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こちらの記事の監修医師
小川 令 先生

がんめんこつこっせつ顔面骨骨折

概要

顔の骨は前頭骨、眼窩(眼球が納まっている部分)、鼻骨、頬骨、上顎骨(上あごの骨)、下顎骨(下あごの骨)などいくつかの部分が組み合わさってできている。顔面骨骨折は転んだり、強くぶつけたりすることで、これらにひびが入ったり、破壊されたりすることで起こる。特に転んだりすることで骨折しやすい骨は鼻骨と頬骨である。鼻骨や頬骨骨折の場合は見た目の問題が主となるが、眼窩底骨折が起こると物が二重に見えたり、顎の骨が折れると歯のかみ合わせがずれたりする。治療については顔というデリケートな場所であるため、機能回復だけではなく、元の状態をめざして修復する整容面にも配慮した治療が形成外科で行われる。

原因

顔面骨骨折は顔に強い衝撃が加わることが原因で、例えば転倒、交通事故やスポーツ中の事故、暴力などが挙げられる。鼻骨を骨折すると、外観上鼻が曲がって見える。頬骨は転倒や交通事故、暴力を受けたなどの理由で打撲し、骨折する患者が多い。多くは見た目の問題であるが、上唇や頬の感覚が鈍くなることもある。眼窩底骨折(ブローアウト骨折)は目の付近に野球やソフトボールのボール、肘や膝などが当たって、目を囲っている下の骨が折れるケースが多く、ボールを使うスポーツをしている時、自転車やバイクなどの乗り物に乗っている時、交通事故に遭った時など直接顔面に何かが当たるような状況で起こりやすい。上顎骨や下顎骨骨折は、顎や口周りに強い打撲が加わったときに生じる。

症状

顔面骨を骨折すると顔面が変形するなど見た目の変化が出るが、けがをした直後から骨折部分が腫れるため、腫れが引くまでの数日間は骨折による顔面の変形がわからない場合がある。骨折した場所によって、現れる症状はさまざまである。例えば額の骨である前頭骨骨折では額が陥没したり変形したりする。鼻骨を折った場合は鼻血が出たり、鼻がつぶれたり、くの字に変形したりするほか、骨折の程度が激しいと鼻詰まりが生じる。眼球を囲む眼窩を骨折した際には物が二重に見えたり、眼球が陥没したり、上唇や鼻が痺れたりする。頬骨骨折でも、頬骨の陥没、上唇や鼻の痺れなどが生じる。上顎骨や下顎骨を骨折すると顔が上下に伸びたりするほか、顔面が平たんになって顔の容貌が大きく変わる場合がある。また、歯のかみ合わせがずれることが少なくなく、手術を要する場合が多い。

検査・診断

顔面骨骨折の場合、患者への問診や周囲の人にけがをした時の状況を聞くことで、ある程度の診断が可能である。それに加えて、エックス線検査やCT検査によって診断を確実なものにする。眼球を囲う薄い骨である眼窩を骨折した可能性がある場合は、眼球の動きも確認して緊急手術が必要かどうか判断する。一般的に顔面骨骨折をした場合、緊急手術が行われることは少ない。まず先に命に関わる他のけがや病気がないかを確認し、救命治療を優先するが、中には顔面骨骨折によって眼球に外傷を負っていたり視神経が圧迫されて目が見えなくなっていたりすることもある。そのため、緊急で顔面骨骨折の手術を行う場合もある。

治療

顔面骨骨折の治療は、視神経を圧迫している場合などは緊急で治療を行う。それ以外は待機手術が可能であり、眼窩底骨折で二重に物が見える状態や、上顎骨・下顎骨を骨折し口が開けづらい、かみ合わせがずれたといった状態の場合に、そうした状態を改善する「機能の修復」と変形した顔面の容貌を修復する「整容的な修復」の2つの目的で行われる。顔面の骨は放置するとおよそ2週間ほどで骨がくっついてしまい、その状態のまま固まってしまう。そのため、待機手術は2週間以内に行う。手術の方法には皮膚を切らずに骨を元の位置、もしくは近い場所に戻す方法と、皮膚や口の中を切開して骨折部分を整え、金属プレートなどで固定する方法がある。骨折の場所や度合いによっては自然と吸収されてなくなるプレートで骨を固定する場合もある。吸収性プレートを使用した場合はプレートを抜去しなくて良いので、1回の手術で済む。

予防/治療後の注意

顔面骨骨折は顔面に外側から強い衝撃や力が加わることで引き起こされる。そのため、自転車やバイクなどに乗る時にはヘルメットを着用し、転倒に気をつける。野球やテニスなどのボールを使うスポーツ、ボクシングやラグビー、アメリカンフットボールなど激しい衝撃が加わるスポーツでは、ただけがに気をつけるだけではなく、マウスピースやヘルメットなど、顔や頭を保護する用具を正しく使用することが有効的である。また、体調が優れない状態でスポーツや運動をしないなど意識的に体の具合に気を配ることが大切である。なおスポーツ選手などで一度顔面骨骨折の治療をしている場合は、同じ部位に再度衝撃が加わった場合、弱い力でも再度骨折する可能性があるため注意を要する。

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こちらの記事の監修医師

日本医科大学付属病院

小川 令 先生

1999年日本医科大学卒業後、同大学形成外科に入局。米国ハーバード大学留学を経て、2015年から現職。日本医科大学大学院形成外科主任教授を兼任。専門は熱傷・瘢痕治療、マイクロサージャリーを用いたリンパ浮腫治療など。