全国のドクター9,201人の想いを取材
クリニック・病院 158,634件の情報を掲載(2024年4月24日現在)

  1. TOP
  2. 福岡県
  3. 福岡市中央区
  4. 薬院駅
  5. 江田歯科医院
  6. 江田 英一郎 院長

江田 英一郎 院長の独自取材記事

江田歯科医院

(福岡市中央区/薬院駅)

最終更新日:2021/10/12

江田英一郎院長 江田歯科医院 main

薬院の地で50年近く歯科診療を行い、患者からの信頼を積み重ねてきた「江田歯科医院」。江田英一郎院長が継承した2007年には全面的に建て替え、車いすでも入りやすいバリアフリー設計に。4人の歯科衛生士、常駐の歯科技工士とともに、アットホームな雰囲気の町のかかりつけ歯科医院として日々患者と向き合っている。「ほぼ保険診療内で、虫歯治療や入れ歯の作製を行っています。患者さんのご負担を減らし、歯科医院をもっと身近なものにしたい」と語る江田院長。保険診療でできる、金属を使わない“白い歯”の普及に特に力を入れている。柔和な笑顔とこまやかな心配りが印象的な江田院長に、保険診療に力を入れる理由、歯科技工士が常駐するメリット、今後の展望まで幅広く話を聞いた。

(取材日2021年1月7日)

保険診療で“金属を使わない白い歯”を提供

診療の特徴、こだわりを教えていただけますか?

江田英一郎院長 江田歯科医院1

1972年に父が開院したこのクリニックを継承したのが2007年。以来、患者さんの裾野を広げ、もっと気楽に、安心して歯科を受診していただきたいという思いで歯科診療にあたってきました。当院が力を入れているのは、保険診療です。保険診療だと、詰め物やかぶせ物は金属の銀歯しか選択肢がない、と思われている方も多いかと思いますが、ここ数年で、金属を使わない“白い歯”も使用箇所によって保険適用されるようになりました。適用範囲は年単位どころか半年単位で拡大していて、2020年9月からは前歯も新たに保険適用されます。当院に来て「保険で白い歯を入れられるんですか?」と驚かれる患者さんも多く、治療を希望される方は増えていますね。

“保険で入れられる白い歯”とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。

CAD/CAM冠(きゃど・きゃむかん)システムで作製したかぶせ物のことです。スキャンして型採りした歯のデータをもとにコンピューター上でかぶせ物を設計し、セラミックとレジンを合わせた白い素材「ハイブリッドレジン」のブロックを専用マシンに入れて自動で削り出します。当院では、コンピューターによる精密な技工が可能なこのCAD/CAMシステムを導入しているので、院内で効率良く作製することができます。ハイブリッドレジンは自費診療で入れるセラミックに比べると、傷がつきやすく、強度や色味の再現性は劣ります。セラミックは陶器のお皿、ハイブリッドレジンはプラスチックのお皿と思ってください。セラミックに越したことはないでしょうが、ハイブリッドレジンの材質も年々良くなっています。ちなみに詰め物は、当院では20年以上前からレジンという樹脂を使用。金属は入れていません。

詰め物やかぶせ物を入れる前の虫歯治療で、心がけていることはありますか?

江田英一郎院長 江田歯科医院2

歯を削るのは最小限にしながら、精密に虫歯を除去することです。ミニマルインターベンションと言われる考え方で、できるだけ歯を削らない治療を行っています。また、痛みを極力抑えた治療を心がけ、粘膜の表面麻酔やレーザー照射、刺入点圧迫などを状況に合わせて行うことで、術前の緊張と麻酔針の痛みの軽減に努めています。また、電動注射器で麻酔液を注入する際も、スピードをコントロールして麻酔液が入る時の痛みを軽減します。虫歯は処置が遅れるほど治療が難しくなり、体への負担も増し、治療費も高額になります。虫歯治療の後の詰め物・かぶせ物は、先ほどお話ししたように保険診療で白い歯を入れることが可能になってきていますが、適用範囲など条件がありますので、まずは早めに受診してください。

口腔内の変化に対応できる、調整可能な入れ歯を

歯科技工士さんが常駐されていると伺いました。

江田英一郎院長 江田歯科医院3

2階に技工室があり、歯科技工士が常駐しています。詰め物・かぶせ物などの補綴物や入れ歯の調整の時に、患者さんをお待たせすることなく効率良く進められるのがメリットですね。私は九州大学病院第一補綴科に勤務の経験があり、当院の歯科技工士は実は私の弟です。互いに補綴の分野で研鑽を積み、癖を知り尽くした者同士で作製する補綴物の精度には自信があります。大きな特徴が、詰め物・かぶせ物を歯にセットする時間が短いこと。最後の微調整に時間がかかった経験がある方も多いと思いますが、当院では調整が本当に少ないです。CAD/CAMシステムの導入で、歯を直接スキャンすることで型採りが不要になり、ほとんど誤差がない修復物が作れるようになったことが大きな理由ですね。

入れ歯の作製も院内で行っているのですか?

はい。歯科技工士が、咬合器という器具を用いて顎関節の動きなどを調べた上で、入れ歯の作製を行っています。ほとんどの場合、保険診療内で作ります。というのも、保険診療の入れ歯の素材はプラスチックなので、削ったり足したり、どうとでも調整できるからです。入れ歯は何年も使っているとどうしても隙間などができてしまい、調整が不可欠なんです。入れ歯の材質も向上していて、歯茎のピンク色部分も長持ちするようになってきていますよ。口の中の状態は、不変ではありません。筋肉、粘膜、歯、骨、関節……加齢とともに変化していきます。その変化に対応し、調整していけることが重要ではないでしょうか。

詰め物・かぶせ物、入れ歯など補綴の分野に特に注力されているのですね。

江田英一郎院長 江田歯科医院4

父は矯正が専門で、私も学生時代はその道に進もうかと思っていたのですが、矯正も虫歯治療も歯周病治療も、すべては“より良い噛み合わせ”というゴールに向かった治療なんじゃないかと考えるようになりまして。かぶせ物やブリッジ、入れ歯、インプラントによる治療を行って口腔機能を回復し、しっかり噛める人生をサポートしたいと補綴科に進みました。私は耳かきすら緊張する怖がりで(笑)、もし自分が患者さんの立場だったらすべて納得がいってから治療を始めないと不安でたまらないと思いますので、丁寧に説明を尽くすようにしています。父も話し好きでしたが、私も患者さんとつい話し込んでしまい、スタッフにせっつかれることも多いです。

美容室に行く感覚で、定期的に歯のメンテナンスを

患者さんへの説明はどのように行っているのですか?

江田英一郎院長 江田歯科医院5

診療チェアの前にあるモニターで、CT画像や口腔内を撮影したカラー写真をお見せしながら説明を行うようにしています。治療に選択肢がある場合は必ず患者さんに選んでもらい、納得いただいてから治療を行います。例えば、グラグラしている歯が1本だけ残っていて、抜いたほうがいいのはわかっているけれど、やっぱりどうしても抜きたくないと言われる方、外れてしまった詰め物を元に戻してほしいと言われる方もいます。皆さん思い入れやこだわりがあり、人情としてそれは理解できますから、それが多少無理なお願いであっても、お引き受けすることもあります。もちろん歯科医師としてアドバイスはしますが、決して無理強いはしません。当院は保険診療が主ですが、口の中を見れば歯に対する考え方はだいたいわかるもの。保険診療で満足されないと予想できる患者さんには、セラミックやインプラントなどの自費診療をご案内することもあります。

自費診療について教えてください。

セラミック治療やインプラント治療、ホワイトニングなどの審美歯科は保険外診療になります。しっかりご説明した上で、必ず、口の中の状態を写した写真入りの見積書を作成して費用を明確化し、承諾いただいてから治療に入ります。ご希望の方には、治療後に報告書もお渡ししています。保険外診療は、父の代から変わらず10年保証つきで、万が一不具合が起きたときには早急に対応しています。

最後に、今後の展望を聞かせてください。

江田英一郎院長 江田歯科医院6

これからも、保険内診療をベースに行い、患者さんの裾野を広げていきたいと思っています。最近は虫歯の患者さんも減っていますし、いずれは定期検診がメインの歯科医院になっていくんじゃないでしょうか。定期的なメンテナンスはたいへん重要ですが、歯磨き指導ではあまりうるさく言わないようにしているんですよ。虫歯ができたときに、患者さんのせいにしたくありませんから。私も歯科衛生士も、自分の歯には磨き残しがあるものです。基本的な歯磨きの仕方をお伝えしたら、あとは美容室に行く感覚で検診に通っていただければと思います。自分は歯磨きが上手じゃないと思われるなら、メンテナンスの頻度を上げればいいわけですから。患者さんへの思いやりと確かな技術で、安心して通っていただけるような歯科医院であり続けたいと願っています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/30万円~
セラミックの詰め物/4万円~
セラミックのかぶせ物/10万円~
ホワイトニング/薬剤6300円、トレー1万
※税別

Access