美佐保 曜子 院長、美佐保 竜 さんの独自取材記事
秋山歯科クリニック
(福岡市南区/大橋駅)
最終更新日:2025/05/30

大橋駅西口から徒歩約10分。みやけ通り沿いで40年以上にわたり、地域住民の歯の健康づくりに貢献してきた「秋山歯科クリニック」。2024年8月には隣地に新築したクリニックに移転し、2代目院長の美佐保曜子先生のもと、「全世代が安心して通える、怖くない歯科医院」をめざしている。コンクリート打ちっぱなしの外壁にある、「ADC」のかわいらしいロゴマークが目印。大きな窓のある待合室、半個室のゆったりとしたユニット、子どものための多目的室など、誰もが居心地良く過ごせる工夫が満載のクリニックだ。夫で歯科技工士の美佐保竜さんが常駐し、緊密な連携が取れるのも大きな特徴。笑顔で迎えてくれた曜子院長と竜さんに、同院の診療スタイルやこだわりについて詳しく聞いた。
(取材日2024年6月17日/再取材日2025年3月27日)
安心して通える「怖くない」歯科医院をめざして
新しいクリニックに移って半年になりますが、患者さんの反応はいかがですか?

【曜子院長】父の代から長く通ってくださっている患者さんからは、スペースが広くなって快適になった、きれいになって良かったねと、自分のことのように喜んでいただいています。新しい患者さんもたくさんおみえになっていて、特に家族連れの方が多いです。最初にお子さんを連れて来られて、その後親御さんも通院されるようになったり、またその逆のパターンも。最近予約を取りづらい面も出てきたので、2025年4月下旬から女性の歯科医師1人に診療に加わってもらい、私と2人体制に。彼女にも私にもまだ小さい子どもがいて、特に最初の頃はビッシリ予約を詰め込むことは難しいと思いますが、状況を見ながら人員を充実させ、安心して通っていただける環境を整えていきたいと思います。
グレーを基調とした清潔感あふれる院内ですね。設備面でのこだわりを教えてください。
【曜子院長】ユニットは広めの半個室になっており、余計な音などが聞こえずリラックスして治療を受けていただけます。また診療スペースと滅菌などを行う準備室を分け、作業台も清潔なものと不潔なものをきっちり分けるゾーニングを行い、徹底した衛生管理を行っています。
【竜さん】1階は駐車場と歯科技工所、2階が診察室と分離した造りですが、ご高齢の患者さんも多いので、段差をなくしたりエレベーターを設置したりとバリアフリーに配慮しています。当院の技工所は「フルデジタルのラボ」で、CAD/CAMシステムや3Dプリンターなど先進のデジタル機器を駆使して補綴物を製作しています。私のほかに女性の歯科技工士1人も常駐しており、歯科医師たちと緊密に連携。補綴物の精密性・審美性を追求しています。
歯科が怖いという方も多く来院されているとか。

【曜子院長】「怖がりさんもいらっしゃい」と私は呼びかけているのですが、歯医者さんが怖くて行けなくて、お口の中がボロボロになってしまったという方はとても多いです。一生懸命自分に合いそうな歯科医師を探して来られて、私がただただお話を聴いているだけで泣き出してしまう方も。ここなら怖くない、大丈夫だと思っていただけるとうれしいですね。治療は子どもから高齢者まで幅広く対応しており、特にインプラント治療やマウスピース型装置を用いた矯正にも注力していきますので、一つの選択肢としてお気軽にご相談ください。高齢者の口腔機能低下症やお子さんの口腔機能を育成するトレーニングにも、ゲーム感覚で楽しく取り組んでいけたらと思っています。
歯科技工士との緊密な連携で、精度の高い補綴治療を
あらためて2代目院長としての思いを聞かせてください。

【曜子院長】2011年から当院に勤務していますが、その時、師匠である父から学んだ医療人としての姿勢は、私の礎となっています。当院は、教科書どおりの治療を押しつけて患者さんに無理をさせるようなことはしません。実際の現場では患者さんが望む治療と、私たち歯科医師の考えが違うこともあり得ますが、まずは患者さん自身がどうなりたいかを伺い、ご納得いただけるよう探りながら治療のプロセスを一緒に検討していきます。大事なのは、患者さんが納得して治療を選ぶことです。私たちも常に研鑽しながら、少しでも精度の高い診断・治療が提供できるよう、新しい治療技術や設備などは積極的に導入し患者さんに還元していきます。
どのような医療機器を導入されているのですか?
【曜子院長】歯科用顕微鏡であるマイクロスコープはすでに導入しており、今後台数を増やしていきたいと考えています。また精密な診断につながる歯科用CTも設置しています。
【竜さん】高性能な医療機器の導入は診療の効率化と精度の向上につながります。当院では口腔内スキャナーを採用しましたが、これを使えば従来の印象材で型を採る方法と比べて、歯科医師・歯科技工士・歯科衛生士それぞれが効率良く動けます。また時間も短縮されるので、患者さんの負担も軽減可能。結果、「三方よし」どころか「四方よし」です。CTなども含めてたくさんのデータをもとに補綴物が作れるため、これまで以上のフィット感や噛み合わせにこだわることができます。
歯科医師と歯科技工士の連携も大きな強みですね。

【竜さん】一般的な歯科治療において、歯科技工士は治療の最終段階で歯科医師の指示により詰め物や義歯を作ります。当院では歯科技工士である私が初診の段階から診療に関わり、「この患者さんにとって適切な方法は何か」を曜子院長と話し合い、一緒に治療方針や計画を立てていきます。歯科医師と歯科技工士がそれぞれの立場から意見を出し合えるので、より良い補綴治療や義歯治療につながります。夫婦だからこそスムーズな意思疎通ができるのも、当院ならではの強みと自負しています。
【曜子院長】患者さんが直接歯科技工士に希望を伝えられるメリットも大きいです。特に前歯のかぶせ物では、歯科技工士も一緒に、この芸能人のこういう歯にしたい、もう少し丸みのある歯がいいなど患者さんのご希望を伺うことができます。せっかく作るのなら、なるべく本人のご希望に一番近いものになるよう最善を尽くしたいですね。
働きやすさを重視し良質なホスピタリティーにつなげる
子どものための多目的室があり、10畳近い広さを確保されています。

【曜子院長】親御さんの治療中、お子さんは多目的室でテレビを見たりお絵描きしたりして遊べるようにしています。専任のスタッフはいないので託児サービスとはいきませんが、気軽に活用してください。またここは小学校の学童クラブのように、当院のスタッフや私の子どもが下校後にここで宿題をしながら過ごしたりできればと考えています。スタッフのいる作業台から窓越しに部屋の中の様子をうかがえるので、みんな安心して働けるのではないでしょうか。歯科医院は女性が多い職場ですから、特に女性が働き続けやすい環境でないとチームとして強くなれません。レベルの高いチーム医療が提供できるよう、スタッフの働きやすさにも心を配っていきたいと思います。
ともに働くスタッフを大事にされているのですね。
【曜子院長】私自身も働きながら子育てをしていて、本当に大変だなと実感するんです。「子どもに手がかからなくなるまで仕事は諦める」というスタッフや友人もたくさん見てきました。「キャリアは諦めたくない。スキルアップもしたい。だからといって子育ては適当にしたくない」、そんな働くママたちの希望がかなう社会の実現が理想です。私に社会を変える力はありませんが、せめて自分の歯科医院のスタッフだけでもそれが実現できるよう、できる限りサポートしていきたいと考えています。
【竜さん】ライフスタイルに合わせて勤務形態を臨機応変に変えながら、当院で活躍してもらえたらうれしいですね。スタッフが長く続けられる職場環境があってこそ、患者さんにも良いホスピタリティーが提供できるはずです。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

【曜子院長】夫が言う私の強みは、怖くないこと。ですから歯科が怖いという方でも安心してご相談ください。歯科医院は単に治療を行うところではなく、治療をしなくて良い状態を保つために行く場所です。そうした意識を地域にも伝えていけるよう、日々の診療やセミナーで訴求していきたいと思います。誰もが親しみやすく、通いやすい、怖くない歯科医院をめざしながら、地域医療に貢献していきます。
【竜さん】曜子院長は「怖くないこと」においては誰にも負けないのではないかと、僕は思っています。歯科医院に恐怖心がある方は、ぜひ当院までご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/30万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/●円~