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記事公開日:2024/02/26

最終更新日:

ブランクのある看護師の復職方法|おすすめの勉強方法や職場の選び方を解説

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結婚や育児といったライフステージの変化などさまざまな理由で現場を離れた後、「ブランクはあるが、復帰したい」と考える人も多くいると思います。
看護師への復職を考えたときに気になってくるのが、ブランク期間。ブランク後の現場復帰には勇気がいるものですし、なかなか一歩を踏み出せない人もいるでしょう。

この記事では、そんなブランクのある看護師の復職への準備から職場選びのポイント、また上手な再就職活動の進め方を解説します。復職を考えている看護師の人はぜひチェックしてみてください。

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1 看護師のブランクは何年までなら復職できる?

看護師は「●年以上のブランクがあると復職はできない」という決まりはありませんので、何年ブランクがあっても復職ができます。むしろ、復職に向けて国のサポートなどがあるため「しやすい」といえます。
看護師の資格を保有しているものの現在看護の現場で働いていない人、を「潜在看護職員」(保健師、助産師なども含まれる)といいます。少し前のデータなので、多少の変動はありますが、2012年の厚生労働省の調査によると64歳以下の潜在看護職員は、全国で約71万人いるといわれています。それに対して、同時点での看護師の就業者数は約154万人。実際の就業者数のおよそ半数もの人が潜在看護職員として存在していることになります。
そんな潜在看護職員の再就職を増やすために、近年では無料のセミナーや就職支援、実際の現場での体験会など看護師の復職をサポートする体制が整ってきています。 看護師はブランクが何年あると再就職できないといった決まりはありません。 看護師の資格は一生もののため、たとえブランクがあったとしても復職して活躍している人もたくさんいます。復職支援などを活用しながらしっかり準備をすれば、復職先を見つけることは難しくないでしょう。

2 ブランクのある看護師の復職!不安解消3選

ブランクがあっても看護師として復職ができるとはいえ、不安はありますし、勇気が必要なもの。多くの人が抱える復職時の不安の解消策を考えていきましょう。

・復職後の働き方を明確にしておく

在職時とは生活そのものが変わっている人も少なくないでしょう。年齢を重ねている人は、現役の頃より体力が落ちている、など心配事も多いでしょう。「以前と同じように働こう」と勢いで復職してしまうと、生活自体が破綻してしまったり、家族に負担をかけてしまったり、体調を崩してしまったりすることも考えられます。まずは、復職したときにどんな生活を送りたいか、どれくらい稼ぎたいか、時間帯はどうか……といった、現実的かつ希望の働き方を明確にしておきましょう。

・家族と話し合っておく

結婚や出産を機に看護師を退職した人にとって、復職の際に仕事と家庭との両立ができるかは気になるポイント。特に小さな子どもがいる人は、急な体調不良などに対応できるだろうかという不安があるようです。復職後の家事分担、子どもの送迎、家族が体調を崩したり仕事が残業になったりした場合はどう対応するかなど、家族と話し合っておくことが大切です。 もしものときに家族の協力を得ることができ、働きやすくなるでしょう。

・看護技術の勉強をしておく

在職時に比べると自身の技術や知識面の衰え、また新しい医療技術や処置方法の進化についていけないのではないか、といった不安な声をよく聞きます。現職時代の復習をしたり、新たな医療技術の情報を勉強したりしておくのもお勧めです。技術面での不安解消や、復職後の活躍にもつながります。

また認定看護師や専門看護師、ケアマネジャーといった看護に役立つ新たな資格の勉強を始めていると、面接でのアピールポイントにもなるでしょう。

3 ブランクのある看護師のための勉強法

復職への不安を軽減し、現場に戻った際に慌てないために、前もって勉強しておくことが大切です。事前にできる勉強法を見てみましょう。

・独自で復習や予習をする

今までに培った看護技術を復習したり、ニュースやインターネットで話題に上がっている新しい医療情報などをチェックしたりするのがお勧め。以前学んだ知識や技術を思い出し、新しい知識を取り入れることで、復職後の業務にも戻りやすくなるでしょう。
また通信講座などを使って集中的に勉強する方法もあります。復職するにあたって看護師としての基本をおさらいし、知識をアップデートしておきましょう。

・セミナーや講習会を受講する

セミナーや講習会を利用して医療について学ぶことも有益です。企業や団体が行っている有料のセミナーもありますが、国や自治体が看護師確保のために行っている無料のものもあります。ぜひお住まいのエリアの自治体ホームページをチェックしてみてください。

・ナースセンターを活用する

ナースセンターは国や都道府県知事の指定を受けた看護協会が運営する機関で、「職業紹介・支援」「復職支援研修」といった看護師の復職へのサポートを行っています。「復職支援研修」は看護医療に関する講義を受講したり、地域の病院や介護保険施設で、採血や注射、喀痰吸引、感染管理などの演習を行えたりします。自分自身の知識を再確認でき、今の技術を学ぶことができるので、活用しましょう。

4 ブランクのある看護師にお勧めの職場

ブランク期間を経ての再就職には、以前働いていた時とはライフスタイルが変わっていることも多いため、ワークライフバランスが取りやすかったり、技術的に不安があってもスタートしやすかったりする職場を選ぶといいかもしれません。
ブランクのある看護師の再就職先にお勧めの職場を紹介します。

・夜勤のないクリニックや地域診療所

クリニックや地域診療所のほとんどは夜勤がありません。忙しさは職場によりますが、比較的ワークライフバランスがとりやすいといえるでしょう。また、病院と比較すると小規模な職場が多いため、人間関係が築きやすいという声も。ただし、クリニックは土曜日の午前中も診療しているところがあるため、シフトなどは事前に確認しておくと良いでしょう。

・慢性期病棟

症状が安定している患者が多い慢性期病棟は、病状の急変や緊急のオンコールがなく想定外の業務が発生しにくいという特徴があります。患者に寄り添った看護をしながら知識や技術を取り戻していけるでしょう。ただし、慢性期病棟では24時間体制でしっかり患者を見守るスタッフが求められるため、シフトや夜勤回数などは確認しておきたいポイント。

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・健診センター

健康診断や人間ドックを行う健診センターは、決まった業務が多くルーティン化しているため、早く慣れることができ、復帰しやすいというメリットがあります。また、残業も少なく土日休みの職場が多いのも魅力の一つ。ワークライフバランスを重視する人にもお勧めです。

・介護施設

介護施設は利用者の健康管理がメイン業務であるため、専門性の高い業務が少ないのが特徴。バイタル測定などの介護寄りの業務が中心になるので、知識や技術への不安を感じている人でも、無理なく仕事になじめるでしょう。また、厚生労働省によると、全国の介護施設は1万3731施設(2021年10月時点)と数が多いので、通いやすい職場を選ぶことができるかもしれません。

・保育園

保育園は子どもの健康管理がメインであり、医療機関よりも医療行為が求められる機会が少ない職場です。土日休みの施設も多く、ワークライフバランスを重視した働き方がしたい人にお勧め。ただし、看護師の配置は施設に1人のみであることがほとんどなので、他の看護師のサポートが受けられない点は覚えておきたいところ。

また「ブランクOK」「託児所あり」などの求人を出しているところもあります。こういった職場はブランクが長期間、子育てをきっかけに離職していた、という人にとっては、再就職の際の負担も少なくなりますので、ぜひ検討してみてください。

託児所ありの看護師の求人を見る

 

5 ブランクのある看護師の志望動機のポイントと例文

志望動機は、採用担当者に働く意欲や仕事に対する熱意をアピールできる項目。ブランクのある看護師が復職するときのポイントを見ていきましょう。

・ブランクの理由を説明する

ただ単にブランクがあることを伝えるだけでなく、「子育てに専念していた」「介護のためのブランク」などブランクの理由を説明することが重要です。また、「別の業界で働いていた」「仕事から離れたかった」といったやむを得ない事情ではない場合も正直に伝え、その時、少しでもポジティブに伝わるように、表現に気をつけるようにしましょう。

・復職できる理由を伝える

事情があって職場は離れたものの、今は復職ができる環境であるという点を伝えることが重要です。例えば、ブランクの理由が子育てだった場合、「子どもが大きくなったので自由な時間が増えた」。介護の場合は、「介護していた義母が施設に入ることになったので、自分がケアをする必要性がなくなった」など、今は働ける環境であることをアピールしましょう。

【志望動機例文】

私は〇〇病院の〇〇科で看護師として〇年間勤務後、出産と育児を理由に離職いたしました。子どもが小学校へ就学し、生活や時間に余裕ができたため看護師への復職を希望していたところ、貴院の募集を拝見し志望させていただきました。
離職中も看護師として復職するための準備として、復職支援の講習や技術研修などを受講しております。入職後は一層努力に励み、患者さまに貢献できる看護師として働いてまいります。

6 ブランクのある看護師の履歴書・職務経歴書の書き方のポイント

履歴書や職務経歴書は自分自身を証明し、採用・不採用を大きく左右する大切な書類です。抜け漏れや偽りのないようにしっかりと作成しましょう。

・経歴やスキルは正確に

これまでの看護経験やスキルは重視されるポイント。職歴では、看護師として勤務した職場は必ず診療科などを詳しく記入しましょう。また、昔取得した資格であっても、看護に関連するものは忘れずに。

・ブランク期間は偽りなく

例えブランク期間が長くても、偽りなく正直に記載しましょう。結婚や育児、家族の介護などやむを得ない事情を面接でフォローすれば、ブランク期間がマイナスのイメージに受け取られることはないでしょう。

・希望条件は明確かつ優先度をつけて

復職する際に勤務形態の希望がある人は、希望の部署や勤務時間を本人希望欄に記載すると良いでしょう。ただし、希望が多すぎると条件重視の復職という印象を与えてしまいがちなので、なるべく優先度の高い項目のみを記載するようにしましょう。

7 ブランクのある看護師の面接対策

「ブランクがあると就職は不利なのでは……」と考える人もいるかもしれませんが、面接官の多くは、ブランク期間よりも人柄やスキル、ポテンシャルに注目していますので気にしすぎる必要はありません。しかし、職歴欄にブランク期間の記載があると、そのことについて聞かれる可能性が高いので、質問には丁寧に答えられるようにシミュレーションすることが大切です。
ブランク期間のある看護師が聞かれやすい質問をチェックしておきましょう。

●ブランクがある求職者へ向けた質問に備える

・ブランクの理由

退職理由や、現在就業していない理由はよく聞かれる質問の一つ。面接官は、「前回の退職と同じ理由で辞めてしまわないか」「すぐ退職しないだろうか」という不安があるため、見極めるべくブランクの理由を質問します。 出産、育児、介護、体調不良などやむを得ない事情がある場合は、その事情を簡潔に説明しましょう。
長期的な旅行や、家事に専念していた、いわゆる「充電期間」を取っていたなどの私的と捉えられがちな理由の場合でも、正直な理由とともに「ブランク期間はあるが、復職へ向けて講習会やセミナーを受講している」など、意欲を伝えましょう。 面接官に「計画性がない」「仕事への意欲がない」と思われないようにするためです。

・就職後の働き方

子育てや介護、休養などの理由から、面接官に「復職しても活躍できないのでは」「休むことが多いのでは」「すぐに辞めてしまうのでは」という不安を持たれることも。「お子さんが体調不良になったときに頼れる人はいますか?」「残業は可能ですか?」といった質問が予想されます。 事前に家族と相談したり、地域のサポートを調べたりし、慌てずに対策を説明できるようにしましょう。「子どもが体調不良になったら、毎回お休みを頂きます」「残業はできません」といった、自分本意と捉えられかねない回答はマイナスイメージ。「急な残業は難しいが、事前にわかっていれば調整します」といった工夫や、前向きに働く姿勢を伝えると良いでしょう。

●権利ばかりを主張しない

復職後、子育てや介護などと仕事を両立するケースは多いでしょう。だからといって、自分の権利ばかりを主張するとマイナスなイメージを与えてしまいます。 例えば、逆質問の際などに「子育てへの支援や、福利厚生はどんなものがありますか?」「介護のための急な休みは取れますか?」といった質問ばかりをする。志望動機で「子育てがしやすい環境だと求人票にあったためです」「体調を崩しがちなので、残業が少ないという言葉に惹かれました」といった「正直すぎる」回答は禁物です。

●言葉遣いや服装に気を付ける

長期間離職している場合、仕事としての言葉遣いが不安視されることがあります。 面接中にフランクな言葉遣いが出てしまったり、カジュアルすぎる服装で臨んでしまったりすると、ビジネスマナーを疑われてしまうかもしれません。 面接前に敬語などの言葉遣いや、面接にふさわしい服装などのマナーを確認しておくと安心です。

 

今回はブランク期間のある看護師の復帰をテーマにご紹介しました。看護師の資格は一生ものであり、何年ブランクがあっても復帰することが可能です。自身の今のライフスタイルに合った働きやすい職場を見つけ、今後も看護師として活躍できることを祈っています。

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こちらの記事の執筆者
矢野 佑子

ライター

福岡県出身。国内飲料メーカー、外資系ワインメーカーで営業職を経験。教育出版企業に転職後、医療や子育て情報誌の制作に携わり、ドクターをはじめ医療従事者を多く取材。出産を機に退職し、復帰後は個人ライターとして「ドクターズ・ファイル」のクリニック・病院のコンテンツ制作に関わる。

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