口腔機能の改善を重視した
非抜歯による矯正治療とは
沢井歯科医院
(北九州市八幡西区/萩原駅)
最終更新日:2022/10/26


- 自由診療
歯列矯正には、適した歯並びにするためスペースをつくる目的などで抜歯をして歯並びを矯正していく「抜歯矯正」と、抜歯をせずに行う「非抜歯矯正」がある。「抜歯をしないで機能性の改善をめざしていく矯正に取り組んでいます」と話すのは、「沢井歯科医院」の澤井是周(これちか)院長だ。抜歯の必要性は口腔内を精査した上で判断していく。本来あるべき歯の本数や位置が健康寿命にも影響する場合があると考え、非抜歯の可能性をあらゆる角度から見極めていくのだそう。そして、歯列矯正は見た目の美しさだけでなく、正しい噛み合わせや歯並びが咀嚼能力などの口腔機能の改善にもつなげられていくことを、多くの人に知ってほしいと力を込める澤井院長。そんな全身の健康をめざす歯列矯正について、詳しく解説してもらった。
(取材日2022年6月22日)
目次
機能性だけでなく見た目の美しさにもつながっていく「抜歯をしない矯正治療」で健康寿命の延伸を
- Q子どもだけでなく、大人の矯正にも注力されているそうですね。
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A
▲患者一人ひとりに合わせた治療計画を提案する
はい。大人の矯正は成長を利用しながら行う小児矯正とは違い、成長が完了した状態から始めることになります。とはいえ、どちらにも言えることは、機能性の改善をめざす治療であるということ。矯正治療は審美面の改善をイメージされがちですが、しっかりと噛めるよう機能面を改善し全身の健康へと導くことが重要。「筋肉位」と言って、左右の咀嚼筋がバランスのとれた動きをし、なおかつ安定した状態で上下の歯が咬合接触する位置に持っていくことが矯正をする大事な目的であると考えています。そのために筋電図を用いて、下顎をリラックスポジションに促してから筋肉の動きを確認することで、本来あるべき位置で咀嚼できているのかを判断します。
- Q治療期間はどのくらいかかりますか?
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A
▲不安な点があれば、セカンドオピニオンとしても活用してほしい
成人の場合は約1年から3年を目安に考えていただくと良いでしょう。小児に関しては成長に合わせて咬合誘導をしていくため、どうしても治療期間が長くなり、開始する時期も重要になってきます。一方、成長が完了している大人の場合は、治療期間が比較的短くて済み、いつでも治療開始が可能。その他にも多くのメリットがありますので、年齢的に無理かもしれないと諦めている方がいらしたら、決してそうではないことをお伝えしたいです。当院では正しく噛むための機能面を重視していることから、全身の健康をめざす、つまりご自身の健康寿命の延伸につなげていくものにしていくことを、矯正治療を考える上でのポイントにしていただきたいですね。
- Q治療中の痛みや治療法について教えてください。
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A
▲根本的な原因をきちんと見極めた上で治療を進めていく
小児の咬合誘導の場合はそこまで痛みを感じることはないのですが、成人になるとワイヤー式での矯正をメインに行っていますので、個人差はあるものの無痛ではありません。開始時は固い物を避け、やわらかい物を食べると良いでしょう。もちろん、できる限り痛みを感じないよう配慮しますし、場合によっては痛み止めを服用いただくことも。最初の数日を過ぎれば徐々に痛みは和らいでいくと思いますので、そんなに痛みに関してナーバスになられなくてもいいかもしれません。また、当院がワイヤー式の治療を行っている理由は、歯をダイナミックに動かすのに向いているためです。筋肉のバランスを整えていくには、この手法が適していると考えています。
- Qこちらでは非抜歯での矯正に取り組まれているとお聞きしました。
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A
▲より良い治療を提供するため、勉強会に参加し積極的に学んでいる
単純にデコボコの歯をきれいに並べるだけであれば、そのスペースを確保すれば良いわけですから、抜歯矯正が向いていると言えるかもしれません。しかし、もともとある歯がなくなると両サイドの歯が傾きやすく、機能面に影響を及ぼす場合も。私は本来の機能に正していくことが矯正のあるべき姿だと考えていますので、審美面の改善だけを目的にはしていないのです。虫歯になりやすいから、など審美面以外にも矯正を希望される理由はそれぞれおありだと思いますが、当院が非抜歯矯正に取り組む一番の理由は、根本的な機能面の不具合を整えていくため。正しい呼吸や嚥下が可能な口腔内に整えることは、生きていく上でとても大事であると考えています。
- Q機能面の改善を重視されているのですね。
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A
▲口腔環境全体の健康を維持する治療を行うことを大切にしている
歯列矯正で得られる筋肉の調和が取れた位置、つまり頭蓋骨を中心とした体幹に対する下顎の三次元な位置で噛むとストレスがかかりにくく、呼吸がしやすいんですね。実際に症例写真でもバランスの良い左右の対称性やリラックスした表情が確認できます。私が考える矯正治療の明確なゴールは、筋電図上で調和が取れていること、6歳臼歯や糸切り歯の上下の位置関係や噛み合わせなどが適した位置になっていること。よく噛める適した噛み合わせであることこそが「きれいな歯並び」であると考えています。患者さんお一人お一人の健康を守っていくことが、機能性と審美面を兼ね備えた矯正のメリット。そう実感してます。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正検査・診断料/6万円、小児矯正/33万円~、成人矯正/61万円~、部分矯正/5万円~ ※症例によって価格は変動しますので、詳しくは歯科医院までお問い合わせください
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。