歯科麻酔の専門家が行う
痛みの少ない歯科治療
北川歯科クリニック
(新宿区/新宿御苑前駅)
最終更新日:2024/04/23
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痛い、怖い、歯を削る時の音が嫌など、歯科医院や歯科治療に苦手意識を持っている人は多いだろう。中には極度の恐怖や嫌悪感から歯科治療を受けることができない、あるいは嘔吐反射が強いといった理由から治療を諦めたり、歯科医院から治療を断られたりするケースもあるという。そこで重要なのが、痛みを軽減するために行われる「歯科麻酔」だ。治療前に歯茎に麻酔薬を注射する局所麻酔が一般的だが、恐怖心が強い人や一度に数本治療する場合には、よりリラックス効果が期待できる麻酔法が行われている。今回は、歯科麻酔の専門家として痛みの少ない治療を実践している「北川歯科クリニック」の北川尚院長に、歯科麻酔の方法や、歯科麻酔を受ける際の注意点について聞いた。
(取材日2021年6月9日)
目次
全身疾患の知識を有するからこそ、幅広い患者への適切なアドバイスと痛みの少ない治療が可能
- Q痛みの少ない治療とは、どのような治療ですか。
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A
痛みを軽減するために、治療前に歯茎に麻酔薬を注射して一時的に感覚を消失させることを目的とする局所麻酔が一般的に行われています。麻酔薬を注射する時が痛いのですが、先に歯茎表面の感覚を麻痺させるために表面麻酔を行ったり、細い注射針を使用したり、電動注射器を導入し一定の速度で麻酔薬を注入するといった方法で痛みを和らげるための工夫を行っています。しかし、中には歯を削る音や振動が苦手な方、口の中に器具が入ると吐き気をもよおす方、過剰な緊張や不安感から血圧が上昇する方もおられます。このような患者さんには、笑気吸入鎮静法や静脈内鎮静法という方法を用いて歯科治療が行われます。
- Q笑気吸入鎮静法とはどのような方法ですか。
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A
笑気吸入鎮静法は、少し甘い香りのする笑気ガスを鼻から吸っていただくことで、気分を落ち着かせリラックスした状態で治療を受けられることが期待できます。治療中も意識はあり、お酒を飲んだときのほろ酔い気分に似た感覚でしょう。事前の準備は必要なく、治療が終わった後の生活にも特に制限はありません。治療後もすぐに帰宅でき、そのまま会社に行かれる患者さんもおられます。笑気ガスにも鎮静作用はありますが、基本的には局所麻酔法と組み合わせて行います。中耳炎や重度の喘息のある方、妊娠初期の方を除いて、基本的にはどなたでも受けられますし、歯石の除去など比較的軽い治療にも利用していただけます。
- Q静脈内鎮静法について教えてください。
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A
静脈内鎮静法は点滴で鎮静薬を投与する方法です。眠ったような状態にするためのもので、患者さんが寝ている間に治療を行います。無意識下での治療なので、重度の歯科恐怖症の方や嘔吐反射が強い方、抜歯などの外科処置、治療本数の多い場合などに適しています。笑気吸入鎮静法よりも鎮静作用が強く、血圧計や心電図などのモニターを装着して全身状態を確認しながら治療を行います。治療終了後は2時間程度、院内で休んでいただきますが、その後は普段どおりの生活が送れます。ただ、車や自転車の運転や、重要な判断を必要とする会議などは避ける、当日は治療開始2時間ほど前までに食事を済ませるなどの制限があります。
- Q歯科麻酔の専門家として心がけていることを教えてください。
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A
歯科医師として、患者さんの恐怖心や痛みを最小限に抑えることは大前提です。そのために歯科麻酔を使用するわけですが、患者さんの中には、さまざまな病気を抱えている方も少なくありません。ですから全身の状態や疾患の有無、常用している薬などを把握し、麻酔によるリスクがないかどうかを判断する必要があります。特に静脈内鎮静法や全身麻酔法では、全身管理が重要です。歯科麻酔の専門家は、麻酔方法はもちろん全身管理や循環器疾患、精神神経疾患についての知識も持っています。患者さんの全身疾患や生活習慣から適切な治療法を提案できることが歯科麻酔の専門家の強みであり、患者さんの状態を鑑みて治療をすることを常に意識しています。
自由診療費用の目安
自由診療とは静脈麻酔を使用した治療/4万4000円~(治療内容により異なる)