部分入れ歯からインプラントまで
⻑期持続性を重視した補綴治療
小西歯科医院
(高松市/大町駅)
最終更新日:2024/07/01


- 自由診療
さまざまな原因により欠損した⻭には、その度合いに応じたいくつかの選択肢がある。欠損部を部分的に補うインレー(詰め物)、⻭冠部を覆い修復するクラウン(かぶせ物)、失われた天然⻭の代わりに人工⻭を固定する入れ歯、ブリッジ、インプラントなど。これらはすべて、「補綴(ほてつ)治療」に分類される。それぞれにメリットとデメリットがあるが、「小西歯科医院」の小西弘晃先生は「歯が失われた根本原因を取り除いておかなければ、どの補綴物を入れたとしても、長持ちしません」と釘を刺す。同院ではまず、原因の解決を図った上で各種治療を提供。それが入れ歯であってもインプラントであっても、長期的な持続性を重視する姿勢は変わらない。今回の記事では、歯が失われるメカニズムから同院こだわりの補綴治療まで、詳しく話を聞いた。
(取材日2024年6月17日)
目次
補綴治療のポイントは、しっかり噛めること、食べられること、そしてできるだけ長く維持できること
- Q歯は、主にどのような理由で失われるのでしょうか?
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A
▲噛み合わせの状態を整えることがまず重要
80歳で20本以上歯が残っている人を調べると、前歯で噛めない人や反対咬合の人はまずいらっしゃいません。言い換えれば、噛み合わせが悪い人ほど早く歯を失う可能性が高いのです。日本人が歯を失う三大要因は歯周病、虫歯、そして破折です。噛み合わせの状態が悪いと、歯周ポケットが緩んで歯周病が進行しやすくなったり、上下でぶつかる歯にひびが入って歯が折れやすくなったり、ひびの溝まで歯磨きが行き届かず虫歯になりやすくなったりして、歯を失うことになります。失われた歯を補う選択肢には入れ歯、ブリッジ、インプラントなどがありますが、まずは歯列矯正などで噛み合わせを整えておかないと、良い状態を長く維持できないでしょう。
- Q⻭を修復する素材で、長持ちしやすいものはありますか?
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A
▲長持ちしやすく、歯との親和性にも優れたセラミック製のかぶせ物
銀歯やレジン(プラスチック)よりも、セラミックやジルコニアのほうが虫歯になりにくく、長持ちしやすいといわれています。現在の主流は、硬くすり減りにくいジルコニアです。ただし、ジルコニアのかぶせ物はその硬さによって、対向する歯を傷つけて壊してしまう可能性がありますので、当院ではセラミックをご提案することが多いです。歯との親和性を見ても、セラミックのほうが優れていると感じますね。もちろん、症例によってはセラミックとジルコニアを組み合わせて使用することも可能です。いずれも保険適用の材料と比べれば高額になりますが、将来の歯の健康、再治療にかかる手間やコストを思えば、決して高くはないのではないでしょうか。
- Qこちらの歯科医院における、特徴的な補綴治療はありますか?
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A
▲見比べてみると、止め金具の位置の違いは明らか
県内の歯科技工所と連携し、「キャストパーシャルデンチャー」と呼ばれる特殊な部分入れ歯を提供しています。茶筒のように上下の着脱がスムーズであること、着脱時に周囲の歯に影響を与えないこと、3方向からの高い安定力で周囲の歯の動揺も抑えること、止め金具が唇に隠れる位置にあることなど、その魅力は数えきれません。金属床が1mm以下と薄く床面積も少ないため、飲食物の味や温度を感じやすいことも特長です。この入れ歯の作製技術を持つ歯科技工士は数が少なく、完成した入れ歯をお口にフィットさせる歯科医師にも技術が求められます。インプラント治療の対象外となる人や手術に抵抗がある人、コストを抑えたい人には特にお勧めです。
- Q気に入った入れ⻭をコピーすることもできるそうですね。
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A
▲画面奥の機械でデータを取り、右手前の3Dプリンターで印刷する
当院では、先進のデジタル機器である口腔内スキャナーと3Dプリンターを導入しています。患者さんが「今の入れ歯とまったく同じ入れ歯を作りたい」とおっしゃった場合には、口腔内スキャナーによって短期効率的に歯型の印象を採得し、そのデータを3Dプリンターに読み込ませることで、現在の入れ歯の複製体を作製することができます。石こう模型を作り直すところからのスタートだった従来のやり方に比べれば、作業効率は大幅に上昇し、かつ高い精度も期待できるのです。この「コピーデンチャー」では、患者さんの身体的負担を軽減しながら、治療にかかるコストも最小限に抑えられます。
- Qインプラント治療のこだわりも教えてください。
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A
▲長期的な使用を見据えたインプラント治療を実施
人工歯根を埋め入れるインプラント治療においては、「サージカルガイド」と呼ばれるマウスピース型の装置をお一人お一人に作製します。これは治療の精度や安全性の向上を目的として、インプラントが入る骨の位置を正しく指し示すものです。当院ではインプラント埋入までの全工程で、このガイド装置を使用するフルガイドスタイルを採用しています。設計図どおりの位置にインプラントが入れば、長期的な使用にもつながっていくでしょう。「インプラントは一生使えて、虫歯や歯周病になる心配もない」と考える人が多いのですが、実際は天然歯と同様のメンテナンスが必要です。治療後も定期的に受診して、プロのケアを受けていただきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはジルコニアのかぶせ物/6万6000円、セラミックのかぶせ物/6万円〜、ジルコニアとセラミックを組み合わせたかぶせ物/9万9000円〜、キャストパーシャルデンチャー/約40万円、コピーデンチャー/3万円、インプラント治療/42万3500円〜
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。