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こちらの記事の監修医師
医療法人社団緑成会 横浜総合病院
皮膚科部長 鈴木 琢 先生

ふんりゅう粉瘤

概要

皮膚下に袋状構造物が生成され、その袋の中に本来は皮膚から剥がれ落ちるべきあかや皮脂がたまってしまうことでできた腫瘍の総称。粉瘤は一般的に「しぼうのかたまり」と呼ばれることもあるが、実際には脂肪の塊ではない。本当に脂肪細胞が増殖してできた塊は脂肪腫と呼ばれ、まったく異なるものである。体中のさまざまな箇所に生じる可能性があるが、背中・頬・耳たぶなどにできることが多いといわれている。半球状で中央付近に黒っぽい開口部が見られることもある。粉瘤の多くは表皮嚢腫と呼ばれるタイプだが、その他にも多発性毛包嚢腫・外毛根鞘性嚢腫などの種類が存在する。

原因

粉瘤が発生する原因は明確にならないことも多いが、毛の生え際が狭まったり詰まったりすることが原因の一つになるといわれている。また打撲や外傷などのケガによって皮膚の一部が中に入り込んでしまうことで起こったり、ウイルス感染によって発生したり、ニキビ痕に生じたりすることもある。粉瘤は良性腫瘍であり、悪性化することはほとんどないといわれているが、まれに癌化したという報告もある。粉瘤の癌化は中高年男性のおしりに生じたものに多い。

症状

粉瘤は良性の腫瘍だが、中央の開口部から細菌が侵入し、化膿して赤く腫れるケースもあり、これを炎症性粉瘤と呼ぶ。炎症性粉瘤になると患部が赤く腫れ上がり痛みを伴う。炎症の程度が軽ければ抗生物質を内服すれば治まることも多いが、化膿が進行すると皮膚下の袋状構造物が破壊され、膿がたまった状態になってしまう。表皮嚢腫の場合はほとんどが1~数個程度だが、多発することもある。多発性毛包嚢腫は背中・脇の下・胸・首などに20~30個生じることも。また中高年男性の陰嚢に小さな粉瘤が無数にできることがあり、これは多発性陰嚢粉瘤症と呼ばれる。外毛根鞘性嚢腫は頭部に生じることが多く、表皮嚢腫よりもやや硬いという特徴がある。

検査・診断

粉瘤はそれほど大きくならず無症状のこともあるが、放置すると徐々に大きくなったり、細菌に感染して急に大きさを増して赤く腫れて痛みを伴ったりすることもある。赤く腫れている粉瘤から無理に膿を出そうとすると、袋が破れて脂肪織内に散らばり、慢性化する危険性も。無理に自身で処理せずに、早めに医師に相談して適切な処置を受けることが望ましい。医療機関ではほとんどの粉瘤は視診によって診断することができるが、病変が深くに及んでいたり、粉瘤のサイズが大きかったりする場合は、画像の検査を行って周囲との関係を確認することがある。

治療

炎症を起こしている場合は、速やかに医療機関で治療を受けることが望ましい。軽い炎症であれば、抗生物質を内服することで炎症はおさまる。強い炎症を伴う場合は表面の皮膚を切開して膿みを外に出す。特に赤みや痛みを伴わない場合は外科的切除手術によって表面の皮膚ごと切り取るが、よほど大きなものでなければ局所麻酔による日帰り手術が可能だ。粉瘤はあくまでも良性腫瘍なので切除するか否かは本人の自由意志だが、非常に大きくなった場合は切除した方が良いケースもある。へそ抜き法という手術法もあり、局所麻酔をして表面の皮膚開口部に直径4mm程度の円筒状のメスを刺し込み、袋状構造物の一部を表面の皮膚と一緒にくり抜く。くり抜いた後は内容物をもみ出し、袋自体もできる限りかき出す。腫瘍の大きさや発生している部位などを総合的に判断して、適切な手術法を選択する。

予防/治療後の注意

残念ながら粉瘤はその原因が明確になっていないため、予防法は存在しないといわれている。粉瘤の手術実施後は出血の可能性があるため、手術当日から翌日の飲酒や運動を控えるなど、医師の指示に従って生活する。手術当日は入浴を控え、翌日以降はシャワー浴などを行う。へそ抜き法の手術は施術時間が短いというメリットがある反面、完全に傷がふさがるまで約数週間を要することも。手術後は抗生剤投薬や、袋状構造物を内部洗浄するための通院が必要になるケースもある。

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こちらの記事の監修医師

医療法人社団緑成会 横浜総合病院

皮膚科部長 鈴木 琢 先生

1998年東邦大学卒業。専門である帯状疱疹の診療を中心に、それに付随する帯状疱疹後神経痛による痛みのケアまでカバーしている。日本皮膚科学会皮膚科専門医。