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こちらの記事の監修医師
副院長/心臓血管外科科長/教授 進藤 俊哉 先生

かんせんせいしんないまくえん感染性心内膜炎

概要

血液を経由して心臓の中に入り込んだ細菌が、心臓の弁や心内膜の小さな傷などに付着し、病巣をつくることによって炎症を起こしたり、弁を壊してしまったりする感染症である。また病巣の塊が全身に流れ、各臓器に流れている血管に詰まると、塞栓症(そくせんしょう)という病態になり、特に脳の血管に詰まると脳梗塞、腸の血管だと腸管虚血(ちょうかんきょけつ)などの深刻な病気を引き起こす。先天的に心臓に異常がある人や人工弁が入っている人などは、弁や心内膜に傷がつきやすく、感染性心内膜炎にかかるリスクが高くなる。また、透析治療中の人、免疫を抑える薬を内服している人なども注意が必要である。

原因

心臓の中にある弁や心臓の壁などに細菌が付着し、感染を起こすことが原因である。先天的に心臓に異常がある人や人工弁が入っている人がかかりやすく、また歯科衛生状態のよくない人、長年の透析患者、HIV感染者、糖尿病患者など、免疫状態の悪い場合にも注意が必要だとされている。感染性心内膜炎にかかった人の7~25%は人工弁置換術の患者で、10万人の人工弁患者のうち1年間に1人が感染性心内膜炎にかかるといわれている。

症状

細菌による感染や塞栓の症状と、心臓の弁が破壊されることによる心不全の症状が主なものである。突然の高熱、長期間持続する発熱、全身倦怠感、食欲低下、体重減少のほか、息切れや呼吸のしづらさ、冷や汗といった症状が現れる。また爪の下の線状出血や唇の内側の出血、手のひらや足の裏の黒い斑点(皮下組織の出血)がみられることもある。細菌が心臓から全身に流れていくことで起こる塞栓、感染も約半数にあるといわれ、頭に流れた場合には脳梗塞や感染性脳動脈瘤を起こす。また脾臓、腎臓、腸管などに流れると臓器の障害、感染を引き起こす。熱がなかなか下がらない、脳梗塞になり数日間熱が続いている、腎臓が悪くなり微熱がある、皮膚や爪に斑点ができていて熱もある、という症状の人を調べてみたら感染性心内膜炎であったという場合もある。

検査・診断

主な検査として、血液検査、心臓超音波検査、胸部エックス線検査、心電図検査などが挙げられる。血液培養で起炎菌を同定し、炎症の程度を見極め、画像診断で細菌の塊がみられるか確認する。また心臓の状態、特に弁に障害が起きていないかなどを調べる。このほかに、口から入れる超音波検査機器を使って、食道から心臓の状態を調べる経食道心臓超音波検査を行うこともある。血液を採取し、培養することで病原体が特定されるとともに、感染が確認され、超音波検査で弁に細菌の塊がみられた場合に感染性心内膜炎と診断される。

治療

感染性心内膜炎の治療では抗菌薬を長期にわたり服用し、菌の活動を抑えることが基本である。細菌の塊が弁を傷つけている場合、あるいはもともと弁に異常がある場合や、心臓の異常がさらに悪化した場合には心不全が起こる。そのため、酸素投与、抗生剤、利尿剤、強心剤などの内科的な治療で感染を止め、心臓の状態を改善することが原則である。それでも熱が下がらない、心不全がよくならない場合は手術が必要になる。また、症状は安定しているものの心臓の中の細菌の塊が大きく、全身に流れ、さらに全身状態が悪化する危険性がある場合も手術が必要である。心臓の中の細菌の塊を除去して洗い流し、細菌によって傷ついた心臓の弁を修復するか、人工弁に取り替える手術を行う。手術後は抗菌薬を長期に投与して再発防止に努める。

予防/治療後の注意

もともと心臓病を抱える人や、過去に人工弁の手術を受けた人などは、感染が心内膜炎へとつながるリスクが高い。そのため、外科的な治療や歯科的治療を受ける際には抗菌薬の予防投与が必須である。 心内膜炎に対し手術を行った場合、術後約6週間、抗菌薬での治療を行い、感染の再発を防ぐ。細菌の種類や患者の状態によっては、なかなか細菌が死滅しない場合がある。熱が下がり、血液検査で感染状態が正常化したことが確認できるまでは、抗菌薬での治療を継続することが必要である。

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こちらの記事の監修医師

東京医科大学八王子医療センター

副院長/心臓血管外科科長/教授 進藤 俊哉 先生

1980年東京大学医学部卒業後、同大学第二外科学教室に入局。2年間の米国留学を経て、山梨医科大学(現・山梨大学医学部)や一般病院に勤務。2009年より現職。日本外科学会外科専門医、日本心臓血管外科学会心臓血管外科専門医。