峰 啓介 院長の独自取材記事
峰歯科・矯正歯科クリニック
(伊賀市/西大手駅)
最終更新日:2024/07/08
伊賀市上野西大手町の穏やかな住宅街にたたずむ白いモダンな建物が「峰歯科・矯正歯科クリニック」。手前には14台の駐車場を備える。院長は、3代目にあたる峰啓介先生。東京医科歯科大学大学院で矯正学を修め、その後、三重大学医学部附属病院の口腔外科で研鑽を積んだ。豊かな臨床経験を生かし、矯正歯科、一般歯科、入れ歯治療、インプラント治療など歯科全般に対応する。「オールマイティーに多分野に対応できるのが当院の強み。患者さんに選択肢をお示しすることを大切にしています」と院長。取材では、同院の強みや予防の重要性など多岐にわたる内容を気さくに語ってくれた。その人柄も魅力の一つといえそうだ。
(取材日2024年5月31日)
オールマイティーな診療を届ける3代目は矯正の専門家
先生はこちらの3代目院長だそうですね。
祖父が1940年代の終わり頃に開業し、父が受け継いだ当院を僕が継承しました。建物は先代の頃にリニューアルしてホテルのような雰囲気になりましたが、ずっと同じ場所で診療を続けています。幼少期には住居スペースとクリニックがつながっていて、リビングの扉の向こうには患者さんがいる環境で育ったんですよ。東京医科歯科大学を卒業し、歯科医師として経験を積んでから当院に戻ったのが2006年。その後、院長になってもう10年以上になるでしょうか。父もまだ診療にあたっており、父の代からの患者さんの中には、ご家族ぐるみで当院に通ってくださっている方もいらっしゃいますね。キッズスペースを設けていますので、お子さん連れの方にも安心して過ごしていただけるかと思います。
どんな分野を診ているのですか?
東京医科大学の大学院で専門的に学んだ矯正治療をはじめ、虫歯・歯周病治療などの一般歯科治療、入れ歯治療、インプラント治療など多分野にオールマイティーに対応します。これは歯科医師でないとなかなか知る機会がないかと思うのですが、矯正歯科と一般歯科は同じ歯科でもまったく違う分野なので、矯正歯科を専門に選ぶと、虫歯・歯周病治療などの一般歯科をほとんど経験しないことも決して珍しくありません。矯正を専門にしたのは、父がカバーしていない分野なので当院に戻った際に役立つと考えてのことでしたが、矯正だけに特化しては地域のかかりつけの役割を務めるのは難しい。そこで、大学院を出てからは大学病院の口腔外科に勤務し、幅広い分野に対応する力を培いました。
では、矯正治療に伴う抜歯や虫歯治療もこちらで対応していただけるのですね。
ええ。矯正専門のクリニックだと抜歯や虫歯治療は他院に紹介するケースもありますが、当院では一貫して対応します。一般歯科の視点を持った矯正の専門家のところを受診するメリットはほかにもあり、わかりやすいのは抜歯を伴う矯正の場合です。矯正歯科の視点で見ると健康な歯を抜いたほうが効率的に歯を動かすことが期待できるのですが、一般歯科の視点では、健康な歯を抜くのは良い選択とはいえません。当院は両方の視点を持っているため、可能な限り、健康な歯を残すことを念頭に置いてプランを立て、患者さんに選択肢としてお示しすることができるんです。
選択肢を示してもらえるのは、一患者としてはありがたいです。
いくつかの選択肢を提示することは、重要視していることの一つです。別の例をお話しすると、虫歯などでやむを得ず抜歯に至った後の選択肢が当院には5つあります。ご存じの方も多い入れ歯、ブリッジ、インプラントの3つ。加えて「何もしない」、「矯正」という選択肢も用意しています。患者さんの状態によってお示しできる選択肢は変わりますが、抜いた後は何もしないという道もあり得るんです。矯正で歯を動かし、空いたスペースを閉じる選択肢を持っているのもオールマイティーに診療ができる当院の強みだと考えています。
「選択肢は多く・効率は良く」がすべての診療のベース
先生が診療で大切にされていることを教えてください。
どの選択肢を選ぶか、患者さんに決めていただくことです。明らかにこの処置をしなければ痛みが続く、といったケースでは僕の判断で「こうしましょう」とお伝えします。一方、取れる方法が複数ある場合は、それぞれのメリット・デメリットをお伝えした上で患者さんに選択を委ねています。例えば、歯を抜いたとして、きちんと納得した上でのことでなければ、患者さんは「歯を抜かれてしまった」と思われるかもしれません。行き違いが起こらないよう、お気持ちに寄り添いながら、可能な選択肢を提示することを大切にしていきたいと考えています。
保険診療であっても診療の効率や質を重視されていると伺いました。
もともと歯科治療のスピードは速いんです。針の糸を通すのを適当にやると時間がかかるように、歯科治療は適当にやって速くできません。当然細心の注意を払った治療をしています。人一倍毎回の治療をスピーディーに進めることを前提に、治療の効率とクオリティをより高めるプランニングを常に意識しています。例えば、虫歯治療なら、削るのをできるだけ虫歯の部分だけに限局し、削る量を小さくすること。そうすると、歯は原型に近い形態で残ります。その結果歯の強度が保たれるので、より多くのケースで保険の範囲内でも金属製ではない白い詰め物にすることが可能となります。
導入されている機器のことも教えてください。
機器は先進のものを導入するようにしています。その一つがCAD/CAMシステム。これはセラミックを自院で加工できる機器で、白いかぶせ物や詰め物をなるべく安価でご用意するために取り入れました。また、歯の色を検知する機器も使っています。セラミックのかぶせ物などを作る際には、歯の色の微妙なニュアンスに注意を払わないといけません。というのも、目で見たときは天然歯と色が合っているようでも、実際に入れてみると違和感があるケースは少なくないんです。この機器で色味を確認し、隣り合う歯と自然に調和した印象になるよう、色を調整します。ほかにご紹介したいのは、歯のクリーニングに使うエアフローですね。これは、歯に付着した歯垢などを風で取り除く機器。当院は予防歯科にも力を入れていて、エアフローは全診療ユニットに1台ずつ設置しています。
先進のクリーニング設備で保険の予防歯科をより快適に
エアフローが全ユニットにあるクリニックはあまりないのではないですか?
患者さんにより快適な予防歯科を提供するため、設備を充実させたんです。クリーニングに使う機器としては、超音波を活用したものなどもありますが、エアフローのほうがより効率良く、また、歯茎や歯への負担を抑えて、より痛みがないように汚れを落としていくことができるんですよ。風と一緒に出る水の温度が人肌程度なので、しみにくいのも特徴です。エアフローを用いたクリーニングを保険の範囲内でご案内できるという点もお伝えしておきたいですね。
予防に取り組むことはなぜ大切なのでしょう。
虫歯を治療するのは大切なことですが、治療で歯を元の状態に戻せるわけではありません。できるのは削った箇所を補うことだけ。「治療」と言いつつも「妥協」と言っていい面があるのです。それなら治療が必要にならないよう、予防するのが一番というのが僕の考えです。ただ、予防が大切と聞いてもなかなか実感が湧きづらいですよね。そんな時にお話ししているのは、「歯垢がどれくらい汚いか」です。実を言うと、歯垢は排水口のヌルヌルと成分が近い細菌の塊なんです。歯垢が固まった歯石はさらに汚いですし、歯石には歯垢がよりつきやすい……。このことを知っていますから、歯磨きをおろそかにする歯科医師というのはまずいません。皆さんも予防のためにしっかりと磨いて歯垢を落とし、クリニックで定期的にクリーニングや検診を受けていただきたいと思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
お口の中のことで困った際の相談先として、当院を末永く存続させていくことを、大切な目標にして日々診療にあたっています。そうした中で、最近矯正の知識がテレビなどを通じて広がり、患者さんの関心度が高まっているのを実感しています。矯正が日本に浸透してきていることは歓迎すべきですが、お手軽さを強調する手法も存在し、それでは望むような効果を得られない方もいらっしゃいます。ですので、矯正に関心がある方には、矯正の専門家に相談することを第一の選択肢にすることをお勧めします。この地域にお住いの方々には、当院にご相談いただくことを視野に入れてくださいますと幸いです。
自由診療費用の目安
自由診療とは全体矯正/70万円~
部分矯正/25万円~
マウスピース型装置を用いた矯正/5万円~
インプラント治療/40万円~
※状況などによって金額が変わりますので、詳しくはお問い合わせください