小西 弘晃 先生の独自取材記事
小西歯科医院
(高松市/大町駅)
最終更新日:2025/12/10
琴電志度線・大町駅から徒歩1分の場所に位置する「小西歯科医院」は、50年以上続く地域に根差した歯科医院だ。同院を継ぐため、2010年に帰郷した小西弘晃(こにし・ひろあき)先生が治療担当医を務めている。口腔外科と矯正歯科を専門とする小西先生は、大学病院で14年間研鑽を積み、さまざまな臨床現場を経験。同院でも、その豊富な経験と知識をふんだんに取り入れた治療を展開している。歯を残すための精密な治療を基盤に、歯を残せなかった場合にも、各種補綴(ほてつ)治療で対応。マウスピース型装置を用いた矯正の実績は、全国レベルに達している。患者の健康を願い、脇目も振らず精進を重ねる小西先生に、これまでの経歴や診療スタイル、めざす目標などをたっぷりと語ってもらった。
(取材日2022年6月22日/情報更新日2025年12月8日)
大学病院で磨いたスキルを地域医療に
これまでのご経歴をお聞かせください。

私は神奈川歯科大学を卒業し、同大学の矯正学の研究生として5年、経験を積みました。その後は金沢医科大学から「矯正歯科医を探している」とお声がかかったことで、金沢医科大学病院に勤務するようになりました。この病院が特に力を入れていたのは、唇顎口蓋裂の治療です。唇顎口蓋裂の子どもたちは、口が3つに割れた状態で生まれてくるため、大人になるまでに何度も手術を受けなければなりません。必然的に歯並びも悪くなりますので、生まれた瞬間から、矯正的なアプローチが必要とされるのです。私は矯正専門の歯科医師として、整形外科の医師や口腔外科の歯科医師とともに、唇顎口蓋裂の治療にあたっていました。金沢医科大学病院は医学部の付属病院でしたから、医科と連携する機会は多かったです。
そして再び、神奈川歯科大学附属病院に勤務されたのですね。
そうですね。金沢での経験もあり、神奈川歯科大学へ戻った際には、顎顔面外科学講座の助教に就任。以降は、口腔外科が専門分野となりました。この頃には当直はもちろん、入院患者さんの全身管理下での治療も経験していますし、町の歯科医院では扱わないような症例を多く診てきたと思います。よく、「歯科医師は人の死に際に立ち会わない」と思われがちですが、口腔外科では、そういった場面もありました。大学病院にはトータルで14年間、勤務していましたので、開業医としてのスタートは遅かったかもしれません。父が50年以上前に開業した歯科医院を継ぐため、地元である高松市へ帰ってきたのは2010年のことです。大学病院で培ったさまざまな治療スキルは、地域の歯科医療にも生かされていると感じます。
帰郷後は、院内のリニューアルも実施されています。

私が戻ってきたタイミングで、大々的なリフォームを行いました。患者さんの心が安らぐ空間になればと、病院を連想するような白い色はあまり使わず、なるべく多く木と、緑という自然の色を取り入れています。リフォームは1回にとどまらず、その後も待合室を拡張したり、カウンセリングルームを新設したりと、手を加え続けています。皆さんにとって、歯科医院が「ちょっと嫌な場所」であることはどうしようもない事実ですから、環境を整えることで、少しでも快適にお過ごしいただければ幸いです。駐車場についても、線路を越えた場所に5台分のスペースを増やしましたので、より通いやすくなったのではないでしょうか。
歯を残すための治療を幅広く展開
先生が歯科医師を志したきっかけは何だったのでしょう。

特別なきっかけや志があったわけではなく、自然な流れだったと思います。自宅が歯科医院ということで、歯科医師として働く父の姿を子どもの頃から見ていましたので。ただ、歯科医師に対しては「怖い」というイメージがありました(笑)。幼少期は父以外から歯の治療を受けることがなく、固定観念もあったのでしょうね。「怖くない歯科医院にする」という、私の願いを形にしたのが現在の当院です。
先生の診療スタイルについてお聞かせください。
矯正歯科と口腔外科、それぞれのスキルと知識と経験を最大限に生かしながら、歯を残すための治療を幅広く展開しています。歯を残すためには、治療の精度を高める必要がありますが、そのためには「目で見て治療する」ことを可能にする道具が必要です。歯科治療では、暗くて狭いお口の中の、さらに暗く狭い場所へと手を伸ばしますので、肉眼レベルでは、細かなひびや汚れや病変の確認が困難でしょう。視野を明るく大きくする顕微鏡、歯科用マイクロスコープは精密な治療に不可欠なもの。使用することが当たり前のものだと考えて、私は歯石の取り残しを見る際にも、歯を削って形を整える際にも、歯磨き指導をする際にもマイクロスコープを活用しています。
歯を残せなかった場合は、どのような治療を行うのですか?

持続性を重視した、精密な補綴治療に取り組みます。入れ歯やブリッジ、インプラント治療などがそうですね。入れ歯に関しては、茶筒のように上下の着脱がスムーズで、着脱時に周囲の歯に影響を与えない「キャストパーシャルデンチャー」や、口腔内スキャナーと3Dプリンターを用いて、入れ歯の複製体を作る「コピーデンチャー」のような治療プランも用意しています。インプラント治療は、長期的な使用を見据えたフルガイドスタイルです。歯茎を切開せず、小さな穴を開けてインプラントを埋入する方法や、抜歯直後に埋入する方法などにも対応しています。また、これは口腔外科領域の手法となりますが、歯の移植という提案も可能です。患者さんがもともとお持ちの親知らずを使用すれば、周辺組織との親和性も高いといわれています。
患者がより良い生活を送れるように
豊富な治療プランを用意されているのですね。

手段は豊富にありますが、歯を失った原因を取り除かなければ、どんな補綴物も長持ちしません。私は歯が失われた原因として、歯並びや噛み合わせの問題が想定される場合には、全国的に見ても豊富な実績を持つ歯列矯正をご提案します。従来の矯正治療はワイヤー矯正が主流で、私も数多くのワイヤー矯正を手がけてきました。しかし、この方法には「針金で口内が傷つく」などのリスクも存在します。私は患者さんに与え得る、さまざまなリスクを考慮した上でマウスピース型の装置を用いた矯正を提案しており、メーカー主催の勉強会では専任講師も務めています。ご相談のウェブ予約は24時間、受けつけていますので、お気軽にご予約ください。
さまざまな治療に対応する、その真の目標とは?
当院へ通われる方々が、「おいしく食事を食べ、しっかりと栄養を取り、より良い生活を送れるようにすること」です。皆さんにより良く生きていただくため、今では食事指導も実施するようになりました。当院には2人の管理栄養士が在籍しており、専門的知識に基づいた栄養指導を行っています。お口の環境に合わせた食事の内容や、基礎疾患があってもおいしく食事を食べる方法、お子さんの偏食についてでも構いません。気になることは何でもご相談ください。「食べることは生きること」ですから、食事を楽しむ方法を一緒に学びましょう。
最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

大学病院時代にご縁をいただき、歯科先進国であるスウェーデンの歯科治療を目にする機会がありました。それ以来、私は「ワールドスタンダード」という概念を大切にしています。日本という国だけの感覚にとらわれず、常に国際的な視野、視点を持って歯科診療にあたるということです。クリニックの環境や、スタッフの接遇などに関しても同じことがいえます。めざす目標は、ただ一つ。当院は歯科医師、歯科衛生士、管理栄養士、歯科助手、受付が全員で協力し合いながら、皆さんのお口の健康と全身の健康維持・向上を果たせるよう、今日も切磋琢磨しています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/40万7000円〜(埋入から上部構造製作セットまで)、キャストパーシャルデンチャー/38万5000円〜、コピーデンチャー/3万3000円〜、マウスピース型装置を用いた矯正/55万円〜(装置の使用枚数により変動 ※歯並びの状態に対応した枚数を歯科医師が設定します)
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

