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漆畑 博信 院長の独自取材記事

鷺沼産婦人科

(川崎市宮前区/鷺沼駅)

最終更新日:2021/07/21

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東急田園都市線・鷺沼駅から歩いて5分ほど、桜の街路樹が並ぶ坂道沿いにある「鷺沼産婦人科」は、1968年開業の歴史ある医院。半世紀以上にわたり、地域の発展と多くの生命の誕生を見守り続けてきた。現在、2代目として医院を運営する漆畑博信院長は、「時代により、産婦人科に求められる医療の形は変化するもの。ニーズに応える医療サービスを常に心がけています」と話す。安全・安心を第一に、古くから続く自然の営みとしての分娩をサポートする同院では、妊娠・出産はもちろん、卒乳までの育児にトータルに寄り添う。その背景には核家族化により深まる妊産婦の孤独や不安に応えたいという思いがあるという。複数の医師と頼れる助産師がチームで支える同院での分娩や診療について、詳しく聞いた。
(取材日2021年6月10日)

半世紀以上にわたり地域での自然な分娩をサポート

たいへん歴史のある産婦人科と伺いました。

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1968年に私の父である先代が開院し、すでに半世紀以上この場所で診療を続けています。医院オープン時は田園都市線が開通した当初で、まだ周辺は「未開の地」といった様相だったと聞いています。1999年、先代が病に倒れたことをきっかけに2代目院長として医院を継承。1人で診療していた父の代とは異なり、女性医師を含む複数医師で診療と分娩を担っています。街の発展とともに歩む当院では、2世代、3世代にわたってお付き合いいただいている方も多く、地域に根差した医療をめざす身としてはたいへんうれしく思っています。産科と婦人科では産科の割合が多く、今日もたくさんの赤ちゃんがここで誕生しています。

こちらの医院でのお産について教えてください。

本来人間が持っている自然な力を大切にしたいという考えから、自然分娩を基本としています。とはいえ、母体と赤ちゃんの安全が第一ですので、正常から外れるような状況になれば、必要に応じて陣痛誘発剤の使用や吸引分娩、鉗子分娩、帝王切開などの対応も行っています。会陰切開についてもギリギリまで行わない方針ですが、行う場合は、縫合時に自然に溶ける糸を使います。いずれにしても、患者さんの納得を何より大切に考えていますので、医療介入を行う際にはその都度可能な限りご説明の時間をとり、その必要性を事前にご理解いただくように努めています。

産後は母児同室が基本と伺いました。

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分娩直後から一緒に過ごすことは、お母さんと赤ちゃんの両方にとって精神的安定につながり、育児をスムーズにスタートする上でも良い影響があるとされています。そこで当院では産後の母児同室をお勧めしているのです。とはいえ、出産は母体に大きな負担がかかるもの。そのため、お母さんの疲労が強い場合などには新生児室で赤ちゃんをお預かりしています。母児同室の期間は、その後続く赤ちゃんのお世話を学んでいただく上でも大切な時間。わからないこと、困ったことがあれば看護師や助産師に気軽に尋ねることができる重要な時間でもあります。有効に活用いただき、自信を持って自宅での育児に取り組んでいただければと思っています。

母乳育児や妊娠中の気がかりには助産師の外来でも対応

助産師さんによる外来も設けていらっしゃるとか。

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退院後の母乳についての悩みを助産師にご相談いただける母乳育児の外来は以前から開設していましたが、今春からさらに出産前の妊婦さんを対象とした助産師の外来を設けました。妊娠や出産に対しては、誰もが不安を抱くもの。核家族化が進む昨今、この辺りでも近隣に頼れる家族や友人を持たず、孤独に悩みを抱えている方が増えていると感じています。そうした方々と助産師が出産前からコミュニケーションをとることで、少しでも早く不安の芽を摘み、より良いお産へとつなげることができればと思います。何より、助産師の外来で見知った顔があれば、当日にも安心してお産に臨むことができると思いますから。当院では以前から出産前の妊婦さん向けに母親学級やマタニティーヨガ教室を開設しておりますが、新型コロナウイルス感染症の流行を受けてオンラインに切り替えて継続しています。これらの教室も、妊婦さんの不安に寄り添う大切な機会であると考えています。

母乳育児の外来についても詳しく教えてください。

母と子の心と体に良い影響を与えるといわれる母乳育児をスムーズに継続できるよう、当院で分娩された方と、当院で妊婦健診を受けて他院で分娩された方を対象に、卒乳までのサポートを行っています。赤ちゃんの発育チェックや授乳状態の確認、指導に加え、必要に応じて乳房ケアを含むケアなどを通して、授乳トラブルや乳腺炎などの乳房トラブル、あるいはメンタル面のトラブル解消をめざしています。育児中に孤独感に悩む方も多いようですが、助産師と会ってちょっとした話をするだけでもすっきりするという声も。卒乳まで定期的に通われる方も多くいらっしゃいます。

婦人科診療についても教えていただけますか。

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婦人科検診に加えて、生理痛や不正出血などの症状のご相談をお受けしています。疾患としては子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣腫瘍やがんなどですが、異常が見つかれば適切な治療を受けられる病院へご紹介するという形になります。婦人科を受診することはハードルが高いと感じられるようですが、痛みを我慢したり心配に思ったりしている時間はもったいないもの。受診して問題ないとわかれば安心することができます。少しでも心配事があれば、気軽にご相談いただきたいと思っています。

「来てよかった」と満足できる医療の提供をめざして

院長が医師をめざされたきっかけは?

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当時は「医師の息子は医師になる」が当たり前とされていたような時代で、私自身も当たり前に医師の道を進んでいました。父は1人で当院での診療を担っていたのですが、医師になってからは帝王切開の手術などを手伝ったこともあります。現在は私以外にも常勤、非常勤含めて複数の医師が診療を分担し、助産師らスタッフとも協働するチーム医療の体制をとっています。患者さんの中には女性医師による診療を希望される方もいらっしゃいますので、チームで診療することには意義を感じています。

診療の際に心がけていらっしゃることは何ですか。

何より、目の前の患者さんに集中することです。産科の医療は24時間突発的な対応を求められることも多く、あらゆることに気を取られがち。そんな中でも診察に入ったら患者さん一人ひとりの様子を丁寧に伺い、心配事があれば解消して差し上げることに全力を尽くしています。時にはお待たせしてしまうこともありますが、「来てよかった」と満足して帰っていただくのが理想。患者さんのニーズをくみ取り、必要な情報やサービスを提供できるよう心がけています。

読者に向けて一言メッセージをお願いします。

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便利な世の中になり、体を動かす機会が減った影響か、母体の体力低下により難産になってしまうケースもあります。また、転勤などにより近隣に見知った人のない状態で出産に臨まれる方も少なくありません。出産は太古から行われてきた自然の営みではありますが、その詳細は時代の流れとともに変わるもの。当院ではそうした時代のニーズに合わせた医療サービスの提供を通し、安全・安心で満足度の高いお産をめざしています。また、婦人科ではちょっとした気がかりから気軽にご相談いただける体制です。複数医師と20人を超える助産師、看護師らスタッフが、女性の目線を大切に生涯にわたる女性の健康を支えています。ぜひご相談ください。

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