倉田 芳孝 院長の独自取材記事
倉田歯科医院
(久留米市/西鉄久留米駅)
最終更新日:2026/06/12
西鉄久留米駅から徒歩5分、アーケード街にもほど近い明治通り沿いに「倉田歯科医院」はある。その歴史は歯科医師という職業が確立される以前の「入れ歯師」の時代にまでさかのぼり、倉田芳孝院長は5代目にあたるのだとか。歯科口腔外科で研鑽を積んだ経験を礎に、虫歯や歯周病からインプラント治療、入れ歯、矯正まで、患者が複数の歯科医院を行き来せずに済むようにと、幅広い処置を院内で一貫して提供している。「来て良かったと思っていただけるように」と語る倉田院長の、穏やかでありながら伝えるべきことはきちんと届ける誠実さが印象的だ。明治から脈々と受け継いできた地域医療への思いや、今後の展望について語ってもらった。
(取材日2026年4月28日)
「入れ歯師」と呼ばれた明治時代から地域の健康を守る
まずはこちらの歯科医院の歴史からお聞かせください。

当院の歴史は明治時代にまでさかのぼります。歯科医師という職業が広く確立される前の「入れ歯師」の時代から始まった歯科医院で、私で5代目です。もともとはすぐ近くの場所に自宅と歯科医院を兼ねて構えていたのですが、私が小学生の頃にこの明治通り沿いの場所へ移り、今に至ります。父は長男として歯科医院を引き継ぎ、派手なことはせず地道に患者さんと向き合い続けた歯科医師でした。高い理念を掲げるというよりも、来てくださった方に一つ一つ丁寧な治療を届けることを何より大切にしていた人だったと思います。その背中を見て育った経験は私にとっても大きく、父が亡くなった後に代替わりするかたちで継承し、今日まで同じ地域で診療を続けています。
芳孝先生のこれまでの歩みを教えてください。
歯科医師の家に生まれましたので、幼い頃から自然とこの道に進むものだと思っていました。福岡歯科大学に進み、大学時代にお世話になったラグビー部の顧問が歯科口腔外科の先生だったご縁から、卒業後は歯科口腔外科に約3年間在籍しました。外来では親知らずの抜歯や嚢胞摘出を行い、病棟では顎関節症・顎変形症の手術や骨折整復など、さまざまな処置に立ち合わせてもらい、さまざまな経験を積むことができました。全身麻酔の管理に携わる機会もあり、口の中だけでなく全身の状態を見ながら判断する力を養えたのは大きかったと感じています。大学病院での日々は密度が濃く、今の診療を支える土台になっています。当院に戻ってからも、父と2人で治療にあたりながら、外部の勉強会に出かけて学ぶ機会を多く持つことができました。
こちらに戻られてからは、どのような患者さんを診てこられましたか?

こちらに戻っておよそ30年になります。来院される方は中年から高齢者の方が中心で、中には父の代から続けて通ってくださっている方もいらっしゃいます。主訴としては歯の痛みや入れ歯のご相談、また、歯石除去の希望などさまざまです。歯科口腔外科での経験があるため、親知らずの抜歯や嚢胞の摘出、インプラント治療といった外科的な処置にも院内で対応できることは、当院の特徴の一つだと思います。もちろん自分の技量と処置の難易度を冷静に見極め、対応が難しいと判断した場合には迷わず大学病院へご紹介するようにしています。現在は通院されている方のおよそ半数が定期的なメンテナンスで来てくださっており、治療だけでなく予防にも長年力を入れて取り組んできました。
矯正やインプラントまで多分野に、院内で一貫して対応
幅広い治療に対応されていますが、その背景にあるお考えを伺えますか?

私が大切にしているのは、患者さんの通院負担を防げるよう、できる限り院内で治療を完結させることです。そのためにも、矯正は専門の歯科医師に院内で診ていただく体制を整え、虫歯や歯周病の外科処置、インプラント治療、入れ歯まで、保険診療・自由診療を問わず患者さんと相談しながら多分野に対応しています。というのも、他の歯科医院にお送りすると治療方針が異なり、患者さんが戸惑ってしまうこともあり得ます。ですから苦手分野をつくらないよう研鑽を重ねてきました。仮に一つの分野が100点でも別の分野が不十分であれば、結果として患者さんのためになりません。すべての治療において最低でも70点以上の質を維持することが、かぶせ物の適合や歯の寿命にも直結すると考えています。
設備面でこだわっている点を教えてください。
ここ2年ほどの間に歯科用CTと口腔内スキャナーを導入しました。歯科用CTでは歯や顎の骨、神経の位置を立体的に確認でき、骨の硬さも計測できるため、インプラント治療をはじめとした処置の計画立案に役立っています。口腔内スキャナーは、従来の粘土のような印象材を使う工程を省けるため、型採りの精度が向上し、患者さんが口を開けている時間も短くなりました。印象材を嫌がる方も少なくなかったので、患者さんの負担の軽減にもつながっているのではないかと。根の治療に使う電動式の機器も、安全性を十分に考慮して取り入れました。日々の診療では拡大鏡を常に使って精度を高め、口腔外バキュームも設置して清潔な診療環境をめざしています。
予防歯科への取り組みについて教えてください。

当院では治療が一段落した方に、定期的なメンテナンスへ移行していただく仕組みをつくっています。メンテナンスの中で気になる点が見つかった場合も患者さんにお伝えしますが、治療に進むかどうかはご希望を伺いながら一緒に決めるようにしています。虫歯にしても歯周病にしても、問題を早く見つけて細かく手を打つことが肝心です。「痛くなったから歯医者に行く」のではなく「痛くならないために通う」という考え方が広まってきたことは、とても良い変化だと感じています。日頃からできるだけ歯を削らない・抜かない治療を心がけ、再治療のリスクを減らすことも大切にしています。
丁寧な言葉と全力の治療で、患者との信頼を育む
患者さんと接する際に心がけていることを教えてください。

まず「来て良かった」と感じていただけることを第一に考えています。そのためにはしっかり診断を行い、長期的に維持できる治療を選ぶことが大切です。治療の進め方を一方的に決めるのではなく、いくつかの選択肢をお示しして、患者さんにご理解・ご納得いただいてから進めるようにしています。痛みが伴う処置が必要な場合は、事前にきちんとお伝えすることも欠かせません。一言あるのとないのとでは、患者さんの受け止め方はまったく違いますよね。医療に100%ということはありませんが、だからこそ「全力を尽くします」という気持ちで一人ひとりに向き合いたい。口数は多くないほうかもしれませんが、伝えるべきことはしっかりお伝えする、それが私の診療の基本です。
今後、力を入れていきたいことはありますか?
設備面での大きな投資はひとまず一段落しましたので、今後は導入機器を最大限に生かしながら、一つ一つの治療の精度をさらに高めていきたいと考えています。今でも、若い頃と同じく学び続けたいという気持ちは強いですね。もう一つ力を入れていきたいのは、定期的にメンテナンスへ通ってくださる方をもっと増やすことです。ただ、いきなりメンテナンスをお勧めしても始まりません。日々の治療を丁寧に積み重ねて信頼関係を築いてこそ「この先生の所なら定期的に通おう」と思っていただけるのだと感じています。その信頼づくりこそがメンテナンスの入り口であり、私が一番大切にしたいことです。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

私が常に心がけているのは、患者さんが何に困っているのかをまずしっかりと聞くことです。お口の状態は一人ひとり異なりますし、保険診療の範囲で対応できるか、それ以上の選択肢を視野に入れるべきなのか、ご事情はさまざまです。だからこそ丁寧にお話を伺い、その方の状況に合った治療の道筋をご一緒に考えた上で、自分にできるベストな治療を提供したいと思っています。当院は西鉄久留米駅から徒歩5分の明治通り沿いにあり、駐車場もございますので、電車でもお車でも通いやすい立地です。明治の時代から受け継いできたこの場所で、お口のどんなお悩みでも相談していただけるかかりつけの歯科医院として、これからも一人ひとりの患者さんに全力で向き合ってまいります。
自由診療費用の目安
自由診療とはワイヤー矯正/55万円~(矯正後のメンテナンス料金は月5000円になります)、小児矯正/22万~33万円、インプラント治療/35万円~

