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杉本 菜穗子 院長の独自取材記事

杉本矯正歯科医院

(堺市西区/鳳駅)

最終更新日:2023/03/31

杉本菜穗子院長 杉本矯正歯科医院 main

鳳駅から徒歩5分。静かな住宅地にある「杉本矯正歯科医院」を訪ねた。1998年に開院した歯列矯正を専門とする歯科医院。実家を建て替え、表に大きな看板もなく外観も普通の一軒家という印象。まるで友人の家に遊びに来た感覚になるようなデザインにした理由を尋ねると、「昔ながらの怖いイメージの歯医者にしたくなかったから」と笑う杉本菜穗子院長。優しく包容力のある雰囲気で「患者さんが何でも話せる、浪花の下町のおばちゃん歯科医師になりたかった」と話す。めざした理想像どおりに、患者は治療についてだけでなく子育てや家庭の悩みまでを相談していくそう。そんな杉本先生に、進歩していく矯正治療について、診療に「態癖指導」を取り入れる理由など、じっくりと語ってもらった。

(取材日2019年8月9日)

態癖指導をしながら、矯正開始に適した時期を見極める

まずは、貴院の概要について教えてください。

杉本菜穗子院長 杉本矯正歯科医院1

当院は1998年に歯列矯正専門歯科医院として開院しました。矯正専門の歯科医院にこだわったのは、私自身が子どもの頃につらい矯正治療の経験があるからです。当時ワイヤーでの矯正のはしりのような時代でしたから、見た目にもとても目立つ装置を使い、今では想像もつかないようなやり方での矯正をしました。笑うと口元が銀一色で(笑)。「周りの人からいろいろ言われるかもしれないよ、大丈夫?」と担当の先生に最初に念を押されましたが、「それでも我慢する!」と答えたことを今でもはっきりと覚えています。それぐらい矯正治療というのは見た目が悪く、痛みも強く我慢を強いられるものでしたね。自分が経験した嫌な思いを患者さんにはさせたくない、という思いが矯正専門歯科医師の道に私を進ませました。

こちらで行う矯正には、どんな特徴やこだわりがありますか?

まず初診相談でじっくりとお話を伺ってから、検査をします。歯と頭部のエックス線写真撮影が一般的ですが、当院ではその際にお顔と姿勢の写真も撮影し、患者さんの「態癖」をチェックします。態癖というのは日常生活を送る中で知らず知らずに行っている習癖のことで、歯科では主に頬づえやうつ伏せ寝などの癖がないかをみます。頬づえをついたり、寝る時の姿勢によって同じ方向から常に力が加わってしまい、噛み合わせに影響が出ることが考えられるからです。「今日から仰向けに寝かせてあげてくださいね」とお母さんにお話しするだけで、口腔の状態に変化がみられることもあります。そして矯正治療には適切なスタート時期というものがありますから、初診相談の後にすぐ治療を開始する方ばかりではありません。半年、1年、時には数年後まで様子を見て、そのお子さんの一番いい時期を狙ってスタートをするのが当院のやり方です。

患者ごとに矯正の開始時期を見極めてくださるのですね。

杉本菜穗子院長 杉本矯正歯科医院2

歯列が乱れていたり出っ歯のお子さんは、成長期を狙って治療すると短期決戦でうまく治療が進められる、というのが私の持論です。ここでいう成長期というのは女の子でいうと初潮が始まる1年ぐらい前の時期で、多くの場合この頃から背が伸び始めます。下顎が成長し大人びた顔つきに変化していくのもこの時期だと考えています。反対に受け口のお子さんは、幼稚園の後半から小学校低学年ぐらいに治療を開始することをお勧めします。矯正治療をご相談いただいた時期がスタート時期とは限らないということです。「ここまで待ってください」とお伝えし、その後経過観察をしながら、その都度身長を測定してお口の中を確認し発育の状態を見極めてから、スタートを切るという感じです。

この子の人生がかかっているという気持ちで治療に臨む

こちらで矯正をするメリットはどういう点だと思われますか?

杉本菜穗子院長 杉本矯正歯科医院3

小さい時からずっと継続で診させていただけるという点が、患者さんにとってもメリットなのではないでしょうか。矯正には長い期間が必要になりますから、初診で来た時にはまだ幼かった子が、治療を終える頃には立派に成長されていたりします。私にも子どもがいますから、矯正を頑張るお子さんをサポートする親御さんの気持ちもよくわかります。毎回「何が何でもちゃんとやってあげないと、この子の人生がかかっている」という情熱と意気込みで矯正治療をしています。

ご自身が矯正をされたきっかけは、何だったのですか?

私は子どもの頃、歯ががたがたで、中でも八重歯が特徴的だったのです。それを「女の子なんだから」と父が気にして、大学の附属病院へ連れていかれたのが始まりです。両親は矯正についてはまるで素人。またその頃は矯正自体もまだまだメジャーではなかったので、「健康な歯を抜くのはどうなのか?」ということになり、抜かない矯正をお願いしました。殺風景な診療室で、型採りとして粘土のような物に石こうが混ぜてあるのをがしがしと歯に押しつけられ……。石こうの味がするのにはまいりました。子どもながらによく頑張ったと思います。治療の後、母がデパートへ連れていってお買い物させてくれることだけを楽しみに、なんとかモチベーションを保っていたように思いますね。

それで矯正専門の歯科医師になろうと思われたのですか?

杉本菜穗子院長 杉本矯正歯科医院4

父に「手先が器用だから向いている」と言われて、大阪歯科大学に進路を決めました。そこで子どもの頃の経験が生かせる矯正専門歯科医師になろうと思ったことがきっかけですね。大学時代には2度目の矯正もしました。歯を抜いて行う矯正を自分自身がどう受け止めるか、ということも経験しておきたかったのです。その後2年間、大学に研修生で残った後もさらに10年以上在籍しながら、矯正専門歯科医師としての経験と研鑽を積みました。矯正治療は一般歯科治療とは違った専門的知識が必要であることから、矯正治療のスペシャリストをめざして勉強を重ねました。

友人の家に遊びに来るような感覚で受診できる工夫

ご実家を建て替え開院されたそうですね。

杉本菜穗子院長 杉本矯正歯科医院5

ここは、亡き母が医師であった父の開院場所として見つけてきたのですが、父は研究が好きで開業はしなかったため、私が母の遺志を継いだ形です。普通の住宅で看板も大きく出していないので「ここは歯科医院ですか?」と不思議そうに言われることもあります(笑)。木をふんだんに使い、温かな雰囲気を大切にした内装には「友達のおうちへ遊びに来た」という感覚で、通院してもらえたらという私の思いを込めました。ご家族がたくさん付き添って来られてもいいように待合室は広くとり、診察室もアットホームで開放感のある設計に。奥にはプライベートなお話もできる個室も設置することにこだわりました。

患者さんに接する際に心がけていることを教えてください。

お子さんの治療を始める前には「この間のワイヤーはどうだった? 痛くなかった?」と質問をします。お子さんが痛かったことを忘れていても、お母さんから「次の朝、痛いって言ってたよね?」と答えが返ってくることも。お母さんが近くにいることでお子さんも安心されますし、親御さんに信頼してもらえると思っています。反対に大人の方の場合は個室をお勧めし、相談していただきやすい雰囲気を心がけます。例えば就職活動中などの忙しい方でしたら、次の通院まで少々期間が空いても済むワイヤーに変更するなどの工夫をします。会話を重ねてコミュニケーションを密に取ることで、患者さんの治療のストレスを和らげるように気を配っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

杉本菜穗子院長 杉本矯正歯科医院6

最近の矯正治療は昔と大きく変わりました。ワイヤーも痛みの少ない物に変わってきていますし、より審美性の高い矯正も可能となってきて、いろんな方が矯正治療に踏みきりやすい環境が整ったと思います。当院では、現在お子さんに限らず、40~50代の大人の方の治療にも注力しています。歯の裏側の矯正やマウスピース型装置を用いた矯正などどんな方にも対応ができるようさまざまな方法をご用意しています。80、90歳まで元気に毎日を過ごしていくには、きちんとした噛み合わせで物を噛んで食事を取ることが大切ですから、今後は大人の矯正治療がさらに身近になるのではないでしょうか。矯正治療は年齢よりも歯と顎骨の状態で、治療が可能かどうかを判断します。年齢が高いからと諦めずに、ぜひ一度当院にご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

初診相談料(30分)/3300円
早期治療(幼児期:乳歯の受け口)/11万円(検査診断料を含みます)
検査診断料/5万5000円
1期治療(小学校低学年~)/22~44万円
一般矯正料金(2期治療:永久歯咬合)/88万円(1期治療から2期治療へ継続の場合、1期治療費は差し引かせていただきます。)
舌側矯正/110万円
マウスピース型装置を使用した矯正/99万円
矯正終了後の経過観察料/1100円

※調整料はいただきません。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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