白土 徹 院長の独自取材記事
白土歯科医院
(直方市/直方駅)
最終更新日:2023/11/13
直方駅から歩いて5分、昔ながらの商店街の一角に「白土(しらつち)歯科医院」はある。開業はなんと1940年。80年以上にわたって、この地の歯科診療を支えてきた歯科医院だ。2011年に同院を継承した3代目院長の白土徹先生は、歯周病と根管という「歯の基礎」をしっかり治療した上での、口の中全体の包括的な診療に注力している。有病者の治療、難しい親知らずの抜歯やインプラント治療にも対応するベテラン歯科医師だ。同院には歯科技工士が常駐し、補綴物の精度にも徹底的にこだわる。「当院は、本気で歯を治したい方が通ってくださる歯科医院だと思います。あそこならきちんと治してくれる、と思って来院される患者さんの期待に今後も応えていきたい」と話す白土院長。患者想いの誠実な診療姿勢が伝わってくる取材となった。
(取材日2023年6月14日)
「本気で歯を治したい」人が通う歯科医院として
地域の方以外に、遠方から通って来られる患者さんも多いそうですね。
祖父が開業し、父、私で3代目になりますが、「あなたのおじいさんの頃から通っているのよ」とおっしゃるような地元の患者さんから、入れ歯がどうしても合わないなどお口のことで困り果てて、クチコミを頼りに遠くからわざわざ来てくださる方までいらっしゃいます。当院の患者さんは大人の方が9割で、その半数は60代以上。虫歯を放置して、いよいよ悪くなってしまったという患者さんも多いです。私は、欠損修復を含めたお口全体をトータルで考えた治療に取り組んでいます。悪いところをちょこちょこ場当たり的に治すのではなく、まず「歯周病」と「根管」という、歯の治療を家の建築で例えるならば「基礎工事」にあたる部分をきっちり治療。その上で、矯正、インプラント治療、かぶせ物などの上物に取りかかります。
歯周病と根管の治療を重視する理由は何ですか?
歯の基礎や歯を支える歯槽骨の状態が整っていないと、その上にいくらセラミックやインプラントなどを入れたとしても、長持ちしないからです。歯周病治療や根管治療は時間がかかることが多く、さらに必要な治療全体を終えることをめざすとなると、当院の治療期間は長いほうかもしれません。しかし一度ちゃんと治療完了しておけば、あとは定期的なメンテナンスだけで大きな治療をすることなく、きちんと噛んで、おいしいごはんが食べられる人生が送れるはずだと考えています。なるべく通院回数を減らせるよう、治療時間は患者さん1人につき1時間は確保しており、1回の通院で効率良く、着実に治療を進められるよう心がけています。当院は「本気で歯を治したい方」が通ってくださる歯科医院。そして本気の治療は、何歳からでも始められます。
有病者の治療、難しい親知らずの抜歯やインプラント治療にも対応されているとか。
はい。私は九州歯科大学を卒業後、九州大学歯学部口腔外科に入局して同大学病院に勤務する中で、有病者の治療や全身管理について多くの経験を積みました。薬の相互作用や血液検査データなどに関する知識もあり、医科と連携しながら治療を行うこともよくあります。たくさんの薬を飲んでいるようなご年配の方も、一度ご相談ください。また当院にはほぼ毎日、口腔外科出身の歯科医師が非常勤で来てくれています。他院で、大学病院を紹介すると言われたような難しい親知らずの抜歯でも、私も含めて対応できるケースが多いと思いますよ。インプラント治療は個室のオペルームで、大がかりな骨造成が必要となるような難しい症例も手がけています。その際は麻酔が専門の歯科医師に同席してもらい、全身管理をしながら患者さんがなるべく楽にオペが受けられるよう配慮しています。
患者を家族のように思うからこそ、できる提案を
診療において、一番大事にしていることは何ですか?
私のモットーは、自分や自分の家族に受けさせたいレベルの治療を提供すること。これは歯科医師になった当初からぶれずに持っている考えです。でも、私にとってのベストな治療は、患者さんにとってベストではないかもしれません。特に自由診療が入ってくる場合は何パターンか治療方法をご提案し、意見をすり合わせながら方針を決めていきます。エックス線、歯科用CT、口腔内写真、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)などを使って歯の記録をきちんと取り、なぜこの歯が悪くなったのか、今どういう状態なのかを患者さんにお見せして、納得していただいた上で治療を進めていくことを大事にしています。
患者さんが納得した治療を進めていくのですね。
例えば、歯根の状態が悪く、これはもう抜歯したほうが良いと私が判断し、ここを残した場合のデメリットをご説明しても、それでも患者さんはどうしても歯を残したいと言われる。そんな時は、「これだけ危ない状態ですが、今は何とか残します。ただ、またいつ悪くなるかわからないので、その後のことも考えておきましょう」とあらかじめ説明しておくことで、その後いよいよ抜歯が必要になった時も、納得して治療を続けられると思うんです。簡単に抜歯する、患者さんが納得しないまま抜歯するなんてことは、当院では絶対にありません。また、悪くなる可能性が高いが、残すことをめざすためのつなぎの治療は保険診療で行い、患者さんに余計な負担をかけないよう心がけています。「ここでセラミックのかぶせ物を入れるのはもったいない。最終段階の治療まで取っておきましょう」とご提案します。
そして口の中を良い状態に保つには、定期的なメンテナンスが必須ですね。
毎日のセルフケアと歯科医院での専門的なメンテナンス、この2つがないとどんなに良い治療をしたとしても長持ちしないでしょう。歯科医院でのケアを担うのが歯科衛生士。その役割はとても大きく、歯科衛生士がいないと私たち歯科医師の仕事は成り立ちません。当院ではメンテナンスの時間を30分から長い方で1時間は取って、専門的なケアに加えて、お困り事を伺ったり歯磨き指導をしたりと、お一人お一人の患者さんを丁寧に見るようにしています。顔なじみになって、歯科衛生士のことを名前で呼んでくださる患者さんもいらっしゃるんですよ。私が当院の診療に加わった19年前と比べると、格段に患者さんの歯に対する意識が上がって、メンテナンスに通われる方が増えたと実感しています。
技工物の精度にとことんこだわる
歯科技工士さんが常駐されているとか。
はい、2人常駐しています。1人は私が小さい頃から働いてくれている大ベテラン、もう1人は40代、歯科技工士育成の学校で先生をしていた人です。歯科技工士を2人も抱えていることは当院の強みですね。最近は少なくなった院内技工ですが、最大のメリットは、歯科技工士さんにチェアサイドに来てもらって、実際に患者さんを前にして噛み合わせや色合わせを見てもらえること。入れ歯の修理や調整などもその場で指示してやってもらえるので、患者さんにとっても非常に助かるんじゃないでしょうか。
院内技工にこだわる理由はほかにも?
当院は、技工物の精度にものすごくこだわっているんです。患者さんにはわかりにくい部分かもしれませんが、かぶせ物や詰め物などがピシャリと合う感覚、見事に適合する物が作れるかどうかがポイントです。私たち歯科医師はスキルのある歯科技工士と一緒に仕事をしないと、治療が台なしになってしまう恐れがあるんですよ。ちょっと緩いものを無理してセメントでくっつけるのでは、せっかくの治療が報われないと言いますか。歯科医師と歯科技工士、お互いがこだわりを持って腕を磨き合う。それが院内技工の良さだと思います。
これまでと、これからの話を最後に聞かせてください。
私は幼い頃から、将来は歯科医師になるものだと思っていました。よく考えると親に刷り込まれたのでしょうが(笑)、それに何の抵抗もなくこの道を進みました。そんな今も、もし歯科医師になっていなかったら何をしていたかと考えても、ほかに思いつかないくらい、まさに天職だと思っています。歯科医師になったばかりの頃は正直悔しい思いもたくさんして、30代の頃は休日もずっと勉強会に参加するなどして必死に研鑽してきました。自分が勉強して技術が伴うと、患者さんが喜んでくれる。それが一番のやりがいです。今もいろんなジャンルのスタディーグループに参加し、常に何か勉強したい、吸収したいという思いでいます。娘が歯科医師の道を進んでくれていて、今後どうなるかわかりませんが、私はこれからも歯周病の治療とメンテナンスに特に注力し、多くの患者さんに喜んでいただけるような治療を提供していきたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/44万円~
骨造成/5万5000円~
セラミック治療/7万7000円~
ブラケット矯正/66万円~(別途検査料がかかります)
マウスピース型装置を用いた矯正/55万円~
ホームホワイトニング/2万7500円