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星野 千代江 院長の独自取材記事

ほしの小児クリニック

(横浜市都筑区/中川駅)

最終更新日:2023/09/29

星野千代江院長 ほしの小児クリニック main

「病気を診るだけでなく、自分の経験も生かして、子育て全般の応援をしたいと考えています」と話す、「ほしの小児クリニック」の星野千代江院長。「人間とは何か」という命題の答えを知りたいと医師を志し、子どもの神経疾患や行動異常も学び、診療では漢方処方にも対応している。また子どもの病気以外にも、成長に伴う心の不調や発達障害の診療にも力を入れており、栄養医学に基づく視点を取り入れ、子どもがより良い成長ができるようサポートしている。院長自身、2人の娘を育て上げ、4人の孫がいる子育ての大先輩。若いファミリーが多いニュータウンの中で、子育ての悩みや大変さを理解し、母親たちの力強い味方と慕われる星野院長に、話を聞いた。

(取材日2019年7月12日)

一人ひとり子どもにとって一番良い方法を選びたい

栄養医学の考えを診療に取り入れているそうですね。どのような内容なのでしょうか。

星野千代江院長 ほしの小児クリニック1

栄養を整えていくことで、さまざまな体の不調の改善に取り組んでいこうというもの。子どもはこれから成長していきますので、この時期に栄養について考えることはとても大切です。偏りのない適切な栄養摂取は、子どもの体と心の成長にとても大きなメリットがあると考えています。例えばほとんどの子どもは、鉄不足の状態にあります。栄養を整えていくことで、その子を一番良い状態で発達させてあげたいと考えています。またその中で家族の食事を変えていくことで家族全員が健康に近づけるのも大きなメリットです。

この方法を取り入れたのはいつ頃からですか?

1年ほど前からで、最近はその考え方に興味を持たれて来院される方が増えてきました。今は栄養を整えることの重要性をもっと知ってほしい、広めたいと考えており、お子さんの健診の際に栄養を整えていくことの重要性をお母さんにお伝えしています。また、保育園や幼稚園の嘱託園医もしていますので、印刷物にして配布したり、講演をしたりしています。栄養を整えていくことで、デメリットや副作用はほとんどありません。

栄養を整えていくことは、確かに薬の処方とは異なりますね。

私は、日常診療の中でできるだけそのお子さん一人ひとりにとって最適な医療を取り入れたいと思っています。その内容は西洋医学、漢方、そして栄養を整えることなどいろいろありますがその中で、この栄養に着目した考え方に可能性を感じているんです。当院ではその考え方に基づいてサプリメントなどをご紹介することもあります。

こちらには、発達障害の患者さんも多く来院されていると伺いました。

星野千代江院長 ほしの小児クリニック2

発達障害の有病率は高いのですが、発達障害を専門的に診ることができる医療機関は患者数から考えると十分ではありません。次の診察が半年後から1年後になることも多く、その間お子さんと親に対してまったく何のサポートもされないのは問題があるのではないでしょうか。例えば、発達障害のある子どもは学校で叱られてしまうことが多く、それゆえに自信をなくして自分を否定しがちです。一方、親御さんも子どもにどう接すればよいのかと悩みます。そこで、専門的な病院で受ける診療と診療の間に当院に通っていただき、栄養指導で体を整えながら、経過をみる外来を開いています。その中で子どもの心のケアと親御さんのお話を聞いてアドバイスをし、ストレスを軽減できるように努めています。

母親の迷いに応え、応援する姿勢を大切に

先生の診療方針についてお聞かせください。

星野千代江院長 ほしの小児クリニック3

ただ病気を診るだけではなく、お母さんたちの迷いにも耳を傾け、子育て全般を応援できるクリニックをめざしてきました。例えば、働いているお母さんも多く、診療受付時間ぎりぎりに駆け込んでこられることもあります。私自身も子育て経験があり、こんな時のお母さんの焦る気持ちやその背景が手に取るようにわかりますから、できるだけ柔軟に対応しています。またお母さんが悩んだり迷ったりしているときは、「今は保育園を休ませたほうがいいですよ」などとはっきりアドバイスすることも必要だと思っています。

医師を志したきっかけをお聞かせください。

そもそも「人間とは何か」という問いが原点でした。中高生時代、人間について知りたいという気持ちが強く、人間を知るには、まずはその体を知ることが必要と考えて、体について学ぶことのできる医学部に進学しました。その後も哲学書を読んだり、心の問題について考えたりしましたが、今から思うと、頭でっかちだったのですね(笑)。頭の中でいろんな仮説を組み立てようと一生懸命努力してみたけれど、わかりませんでした。結局、「人間とは何か」の答えに少し近づくことができたのは、私自身が子どもを産み育てたことからです。子育てをしていたら現実に引き戻されて、毎日をきちんと生きていくことこそが学びなのだと感じました。子どもを育てることで、人間がどう成長していくか復習ができたと思います。

こちらでは、どのような診療を心がけていますか?

星野千代江院長 ほしの小児クリニック4

「人間とは何か」というところから医師になり、人間の原型である子どもを診ることのできる小児科へと進みましたが、たくさんのお子さんの成長を見てきて「小児科ってすごくいいな」と思います。奇跡の連鎖で命が生まれ、すべてのお子さんにはあふれるほどの可能性があります。一人ひとりの能力をできるだけ伸ばすためには、体力や免疫力など土台となる部分を底上げしていくことがとても大切だと考えています。このためには栄養指導や漢方などが役に立つことも多いと感じています。頭を固くせずに、良いと思うものを積極的に取り入れて、医師としてより多くの引き出しを持っていたいですね。また、子育ては社会にとっても重大なプロジェクトです。子育てというチャンスに恵まれたら、責任を持ってしっかり育ててほしいと願っています。小児科の医師として、ぜひそのお手伝いをしていきたいですね。

1歳以下の子どもも受けられる目の検査を実施

目の検査ができる機器を導入予定と伺いました。

星野千代江院長 ほしの小児クリニック5

子どもの斜視や屈折異常を早期にスクリーニングしていく機械を導入しました。これまで視力検査は、子どもが話せるようになり意思疎通ができるようになってからでないと行えないため、3~4歳になるまでは検査が受けられませんでした。ところが目の機能は3歳くらいまでが感受性が高く、6歳を過ぎたくらいで発達が止まってしまうといわれています。そのため、このスクリーニングの機械を使って、できるだけ早い段階で弱視、その他の異常を見つけてあげ、その改善への取り組みを始めていけるようにしたいと思っています。

先生が今後、やってみたいと考えていることはありますか?

セミプロの音楽家の方々とチャリティーコンサートを開き、その収益をどこかに寄付するような活動をしたいと考えています。とは言っても私は演奏する側ではなく、企画する側なんですけどね(笑)。セミプロでもとても上手な方たちがたくさんいるんですよ。そういう方にとっても演奏を披露するチャンスとなる場をつくっていきたいですね。

読者へのメッセージをお願いします。

星野千代江院長 ほしの小児クリニック6

お子さんが嫌がらず、お母さんもいろいろ相談できる、そんな小児科のかかりつけを見つけてください。また、しつけの面では、必要なときにはお子さんをしっかり叱ってあげてください。ダメなことはダメと教えないと、将来困るのはお子さんですし、愛情があれば叱られてもお子さんはわかってくれるはずです。親の責任は、衣食住を提供することと、物事の善悪を教えることだと思います。そして子育て中のお母さんは一生懸命で余裕がないとは思いますが、できればもっと子育てを楽しんでください。私自身、子育て中はなかなか楽しめなかったのですが(笑)、ぜひお子さんとの貴重な時間を楽しんでいただきたいと思います。

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