前に開業し、父が1985年に、現在の場所へ移転させたという経緯があります。私は徳島大学歯学部を卒業後、大阪の歯科医院で7年間、勤務医を経験してから2017年に当院を引き継ぎました。祖父の代から地域の皆さんを診療してきましたので、長いお付き合いとなる高齢の患者さんやそのお子さん、お孫さんがご家族で通院されるケースが多いです。父はそんな患者さんたちの虫歯の治療や、歯の補綴(ほてつ)を中心に行っていました。私も一般歯科診療からスタートしましたが、現在は環境を整えた上で、歯列矯正や審美目的の施術、インプラント治療にも取り組んでいます。長寿時代ですから、患者さんたちが長く快適に過ごすための選択肢として、こうした自由診療の勉強も続けていきたいです。
診療のコンセプトや、クリニックデザインのテーマを伺いたいです。
「出会いに感謝し、責任ある行動によって健康で幸せな人生を提供します」という言葉をコンセプトに掲げています。患者さんや地域の方たちとの出会い、スタッフとの出会い、こうやって取材をしていただくことも、一つの出会いですよね。それぞれの出会いを大切にしながら、皆さんと一緒に幸せになりたいという想いを込めています。当院は私が引き継いだことを機に、外観と内装をリニューアルしたんです。患者さんがリラックスできるようにと、明るく落ち着いた雰囲気にしてもらいました。リニューアルに合わせて、新しくロゴマークも作ったんですよ。「丸亀市の伝統工芸品のうちわを使ってほしい」とお願いしたところ、かわいらしいものができあがりました。親しみを感じるデザインですし、うちわはエコロジーな民芸品でもありますから、気に入っています。
継承後に、患者層や診療体制の変化はありましたか?

私が引き継いだ当初に比べると、若いご家族が来院されるようになり、小児歯科の受診も増えてきました。私自身が子ども4人の父親で、お子さんと接することが好き。加えて、今のスタッフには子どものいる人が多いので、よりお子さん目線での対応ができていると思います。診療体制で言いますと、2022年から歯科技工士が常駐するようになりました。そのおかげで、天然歯のような審美性がめざせるセラミック製のかぶせ物も、最短で翌日に仕上げることができています。設備環境の整備も、大きな変化ですね。当院でかぶせ物などの技工物を作製する場合は、口腔内スキャナーと呼ばれる専用のカメラで歯の形をスキャンし、コンピューター上で設計・製造した3Dデータをもとに、院内技工士が最終調整を行う流れになっています。
自由診療は、歯を守るための“積極的予防”
幅広い治療に対応されるようになった、きっかけがあれば教えてください。

かつて勤務していた大阪の歯科医院が、審美目的の施術やインプラント治療などの自由診療に力を入れていたことがきっかけです。学生時代は、審美面を重視した医療にあまり関心がありませんでした。けれども実際に携わってみると、歯へのコンプレックスから口元を隠しがちだった方や、写真を撮られるのが嫌だったという方を手助けすることに、やりがいを感じるようになったんです。審美歯科を希望されるのは、何も女性だけとは限りません。以前、ご相談に来られた男性は会社で役職に就いている方でしたが、「私は怖い印象を持たれることが多く、ビジネスにおいて不利なので、かわいらしい口元にしてほしい」とおっしゃっていましたね。インプラント治療に関しても、長く入れ歯で苦労されてきた方などを見るうちに、「取り組みたい」と思うようになりました。
そもそも歯科医院が苦手で、治療に踏み出せない方もいらっしゃるのでは?
歯科治療には、どうしても「痛い」「怖い」というイメージがありますから、身構えてしまう方は多いでしょう。お気持ちはよくわかりますが、現在は削る、詰める、かぶせる治療を極力選ばずに、天然歯を守る時代へと変化しています。歯を失った場合にも、その両隣の歯を大きく削ってブリッジをかぶせるのではなく、周りの歯を守るためにインプラントを入れる。虫歯を繰り返さないように、耐久性の高いセラミックで欠けた歯を補う。小さなお子さんが歯列矯正を始めるのも、歯並びや噛み合わせを整え、未来の歯を守るための予防策といえます。もちろん、定期的に歯科検診を受けることも大切です。ただ、それだけで満足してしまうのではなく、時にはお口の環境を強くするための、「積極的な予防」も必要なのだと、皆さんに伝えていきたいです。
自由診療に、予防という役割が加わってきているのですね。

「治療」とは呼ぶものの、実際は予防の意味合いが強い。それが、現代の歯科治療における自由診療ではないでしょうか。保険診療と比べれば、費用は高くなるかもしれません。それでも、歯を守り快適に暮らしていくためだと思えば、決して高くはないと私は思います。ほとんどの歯科治療は保険診療の範囲でできますし、自由診療を希望される方はそこまで多くありませんが、私はこれからも患者さんのためになる選択肢を提案していきます。
患者の幸せな人生に貢献する診療を届けたい
こちらで行われる自由診療の特徴について、詳しくお聞かせください。

インプラント治療に関しては、まず豊富な治療実績を有しているということがいえます。歯周病などで骨が痩せてしまっている方には、GBRという難易度の高い治療も一緒に提案可能です。治療に使用するのは、世界的に普及している高品質のメーカー品ですね。患者さんごとにオーダーメイドの治療計画を立案しながら、噛みやすく美しく、長持ちしやすい仕上がりをめざしています。関西で行われるインプラント治療の勉強会では、講師として後進の指導にあたることも多いです。審美歯科における特徴は冒頭でもお話ししましたが、コンピューターによる設計(CAD)・製造(CAM)システムを導入すると同時に、院内技工にも対応していることでしょうか。これによって、精度の高い治療を短時間で提供する体制を整えています。近年、希望者が増えている歯列矯正は、ほとんど年齢を限定していません。部分的な矯正から全体的な矯正まで、内容も幅広く対応しています。
患者さんとの、心に残るエピソードはありますか?
歯を何本か失った、高齢の女性の患者さんに数ヵ月かけて入れ歯を作ったことがあります。その後、街中で偶然お会いしたのですが、久しぶりに帰省されたご家族と一緒に外食をされるということでした。このときに、「先生のせいで太ったわ。食べることが楽しいから(笑)」と言っていただいたことはうれしかったですね。あとは、これも何年も前の話となりますが、丸亀市へ帰ることをお話しした患者さんから、「四国にはよく出張で行くんだ。先生に診てもらいたいから、寄ってもいいかな」と言われたことも印象に残っています。当院でも、そんな患者さんとの出会いを積み重ねていきたいです。
地域の皆さんや、読者へのメッセージをお願いします。

当院は皆さんが安心して通える対応や環境づくりに努め、治療の際には症状の原因や今後考え得るリスク、そしてその治療をご提案する理由について説明し、納得していただくようにしています。スタッフが教えてくれたのですが、患者さんの中には「また来たよ」と言って来院する方も多くいらっしゃるそうです。そんな、親しみを持てる歯科医院をこれからもめざしていきますので、気負わずにご相談にいらしてください。皆さんが親子3世代で同じ食卓を囲んだときにも、お好きな食事を楽しめるように。ご家族と歯を見せて笑い合えるように、私たちは患者さんの幸せな人生に貢献する診療を届けたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正/44万~82万5000円、オフィスホワイトニング/1回:1万4300円、3回:3万8500円、かぶせ物(セラミック)/6万6000円~、インプラント治療/39万6000円~、GBR/3万6300〜11万円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

