松田 真也 院長の独自取材記事
マツダ顕微鏡歯科クリニック
(新居浜市/新居浜駅)
最終更新日:2023/11/27

開業から40年以上、地域の人々の口の健康を守ってきた新居浜市菊本町の「松田歯科診療所」が、2023年5月1日より「マツダ顕微鏡歯科クリニック」と改名。松田真也先生が院長に就任し、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を用いた精度の高い歯科治療に努めている。一般歯科に対応し、虫歯や歯周病の治療、入れ歯など患者のニーズに幅広く対応しているが、中でも歯髄保存や根管治療、精密な補綴治療を得意としている。「抜かなくてもいい歯を残せるよう、患者さんの希望に沿えるように、治療の精度を高めていきたい」と力を込める。そんな松田院長に、マイクロスコープを用いた治療の有用性や今後のビジョンについてたっぷりと聞いた。
(取材日2023年6月22日)
マイクロスコープを用いた精度の高い根管治療に努める
継承までの経緯について教えてください。

当院は、「松田歯科診療所」として父が1979年頃にこの地で開業しました。祖父も歯科医師で、新居浜市多喜浜で開業していたようですから、私で3代目になります。私は岐阜の朝日大学歯学部を卒業後、愛媛大学歯科口腔外科で研鑽を積みました。その後、今治市の林歯科医院で経験を積んだ後に当院へ帰ってきました。以降は父と二診制で診療を続けてきたのですが、父が体調を崩したこともあり、2023年5月より私が院長を引き継ぐことになりました。
継承を機に、院名を「マツダ顕微鏡歯科クリニック」にされたのはなぜでしょうか?
私が専門とする治療が、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を用いた根管治療だからです。私は、先進的な歯科関連技術を学ぶために清水藤太先生のもとで根管治療を専門的に学びました。根管治療において、マイクロスコープを活用することは常識という清水先生の教えを守り、私もマイクロスコープを訪問診療以外のすべての診療に用いています。
先生が根管治療に注力しようと思われたきっかけは?

実は、清水藤太先生が愛媛県新居浜市のご出身なんです。しかも、清水先生のお父さまが、当院の場所で以前歯科医院をされていて。そこを私の父が購入し、開業したという親子2代にわたるご縁があったんです。「清水先生から、学んでみたら」という父の勧めもあり、根管治療を勉強しました。実際に専門的な根管治療に取り組んでみると、面白くて、どんどんのめり込んでいきました。とにかく、新しい知識や技術を得ることが楽しかったですね。治療によって、患者さんの状態が徐々に良くなっていったら喜びを感じますし、本当に患者さんにとって価値のある治療を提供することの大切さを学びました。
患者さんの年齢層や主訴はどのようなものが多いでしょうか?
父から引き継いだこともあり、やや中高年から高齢の地域の方が多いですね。ただ、ホームページなどを見ていただき、根っこの治療でお困りの若い方が遠方から来られることもあります。もともと当院は一般歯科に対応する歯科医院ですから、主訴も幅広いですね。虫歯や歯周病、歯が抜けたというご相談や入れ歯のご要望などさまざまです。地域の歯科医院として、歯周病治療などを継続しながら、良い状態を保っていけるようにと心がけています。
先進的な歯科治療を地域の患者に届けたい
マイクロスコープはどのような治療の際に用いているのでしょうか。

私にとって、マイクロスコープを使った診療は当たり前のこと。根管治療はもちろん、初診の口腔内検査もマイクロスコープで診ますし、虫歯や歯周病の治療にもマイクロスコープを活用します。肉眼やルーペでは見えにくい初期の虫歯の発見にも有用ですし、お口のクリーニングにおいて歯石の取り残しを防ぐためにも有用です。現在は精密な歯石除去も私が行っていますが、ゆくゆくは歯科衛生士にも技術を習得してもらい、マイクロスコープを用いたメンテナンスを歯周病治療に取り入れていきたいと考えています。
マイクロスコープを診療に用いることで患者さんにどういったメリットがありますか?
マイクロスコープを使用することのメリットとしては、再治療の可能性が低くなることが期待できるというのがまず一つ挙げられます。精度の高い治療によって虫歯の取り残しなども防ぐことが望めますので、一度治療をした歯が再度虫歯になってしまう二次カリエスも防ぐことが期待できます。もう一つは、説明のしやすさですね。マイクロスコープでは画像と映像が記録できるので、患者さんにご自身の歯の状態をしっかりと見ていただくことができます。現在の状態を可視化することで、歯科医師としても、より説得力のあるご説明ができますし、患者さんもご納得の上で治療に進むことができると思います。これがマイクロスコープを使用するメリットであると感じています。
マイクロスコープを使った治療を行う歯科医院はまだ珍しいのではないでしょうか。

そうですね。愛媛県の保険診療を中心に提供する歯科医院での普及率は低いと思います。ですが、医療者として良い結果を求めるのは当然のこと。そのためにマイクロスコープは欠かせない機器だと考えています。患者さんにも、歯科治療にマイクロスコープを活用するのは常識として捉えていただきたいなと思います。マイクロスコープを用いた根管治療は自費診療だけでは?と思われるかもしれませんが、保険診療においてもマイクロスコープの適用はあります。先進的な治療を自費診療でしかできないということは、あってはならないという清水先生のモットーに共鳴し、私もできる限り保険診療の範囲で皆さんにいい治療をご提供できるよう努めています。
患者から、歯科医師からも頼られる存在をめざす
他院で「抜くしかない」と言われた場合でも相談できますか?

ほかの歯科医院さんで診てもらって「抜くしかない」と言われたけど、納得がいかずに来られる方は何人かいらっしゃいます。そういった患者さんは抜歯をしてインプラント治療を勧められたが、納得がいかないということで当院に来られるのです。そういった方の中には、もしかしたら誤診の可能性もあり、抜かなければならないのは隣の歯だったということもあり得ます。そのため、抜かなくてもいい健康な歯を残し、無駄な治療を回避できるよう、丁寧に診させていただきますので、お気軽にご相談ください。
診療の際に心がけていることはどのようなことでしょうか?
自分の家族にしても恥ずかしくない治療です。患者さんが納得できる、できる限り良い治療をご提供したいと考えています。適切な治療をするというのはもちろん大前提ですが、人間ですから、どうしても間違いが生じてしまうこともあります。先ほど申し上げたように、他院での診断内容が納得いかない患者さんもいるでしょう。その点は、私も自戒を込めてなのですが、やはり誤診の可能性を少しでも減らし、可能性の高いものを追求することは歯科医師としての責任。知識においても、知っているか知らないかで患者さんにご提供できる治療は大きく変わってきます。ですから、常に良い治療、精度の高い治療を求め研鑽を積んでいきたいと考えています。
読者の皆さんにメッセージをお願いいたします。

お口の中のことで、困ったらお気軽に来ていただきたいですね。特に根管治療に関していうと、患者さんだけでなく歯科医師でも困っている方はいらっしゃると思うんです。なかなか治療の結果が出ないとか、保険診療の範囲では限界もありますからね。ですので、患者さんにも歯科医師にも頼っていただける歯科医師をめざしていきたいと思います。根管治療においては、それこそ総合病院の先生からの患者さんの紹介にも応じています。この間も「病院では外科的な治療をするしかないので、根管治療で対応できないか」というご相談を受けました。当院では矯正やインプラント治療は今のところ対応していないので、それぞれ専門の先生に紹介しているのですが、根管治療に関しても、専門の歯科医師に依頼する時代が来るのではないかと思っています。根管治療の難症例に関しては、今後もできる限り対応できるように専門性を高めていきたいと考えています。
自由診療費用の目安
自由診療とは根管治療/5万5000円~