北川 尚 院長の独自取材記事
北川歯科クリニック
(新宿区/新宿御苑前駅)
最終更新日:2024/11/11

新宿御苑前駅の大木戸門口を出てすぐ。新宿通りから脇道に少し入った場所に立つビルの2階で診療する「北川歯科クリニック」は、虫歯・歯周病からインプラント治療、審美面に配慮した治療、メンテナンスなど歯科全般を幅広く診療。近隣住民はもちろん、周辺のオフィスで働くビジネスパーソンも通うクリニックだ。北川尚院長は歯科麻酔の専門家で、一般的な局所麻酔法だけでなく、笑気吸入鎮静法などを用いて痛みの少ない治療をめざしている。また、高血圧症や心臓病、糖尿病など全身の病気や、心身に障害がある患者の歯科治療も手がけるなど、専門性の高い歯科治療を行っている。「患者さんに『正しい治療は何か』を理解していただけるよう、簡単かつ詳しい説明を心がけています」と穏やかに語る北川院長に話を聞いた。
(取材日2021年6月9日)
歯科麻酔の専門家として痛みの少ない治療を追究
歯科麻酔がご専門だそうですが、先生のご経歴をお聞かせください。

大学卒業後、東京医科歯科大学の歯科麻酔科に入局し、臨床研修医として義歯や補綴(ほてつ)、口腔外科など歯科診療全般を勉強しました。その後、全身管理を学ぶため、同大学大学院で歯科麻酔学を専攻しました。歯科麻酔を専門にしたのは、大学卒業時に「高齢者が増加することを前提に義歯を自分の専門分野にしたい」と先輩に相談した際、「高齢者を対象とした歯科診療をするなら、全身管理ができなければいけない」とアドバイスをもらったからです。大学院では歯科麻酔や全身管理に加えて、心筋梗塞などの循環器疾患、脳性まひやてんかんといった精神神経疾患についての知識も深めました。大学院修了後は心身に障害のあるお子さんや成人の方を対象とする療養施設に勤務し、全身麻酔下での歯科治療を数多く経験しました。当院を開業したのは1999年です。
新宿御苑前駅から近くてアクセスが良く、通いやすい立地ですね。
近隣のオフィスから通院される方が多いのですが、ご紹介で遠方から来院される方もかなりおられるため、駅から近くてわかりやすい場所にクリニックを構えました。歯科医院が好きで受診される方はまずいらっしゃらないでしょうし、歯科診療は一度で終わることはほとんどないでしょう。ですから、少しでも通院にかかる負担を軽減できればと考えたのです。また、新宿御苑にも近いので、利便性だけでなく環境も快適です。歯科医療は小さな手術の連続でたいへん神経を使いますが、天気の良い日は昼休みに自然あふれる新宿御苑の周りを散歩することでたいへん良い気分転換になります。
クリニックの特徴を教えてください。

虫歯や歯周病、義歯はもちろん、インプラントや審美面に配慮した治療、治療後のメンテナンスなど、歯科診療全般に幅広く対応しています。一方で、当院のホームページなどで私が歯科麻酔の専門家であることを知り、痛みの少ない治療を求めて来院される方も多くおられます。歯科治療は歯を削ったり歯の神経を抜いたりと、毎回手術をするようなものであり、痛みを伴う治療ではあるのですが、当院ではその苦痛をうまく和らげることに力を入れています。「ここで治療すれば痛くない」と思っていただければ、私のやりがいにつながります。恐怖心を取り除き、患者さんのご要望にお応えして痛みを最小限に抑えたいと常に考えています。
恐怖心や嘔吐反射の強い患者には鎮静下での治療を提案
痛みの少ない治療について教えてください。

歯科治療に伴う痛みを和らげるための方法としては、歯茎に麻酔薬を注射して一時的に感覚を消失させることをめざす局所麻酔法が一般的です。当院では注射の痛みを最小限にとどめるため、23ゲージの細い注射針を使用する、電動麻酔器で麻酔薬を一定速度でゆっくりと注入する、注射前に針のない麻酔器を使って表面麻酔をするといった工夫をしています。さらに、過去に歯科治療で痛い思いをしてトラウマになっているなど、恐怖心の強い方には静脈内鎮静法や笑気吸入鎮静法をお勧めします。そのほか、一度に数本治療する場合や抜歯やインプラント手術の時、口に器具を入れると吐きそうになってしまう嘔吐反射が強い方にも鎮静下での治療が適しています。また、極度の歯科恐怖症の方には事前に精神安定剤をお渡しし、来院前に飲んでもらうこともあります。
食いしばりや歯ぎしりの診療にも対応されているそうですね。
最近歯ぎしりや食いしばりで歯が欠けたり、ひびが入ったりするケースが散見されます。最終的に歯や補綴物が割れる場合もあるので、未然に防ぐために治療に力を入れています。食いしばりや歯ぎしりは噛みしめる力が強い方によく見られる症状で、無意識に力んでいるような状態になり、肩凝りや頭痛、起床時の疲労感など、歯以外にもさまざまな不具合を発症することがあります。噛む力は主に咬筋という顎の側面にある筋肉によりコントロールされているので、治療には咬筋がかける負荷を軽減するアプローチが必要です。例えば就寝時にマウスピースを装着したり、「噛みしめている」と気づいた時に意識的に歯と歯を離すなど、癖の改善を図ったりするのも方法の一つ。歯並びの悪さや補綴物が合わないこと、日々のストレスでも噛む力が強くなることがあるので、原因を見極めるためにも一度ご相談ください。
審美面に配慮した治療やインプラント治療についてもお聞かせください。

審美面では、詰め物やかぶせ物にセラミックを使用して天然の歯に近い仕上がりをめざす治療や、針金を使わない審美面に配慮した義歯にも対応しています。義歯が嫌だという方にはインプラント治療を選択することになりますが、体質上インプラントが合わない方もおられます。希望する患者さんには事前に検査を行い、食生活や年齢、全身疾患を鑑みてインプラントをお勧めできるかどうか判断しています。また、最近は歯の色に悩んでいる患者さんも増えています。当院では歯自体を漂白するホワイトニングと、表面の小さな汚れをジェットで飛ばして本来の歯の白さをめざすエアフローの2つの方法で対応しています。新宿というエリアにあるからか、当院の患者さんの多くが事前にインターネットなどで治療について調べた上で来院されます。治療の引き出しを幅広く持ち、患者さんのニーズに応えていきたいと思っています。
日々のブラッシングと定期的なメンテナンスで予防を
診療の際、どのようなことを心がけていますか。

最も大切にしているのは、よく説明することです。患者さんが正しい知識を持ち、ご自分に合った治療を選択できるよう、簡単にかつ詳しく説明するよう心がけています。もう一つは、患者さんが希望しない治療はやらないこと。もちろん、私が必要だと考える治療についてはきちんと説明しますが、ご本人が望まない場合は無理強いせず、できる範囲の治療にとどめます。その結果、治療後に再び悪くなることもありますが、ほとんどの患者さんは「やはり先生の言ったとおりでした」と、私が提案した治療を受けに戻ってこられます。患者さんと歯科医師の思いが一致していないと良い治療になりません。納得した治療を受けていただくためには、まずは患者さんの希望を尊重することが大切だと考えています。
お忙しいと思いますが、どのようにリフレッシュされていますか。
趣味は硬式テニスとゴルフと車ですが、最近はもっぱらゴルフです。日々診療していると、患者さんの治療が頭から離れなくなるんですよ。それをリセットするために、可能な限り週に1回はゴルフに出かけています。運動不足解消の目的もありますが、ゴルフの魅力は、ゴルフ好きの友人たちとフェアウエーを歩きながらいろいろな話ができること、それで無心になれるところです。
最後に、今後の展望と読者へメッセージをお願いします。

歯科麻酔の専門家は全身疾患の知識を有しており、患者さんの全身状態や体調などを考慮しながら適切な治療法をご提案しています。高血圧症や糖尿病、心臓病など全身の病気がある、心身に重度の障害があるなど、通常の歯科治療が難しい方にもぜひご相談いただきたいと思います。今後は、治療精度の維持・向上のため、歯の詰め物やかぶせ物の製作をすべてデジタルで行うCAD/CAMシステムの導入など、院内のデジタル化を進めていければと考えています。また、治療後のメンテナンスには今まで以上に力を入れていきたいですね。口腔内の異常を早期発見し、簡単な治療で済むように定期的に検診に来ていただきたいです。日々のブラッシングと定期的なメンテナンスで虫歯や歯周病を予防し、問題が起こった時は早めに対処することが、本当に大切だと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは静脈麻酔を使用した治療/5万600円~(治療内容により異なる)
審美面に配慮した義歯/1本 10万3950円~
オールセラミックスの詰め物/5万7750円~
オールセラミックスの被せ物/13万8600円~
インプラント本体/23万1000円~
インプラント上部/17万3250円~
エアーフロー/7700円
ホームホワイトニング(片顎)/3万4650円~
ホームホワイトニング(上下)5万7750円~