小川 裕也 理事長の独自取材記事
佐賀駅前小川歯科
(佐賀市/佐賀駅)
最終更新日:2026/06/26
佐賀駅から徒歩1分に位置する「佐賀駅前小川歯科」。濃いブラウンと白を基調とした落ち着いた雰囲気の同院は、1979年の開業から半世紀近く地域の歯科医療を担ってきた。理事長の小川裕也先生は歯科医師の家系に3代目として生まれ、日本歯科大学卒業後に関東で研鑽を積み、2009年に同院に合流。インプラントや審美歯科を専門とし、性能にこだわったCTやマイクロスコープ、3Dプリンターなど先進設備を積極的に導入してきた。難症例にも向き合う同院にはセカンドオピニオンを求めて訪れる患者も多い。「失った歯を補うためではなく、残っている歯を守るためにインプラントを入れるんです」と快活に語る小川先生に、治療への思いや患者との向き合い方を聞いた。
(取材日2026年6月13日)
祖父の代から3代、先進の設備で進化を続ける歯科医院
まずは御院の成り立ちについて教えてください。

当院は1979年に父が開業し、今年で46年を迎えました。ルーツはさらに前の祖父の代にさかのぼります。祖父は歯科医師の資格に加え、医師の資格も持っていました。朝から家の前に患者さんが並んで名前を書き、その順番に診ていくスタイルで、医科も歯科も一人で対応していたと聞いています。幼い頃にその光景を見た記憶が今も残っています。父はそこから歯科の道を選び、佐賀駅前に当院を構えました。私は2006年に日本歯科大学を卒業後、研修医を経て関東でいくつかの歯科医院で研鑽を積み、2009年に当院へ合流しました。長男として3代にわたる当院を受け継ぎ、現在は父とともに日々の診療にあたっています。
現在の診療体制や設備の特徴を教えてください。
私が加わってからは、外科的な処置や歯の根の治療、歯周外科を主に担当し、入れ歯は経験豊富な父に任せるという体制を取っています。設備面では、性能にこだわって選んだ歯科用CTを導入しました。骨格全体から噛み合わせの高さを分析するために、頭部エックス線規格写真を撮影できる検査装置や、歯の根の形状を立体的に確認できるモードも搭載しています。安全性に配慮したインプラント治療を院内で完結させるための3Dプリンターや、細部まで確認できるマイクロスコープもそろえました。院内には歯科技工室を設けて歯科技工士が常駐し、かぶせ物を一貫して製作できる体制です。治療後もお車でそのまま帰宅していただけるよう、笑気麻酔にも対応しています。
どのような患者さんが来院されていますか。

年齢層としては40代から60代の方が中心ですが、10代・20代の方も含めて幅広いです。佐賀駅から徒歩1分という立地もあってか、セカンドオピニオンを求めてお見えになる方が多いのが特徴です。例えば、これまで長い間歯の根の治療を続けても改善しなかった方や、抜歯と言われた歯を残せないかとご相談にいらっしゃる方がいらっしゃいます。また他院の先生からのご紹介で、骨をつくるための再生療法やインプラントの埋入だけを当院で行い、術後はもとの歯科医院にお戻りいただくような連携も可能です。裏手に10台分の駐車場もございますので、お車でも通いやすい環境です。
残っている歯を守るためのインプラント治療
インプラント治療について、先生のお考えをお聞かせください。

「失った歯を補うためだけでなく、残っている歯を守るためにインプラントを入れる」という考え方を大切にしています。例えば片側の歯が失われると、残った側ばかりで噛むことになり、過度な負担から摩耗や破折が進んでしまいます。そこにインプラントを入れて噛み合わせのバランスの回復を図ることで、揺れていた歯の安定が期待できることもあるんです。もし、治療当初は5年持てば良いほうという見立ての歯であっても、できるだけ長くご自身の歯として残すことをめざして治療に取り組んでいます。私はもともと口腔外科が専門ではありませんでしたが、セミナーや専門のコースを受講して研鑽を積む中で引き出しが増えていきました。地元の方に質にこだわった治療を届けたいという思いが、インプラントや審美的な治療に力を入れる原動力になっています。
審美的なお悩みにはどのように取り組まれていますか。
勤務医時代に印象に残っている症例の一つに、先天的に歯の本数が足りなかった患者さんがいます。ラミネートベニアという薄い修復物での治療を希望されましたが、そのままでは不自然に大きな歯になってしまう。そこで矯正が専門の歯科医師と連携して歯が入るための空間の確保を図り、インプラントで噛み合わせを構築する方法をご提案しました。その方は声を仕事にしている方で、発音をとても気にされていたので、仮歯の段階で何度も発音を確認しながら微調整を繰り返しました。私は見た目の美しさと機能性の両立を大切に治療に取り組んでおり、患者さんの笑顔を見ることがやりがいにつながっています。ただ、審美面に配慮した治療ではまず奥歯の噛み合わせが整った状態をめざすことが重要で、長く良い状態を維持できるよう治療の順序には特に気を配っています。
患者との向き合い方で心がけていることはありますか。

こちらの主張を押しつけすぎないよう、常に気をつけています。関東で勤務していた頃は理想の治療を追求しがちでしたが、当院に戻って十数年、患者さん一人ひとりの生活背景や費用の事情と向き合ううちに、理想と現実の間で一緒に落としどころを探していく大切さを学びました。どの方にも同じようにエックス線や口の中の写真をお見せしながら、保険診療と自由診療それぞれの選択肢とメリット・デメリットをお伝えしています。説明の際は日常に寄せた例え話を心がけていて、例えば「歯石がついたまま歯磨きをするのは、洋服を着たままお風呂に入っているのと同じですよ」というように伝えることで、定期的なクリーニングの必要性が伝わりやすいようにしています。
治療して終わりではない。その先まで責任を持ち続ける
治療後のケアについてはどのようにお考えですか。

治療が終わってからやりっぱなしになるのが本当に嫌なんです。保険診療であれ自由診療であれ全力で治していますから、それが安定して長く持ってもらわないと自分の仕事の意味がないと思っています。実は若い頃、精密に作れば歯磨きを頑張らなくてもセラミックは大丈夫だろうと過信していた時期がありました。でも現実にはメンテナンスなしでは駄目になります。その経験があるからこそ、治療の段階から「あなたを責めているのではなく、ここまでの状態になる前に誰かが止められなかったのかということなんです」というように、患者さんに声をかけるようにしています。治療後も定期的に通っていただくことの大切さをお伝えすると、多くの方がしっかり来てくださるようになります。
今後、歯科医院としてめざしていきたい姿を教えてください。
歯科衛生士をもう少し増やして、治療からメンテナンス、噛み合わせの微調整、そしてまたメンテナンスというサイクルで患者さんを安定的に管理できる体制をつくりたいと考えています。分院展開は考えていません。自分の目が届く範囲でクオリティーを保ちたいという性分なんです。また、院内にいる歯科技工士にもっと活躍してもらいたいと考えていて、かぶせ物の作成がうまくいった時は歯科技工室から呼んできて「彼が作りました」と紹介するようにしています。学びの面では、私自身が勉強会の委員として月に1度参加していますし、歯科技工士にも年に数回の勉強会に行ってもらっています。加えて、インプラント治療をした患者さんには最後まで責任を持ちたいと考えています。そのため、将来患者さんに介護が必要になることも見据え、奥歯のインプラントはねじで取り外せるスクリューリテインという設計のものを選んでいます。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

まず「慌てちゃ駄目」ということをお伝えしたいです。いきなり治療を決め打ちするのではなく、まずは保険のメンテナンスで通ってみてください。きちんとした歯科医院であればエックス線や記録写真をもとに丁寧な説明がありますから、そこで信頼できると感じてから、インプラントや審美面に配慮した治療のご相談をされるのが良いと思います。答えは一つではなく、ブリッジや入れ歯も選択肢として悪いものではありません。ただ最終的に決めるのはご自身です。SNSなどの普及によっていろんな情報取得が簡単にできるようになった一方で、その情報の真偽に対しては誰も責任を取ってくれません。ですので、まずは私にお話を聞かせてください。そこから一人ひとりに合った計画を一緒に考えていきましょう。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント/29万5000円~、セラミックを用いた補綴治療/6万7000円~

