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こちらの記事の監修医師
あいちせぼね病院
院長 伊藤 全哉 先生

けいついしょうせいしんけいこんしょう 頸椎症性神経根症

概要

頸椎症性神経根症とは、首から手先までつながっている神経根が圧迫されることで腕や手先に痛みやしびれなどの症状が表れる病気のことをいいます。頸椎には7個の骨があり、これらの骨が積み重なった構造になっています。骨の内側には脊柱管という脊髄(頚髄)が通るトンネルがあり、その頚髄から枝分かれした神経根が圧迫されることで痛みやしびれが生じます。また、頚髄自体が圧迫されている場合には「頸椎症性脊髄症(頚髄症)」、枝分かれした神経根が圧迫されている場合には「頸椎症性神経根症」と診断されます。いずれも「頸椎ヘルニア」と同様に、首の疾患として知られています。

原因

主な原因としては、加齢に伴う頸椎の変形で、普段の姿勢の悪さなどの生活習慣も病気の発症の要因となることがあります。例えばスマートフォンを使用する際に不適切な姿勢を続けることで首への過度の負担をかける、パソコン画面を使用する際に首を反らせて長時間使用する、などが挙げられます。

症状

頸椎症性神経根症は、手先の痛みやしびれ、首の動かしにくさが症状として出現します。また、症状が強い場合には痛みやしびれだけではなく、末梢部位の感覚まひなどを引き起こすこともあります。症状が強くなる態勢としては、首を上に向ける動作が挙げられます。これは頸椎を後ろに反らすことで神経の圧迫が強くなるためです。症状を訴える人の中には上肢が自由に動かせなくなったりして、手に力をいれることが難しいという症状が表れる人もいます。その場合には、神経根の圧迫によりまひしてしまった筋肉が萎縮してしまうため、迅速な治療が必要です。

検査・診断

医師による問診やMRIやCT、エックス線などの画像診断検査を用いて、頸椎の神経や骨の状態を確認した上で総合的に診断します。MRIには神経や筋肉などの組織を鮮明に写すことができるという特徴がありますが、症例によっては神経根による圧迫がわかりづらい場合もあるため、さまざまな撮影機器を用いて診断につなげていきます。これらの画像検査に加え、手で抵抗を加えながら患者に力を入れてもらうことで筋力を調べる「徒手筋力検査」などを実施し、別の神経系疾患と見分けていきます。

治療

頸椎症性神経根症の治療法には保存療法と手術療法があり、基本的には保存療法が選択されます。痛みやしびれの症状が強い重症者には手術療法が検討されますが、手術のリスクや手術後の社会復帰を鑑みた慎重な判断が必要です。保存療法には、カラーの装着、痛みやしびれを抑える内服治療や、リハビリテーション、神経ブロック注射などがあります。保存療法による治療を行っても改善が見られない場合や、症状の再発を繰り返す場合、日常生活に支障を来している場合などには、手術療法が選択されます。手術療法には、神経の通り道を広げる「椎弓形成術」や、神経根の圧迫を取り除き固定する「前方除圧固定術」などがあります。

予防/治療後の注意

予防法としては、日常生活の中で頸椎に過度な負担をかけないこと、正しい姿勢を心がけることなどが挙げられます。特に、首を大きく反らした状態で長時間過ごす、などの動作は頸椎に大きな負担となるため避けましょう。頸椎頸椎症性神経根症は基本的に保存療法で治療していく病気です。痛みやしびれの症状が治まったからといって以前と同じような行動をしてしまうと、再び痛みやしびれが出現し増強する可能性もあります。油断せず、根気よく治療を続けていきましょう。

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こちらの記事の監修医師

あいちせぼね病院

院長 伊藤 全哉 先生

1998年に名古屋大学医学部卒業後、国内の総合病院や大学病院にて研鑽を積む。2009 年には米国Emory Spine Centerへ臨床特別研究員として1年間留学。帰国後は名古屋 大学医学部附属病院で整形外科助教や、あいち腰痛オペクリニックにて副院長を務め る。2017年4月より現職。医学博士であり、脊椎・脊髄のエキスパート。日本整形外 科学会整形外科専門医。