鈴木 さち代 院長、飯田 美和子 副院長の独自取材記事
さちこども歯科
(川崎市中原区/武蔵中原駅)
最終更新日:2025/09/17
武蔵中原駅から程近い場所にある「さちこども歯科」鈴木さち代院長。日本小児歯科学会小児歯科専門医としての専門性を生かして2000年に「橘こども歯科医院」を開業し、2018年に「さちこども歯科」と院名を変えて移転した。「小児歯科の専門家が、子どもや家族がいつも笑顔でいられるようなお手伝いをすること」をコンセプトに、子どもたちの健やかな成長をサポートし、保護者のさまざまな相談にも親身に応える診療を展開している。スタッフの多くが母親で、親子に寄り添う優しく的確な診療に努めているのも特徴だ。そこで、鈴木院長と副院長の飯田美和子先生に、診療の特徴や同院ならではの取り組みなどについて聞いた。
(取材日2025年6月24日)
子どもと家族が笑顔になれることをめざす小児歯科
こちらは小児専門の歯科医院なのですね。

【鈴木院長】「小児歯科の専門家が、お子さんやご家族がいつも笑顔でいられるようなお手伝いをする」。これが当院のコンセプトです。私自身、心底子どもが好きなので、子どもの笑顔を見るためにも、小児歯科の専門家として培った経験を生かし、虫歯にならない方法を保護者の方と一緒に考えていきたいと考えています。
【飯田副院長】私の幼い頃の夢は幼稚園の先生でした。歯科医師になるのなら、「小児歯科専門に!」と思い、今に至ります。歯科医師としてだけでなく、母親として感じたことも診療に反映させていきたいと思っています。
なぜ、小児歯科に特化して開業されたのでしょうか。
【鈴木院長】開業にあたって念頭に置いたのは、「大学病院と同じレベルの治療ができる小児専門歯科医院」です。少子化が話題となって久しいこの時代に、子どものみを対象に、専門性の高い歯科診療を提供していくということで、周囲からは心配されました。しかし少子化の時代だからこそ、お子さん一人ひとりに質の高い治療が必要とされているのだと実感しています。だからこそ、25年も続けてこられたのでしょうし、これからも大切なお子さんを安心して任せていただけるような小児専門の歯科医院でありたいと思っています。
患者さんの年齢層は何歳ぐらいですか。

【鈴木院長】就学前のお子さん、小学生が多いですが、「歯が生える前から見せてくださいね」と啓発してきましたので、0歳児のお子さんも多く来てくださるようになりました。お子さんのお口は成長によって大きく変化しますから、乳歯の時から関わり、経過を見守らせていただきたいのです。おかげさまで、高校生、大学生になっても変わらず定期的に通院してくださっている患者さんも多く、うれしく思っています。
【飯田副院長】ずっと通ってくださる患者さんは、大きくなっても歯の健康への意識が高いという印象がありますね。歯周病の最大の予防法は定期的なクリーニングですので、「久しぶりに来院したらブリッジや歯の根っこの治療が必要だった」ということにならないよう、予防することの大切さも常にお伝えするようにしています。
生活習慣や体の成長にも注目しながら口腔を育てる
注力されているのは、どのような治療でしょうか。

【鈴木院長】「口腔の発達と全身の発達は関連している」という考え方のもと、大人になった後も見据えて、一人ひとりの子どもの月齢や年齢における発達に合わせた診療を心がけています。歯がまったく生えていない0歳前半の赤ちゃんの時期から歯科医院に足を運んでいただき、予防歯科を始め、おっぱいやミルクの飲ませ方、離乳食の食べ方や遊び方などを確認・アドバイスすることで、お口の機能を高め、将来的には虫歯や歯周病などのお口のトラブルを防いでいきたいのです。また、虫歯で歯に穴が開いたからとすぐ削って埋めるのではなく、進行を止めるためのお薬やフッ素を塗りながら観察し、お子さんの発達にとって適切なタイミングと手法を提案します。お口は体の一部で体と一緒に育っていきますから、成長に伴って変わる虫歯予防の方法や、お子さんの生活習慣や姿勢、体の動かし方などとの関係性を考慮しながら全体的なアドバイスをさせていただきます。
さまざまなことが歯や口腔に影響するのですね。
【鈴木院長】たった12、3年で、まったく歯のないところから永久歯が28本そろうところまで、子どものお口はとても大きく変化します。しかも変化するお口を使って、毎日食べなければならないわけです。成長というダイナミックな変化に直面する子どもと親御さんに、現状をわかりやすくお伝えするのが私たちの役割と考えて、真摯に向き合う中で、歯を削ったり詰めたりする虫歯治療はほとんど行わないようになりました。虫歯は悪者のように思われがちですが、健康に関わるリスクを教えてくれるサインでもあり、虫歯が伝えてくれるメッセージに耳を傾けながら付き合っていくのも大切なことだと考えています。
虫歯は、何か問題があると教えてくれていると。

【鈴木院長】歯は食べるための道具なので、上手にお手入れすることは確かに大切ですが、うまく使えなければ機能しません。小児期は歯の上手な使い方、持って生まれた道具の生かし方を身につける時期でもあると考えています。「使い方が上手にできていない」と体が気づかせてくれているのが歯の痛みであり虫歯であるとも考えています。虫歯ができた子は歯の上手な使い方を学ぶチャンスが来たのだと思うのです。私の考え方は、まだ特別かもしれませんが、10年後、20年後には当然になっているかもしれないと考えています。昔は乳歯の虫歯もしっかり削って治すのが主流でしたが、今は経過を見守り、食べ方と成長による変化に意識を向け、永久歯に生え替わるまで見守ることも増えてきました。このような私たちの取り組みもだんだん理解されていくと信じています。
多様な取り組みで地域の子どもや保護者をサポート
子育ての悩みや相談にも親身に対応されていると聞きました。

【鈴木院長】「来て良かった」「また来ます」と言ってくださるお子さんと親御さんをもっと笑顔にするために、何ができるのかいつも考え続けています。お母さんやお子さんと話をすることで、成長しているお子さんを見るお母さん方の目線が変わり、子育ての悩みの解決やヒントにつなげられたらと思います。今の時代は、少子化で1人のお子さんに対しての期待度が大きい分、重い責任を感じるお母さんもいらっしゃいますよね。お子さんのお口を通じて、子育てに頑張るお母さん方をサポートできたらと思っています。親御さんが柔軟に向き合えばお子さんも変わり、子育ても楽になりやすいことを伝えたいですし、マインドを変えていくというより、親御さんの気づきを大切にしたいと思っています。
そのためにさまざまな取り組みをされているのですね。
【鈴木院長】そうです。お母さん方がいろいろな社会と交流できるような場所、いろいろな人たちと対話できる場所があれば、もう少しリラックスして子育てができるのではないかと考えて活動しています。胎児期から子どもの口腔に関わっていきたいとプレパパ・プレママ向けのサポートの場もつくりました。赤ちゃんが生まれる前からお口が育つ適切な知識を身につけていただくことで、虫歯ができにくい生活環境と、その子に合ったきれいな歯並びで、しっかり噛んで食べられるベストな状態に近づけるようにサポートしていきたいと思っています。健やかなお口が育つことを通して親子のベストな関係をつくり、子育てが楽しく、一緒に成長していけるような環境がつくれたらと思います。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

【鈴木院長】どんな些細なことでも構いませんから、気になることがあればなんでも話していただければと思います。親御さん、特にお母さんが安心すればお子さんも笑顔になるでしょう。お子さんが順調に成長すれば、お母さんも笑顔になります。特に歩くようになる1歳まではお口の発達とつながりが深く、一番大事な時期です。当院では、妊娠中も、0歳でまだ歯が生えていないお子さんにも発達に応じたアドバイスをしますので、お気軽にいらしてください。何よりもお子さんと親御さんが来てくださり一緒にお話しできることが、私の喜びです。お子さんと親御さんが心安らげる、そんな場所になれたらと願っています。
【飯田副院長】ご家族が、毎日楽しく生活するために何かお手伝いができればと思っています。私たちスタッフも子どもを持つ親が多いので、ママ友にお話しするような感覚で当院にいらしてください。

