歯と顎、全身の健全な成長をめざす
「0歳からの予防歯科」
さちこども歯科
(川崎市中原区/武蔵中原駅)
最終更新日:2024/03/05
乳歯がなかなか生えてこない、逆に生えるのが早くて虫歯が気になる……子どもの成長は個人差がある分、何かと心配になる親は少なくない。そんな不安を払拭し、それぞれの成長のステップに合ったアドバイスもしているのが小児歯科専門クリニック「さちこども歯科」の鈴木さち代院長だ。乳歯が生える前の段階からの受診によって、顎と全身の健全な成長をサポートし、虫歯や歯並びなど歯のトラブルを予防することをめざす「0歳からの予防歯科」を推進している。その詳細について話を聞いた。
(取材日2019年8月5日)
目次
定期受診を通じて子どもの成長を見守り、母親の心もサポートする
- Q貴院の「0歳からの予防歯科」について教えてください。
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A
診察のほか、子どもそれぞれの成長に合わせて、生活上のアドバイスもします。やはり歯科医院なので、離乳食を含めて食事に関わる話が中心になりますね。食べる内容より、食べるときの姿勢、手づかみ食べや、コップ飲みの仕方などをお話ししています。お母さんからは、「この時期にこれができないけど大丈夫でしょうか」といった不安の声が聞かれますが、ある程度の基準はあるものの、そこまで心配する必要はないと思います。当院ではむしろ、成長のステップを飛ばして先に進んでいないかをポイントに見て、運動面では「もう少しうつ伏せで遊ばせましょう」といったアドバイスもしていますね。お母さんの不安解消にも貢献できればと考えています。
- Q乳歯が生える前から、受診を勧められているのはなぜですか?
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A
生後6ヵ月頃から乳歯が生えると同時に、歯並びを気にし始める親御さんがいますが、注目すべきは歯そのものでなく、顎の発育といえます。歯がなくても顎の形は変わり、全身は成長していきます。授乳の仕方や姿勢、はいはいやお座りが、これから生える乳歯や歯並びに影響を与える可能性があるのです。歯並びに問題のある子のお母さんが、「うちの子ははいはいをしなかった」とおっしゃることもあります。はいはいという成長のステップを経験しなかったことが、何かしら将来の問題につながるのではないだろうか、もしそうなら歩き始めるまでのあらゆる成長の過程を見ていきたい。そう考え、私は0歳からの歯科受診を推奨しています。
- Q生活習慣が虫歯の予防にもつながっているのですね。
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A
そもそも虫歯は一夜にして急に歯に穴が開くのではないんですね。本来歯は溶ける、固まるを繰り返すものです。好ましくない生活習慣が続くことで、歯が固まるより溶ける時間が増え、結果的に穴が開く。それが虫歯です。虫歯は細菌の仕業ですが、細菌は誰の口にも存在し、なくなることはありません。それでも虫歯になる人とならない人がいる。つまり、細菌との付き合い方が大切になります。細菌が悪さをするような生活を続けていたら、虫歯だけでなく生活習慣病のリスクが高まり、体調を崩しやすくなるかもしれません。それはその人が全身にとって無理のある生活を送っているといえます。虫歯がその人にとっての生活について教えてくれるのです。
- Q日常生活の中で気をつけたほうがよいことはありますか?
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A
食事、睡眠、運動のすべてを大切にしてほしいです。寝る時間帯によって日中落ち着きがないなどの行動に現れることがありますし、夜ふかしをしている子は虫歯が多い傾向があると感じています。生活リズムの乱れは体に影響することもあり、食べる、寝る、遊ぶのバランスはとても大事です。また、できるだけ小さい頃からの定期健診をお勧めします。気づかず虫歯になって、いきなり歯を削ったり抜いたりしなければいけなくなるのを避けられますし「歯科医院は歯をきれいにするところ」というプラスのイメージを持つことができるからです。当院では生活習慣を見直すことでお口のトラブルを防ぐお手伝いをしていますので、何でも相談してほしいですね。
- Q「0歳からの予防歯科」について知らない方も多いのでは?
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A
当院は小児歯科専門で、定期的に通われている方も多いので、ご兄弟の下のお子さんを診せてくださるケースも多いです。そうでなくても、「歯が生えてくるのが遅いようなので見てください」と、親御さんのほうから気軽に受診していただけたら、「順調ですよ」「これはこうしたほうがいいと思います」と、お互いにとって有用な話ができるのでうれしいですね。歯が生える前から自宅でされているケアに少し何かを足す、変えるなど、無理なくできることをお話しして、ご家族に負担のない予防法をご提案できればと思います。当院はスタッフ全員が女性ですし、自身の子育て経験を生かしたアドバイスができるスタッフもいて、頼りになります。