歯が無いとどうなる?
健康寿命に重要な正しい噛み合わせ
井上秀人歯科インプラントクリニック
(北九州市小倉北区/西小倉駅)
最終更新日:2026/01/29
- 自由診療
歯を失った際の治療法として、欠損歯の両隣の歯を支えに橋を架けるように歯を固定するブリッジ治療、金具を残存歯に引っ掛けて歯を補う入れ歯治療、独立した人工歯根を骨に埋め込むインプラント治療などの選択肢がある。一昔前まではブリッジや入れ歯が一般的だったが、多種多様な手法が確立した今、機能面においては「インプラントが第一選択肢です」と「井上秀人歯科インプラントクリニック」の井上秀人理事長は話してくれた。インプラント治療の専門家である井上理事長は、治療のプロセスの中でも特に、正しい咀嚼ができることを重視。健康を維持するために欠かせない機能の再現と健康寿命延伸をめざす。どのような咬合関係や咀嚼が全身の健康につながるのか、また歯を失った際の選択肢や残存歯を守るためにすべきことは何か、解説してもらった。
(取材日2025年12月22日)
目次
歯を失った際の治療において鍵となるのは、全身の健康に大きな影響を与える咀嚼機能の再現
- Q歯を失うことで、どのようなことが起きますか?
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A
▲マイクロスコープを備えた診療室
一本でも歯が抜けて放置した場合、見た目の問題だけでなく、機能面での問題も起こります。まず十分に噛めなくなることから噛み合わせの高さが変わります。例えば、奥歯がない場合だと、だんだん噛み合わせの位置がずれていき、その結果、噛みづらくなるだけでなく、食いしばりや口が開けづらくなるなど、顎の動きにも影響を及ぼします。そして、最終的には背骨が曲がるなど体のゆがみにつながるケースも。このように、口腔内の問題だけでは収まらず、全身にも悪影響を及ぼす危険性があることを多くの方に知っていただきたいですね。それだけ、食べ物を歯で噛み砕き飲み込みやすくする咀嚼という行為は健康を維持するために欠かせないのです。
- Q歯を失った際の影響は口腔内にとどまらないのですね。
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A
▲上顎の状態を3D出力して説明に用いることも
ええ、簡単に言うと、正しい咀嚼ができていないことによる弊害が全身に起こるということ。食べ物をしっかり噛み砕くことができなければ、消化が悪くなり胃にも負担がかかります。欠損歯を補うための治療法はいくつかありますが、歯がない期間が長くなれば咀嚼するための筋肉も衰え、人工歯を入れてもうまく咀嚼することができません。まずは正しく噛むトレーニングから始めます。咀嚼には舌と頬の動きも関係しますので、噛む力を取り戻すために口腔筋も鍛えていきます。逆に言うと、子どもの頃から正しい咀嚼ができている方は健康面での問題が少ない傾向にあります。これでいかに咀嚼が大事であるかは、おわかりいただけたのではないでしょうか。
- Qでは、歯を失った際、どういった治療の選択肢がありますか?
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A
▲画像、映像、模型等、さまざまな方向から口腔内の状態を伝える
従来は、欠損歯の両隣にある歯を支えとして人工歯を固定するブリッジ治療と入れ歯治療が主流でした。しかし、ブリッジは本来は削る必要のない健康な歯を削ってかぶせることから負担がかかる上、その削った両隣の歯にも咀嚼の際に負荷を与えてしまうことがデメリットでした。一方、入れ歯の場合ですと、部分入れ歯のケースでは残存歯に金具などを引っ掛けることから、金具を引っ掛けた健康な歯への負荷がかかり、徐々にグラグラしたり何らかのトラブルが生じ、最終的には歯を失い総入れ歯になる可能性が高まります。それらのデメリットを払拭できるのがインプラントであることから、私はインプラント治療を第一選択肢に挙げています。
- Q健康な歯を守る、つまり「適切な咬合関係の再現」が重要だと。
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A
▲噛み合わせがもたらす影響は全身に及ぶという
まさに。インプラント治療に関しても仮歯を入れた状態で奥歯の高さや顎のずれなどを確認。体のゆがみなどがある場合は、仮歯の段階で顎の位置を正していきます。食べ物を舌で上の歯と下の歯に持っていき、頬で押し返しながら行うのが正しい咀嚼。そのため、舌・頬・口唇といった口腔周辺の筋肉を上手に使うことが重要です。筋肉が使われれば顔面の血行も促進され、消化以外の機能にも影響をもたらすと思います。インプラント治療を行う際もそういったことを踏まえ、適切な咬合関係を再現するには、事前にどのような方法でどのような歯を入れれば良いか、入念に計画を立案します。入れるインプラントの本数によっても手法が異なります。
- Q残存歯を守るためにすべきことを教えてください。
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A
▲歯を失うことの恐ろしさ、そして歯を守る大切さを話す理事長
あくまでもインプラント治療は最終手段。まずは歯を温存することに努めています。歯を失う最大の要因は歯周病。そのため、歯周病に対する取り組みは必須です。歯周病の原因菌を取り除くことで、ずいぶんと口腔内の状況が変わります。その取り組みの一つが正しい歯磨き。虫歯があればそれに対する処置も重要です。そして食いしばりや歯ぎしりへの対策。皆さん、睡眠時に無意識で行う食いしばりが歯に対してご自身の体重の2倍もの負荷がかかっていることをご存じでしょうか? その負荷がかかり続けると、最終的には歯が割れて抜歯に至ります。顎にずれがあると食いしばりや歯ぎしりを起こしやすいので、顎のずれを正すことでも改善をめざします。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/38万5000円~ ※頬骨(ザイゴマ)インプラントを行う場合は+33万円 骨造成/11万円~ ※複数本のインプラント治療を行う場合は費用が異なるケースがあります。詳細は医療機関にお問い合わせください

