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杉尾 隆夫 院長の独自取材記事

杉尾歯科医院

(宮崎市/宮崎駅)

最終更新日:2022/01/27

杉尾隆夫院長 杉尾歯科医院 main

JR日豊本線宮崎駅から徒歩10分に位置する「杉尾歯科医院」は歯科・矯正歯科・小児歯科を標榜する歯科医院だ。院長の杉尾隆夫先生は東京医科歯科大学を卒業後、同大学病院の歯科補綴第二講座へ入局。クラウンやブリッジといったかぶせ物の治療について学び、噛み合わせの研究などにも参加してきた。徳島大学歯学部かみあわせ補綴科などで研鑽を積んだ後、1982年に開業。補綴という分野を専門的に学び、保険診療はもちろんのこと、噛み合わせなどの診療を熱心に行う。今回は杉尾院長に、2021年で開業から39年を迎えた同院の歩みや噛み合わせ治療の重要性、今後の展望などについて語ってもらった。

(取材日2021年12月16日)

父の後を継いで歯科医療の道へ

まずは先生が歯科医師になり、この地に開業した経緯を教えてください。

杉尾隆夫院長 杉尾歯科医院1

もともと私の父は歯科医師で、この近隣に開業していました。そのため、私は幼い頃から長男として歯科医師になって家を継ぐものと考えており、自然と歯学部への進学をめざしたかたちですね。父が開業していた歯科医院は敷地内に駐車場がなく、父自身「駐車場のある場所で開業したい」という想いをもっていたようです。そのために父が購入したのが、現在当院のあるこの土地です。しばらくは更地になっていましたが、私が宮崎県で歯科医師としてやっていこうと決めた時、父の思いを引き継いで私がこの地に歯科医院を開業することにしました。父の念願であった駐車場を用意できたほか、駅からも徒歩10分なのでアクセスが良く、さまざまな患者さんが通ってくださいます。

開業当初と現在で雰囲気や患者層の変化などはありますか?

開業当初この周辺は住宅地で、今のようなビル街ではありませんでした。しかし、地域の開発とともに周囲にビルが建つようになり、今のような栄えた印象になりましたね。また患者さんの主訴も、時代とともに移り変わってきているように思います。開業当初はまだ予防の意味での受診という考え方が一般の方に浸透していませんでしたので、虫歯などで来られる患者さんもいました。それが徐々に歯周病などで訪れる方も増えてきて、現在では私の専門である噛み合わせについてご相談をいただくケースが多いです。特に宣伝しているわけではないのですが、ご相談が多いので、クチコミによる影響が大きいのかなと思っています。噛み合わせの治療はとても時間がかかりますので、一人ひとりの患者さんにじっくり時間をかけて診療を行うことを大切にしています。

先生は早い時期から訪問診療も行ってきたと伺いました。

杉尾隆夫院長 杉尾歯科医院2

はい。寝たきりになってしまった患者さんなど通院が難しい患者さんのために、1990年代あたりから訪問診療を行っています。とはいっても訪問診療は移動時間もありますので、時間の制約もあって、患者さんの人数はそう多くはありません。最初は近所の知り合いや親戚の患者さんから始めましたが、最近では地域の歯科医師会から紹介された患者さんを訪問することが多いです。私が訪問診療を始めた当初はまだ持ち歩ける診療機器が少なかったので、技工用のエンジンだけを持って患者さんの自宅に伺っていました。当時はできることも入れ歯の調整程度で、患者もまだまだ少なかったですね。最近は持ち歩ける診療機器が増えてきたので、訪問診療でできる診療の幅も広がってきたと感じます。

歯を削らずに行う噛み合わせ治療

先生は補綴の専門家でいらっしゃるのですね。

杉尾隆夫院長 杉尾歯科医院3

はい。補綴の専門家は宮崎県にはそう多くはいないはずです。補綴とは歯を削ってかぶせ物をしたり、入れ歯を作ったりする治療のことを指します。このような治療は一般歯科治療として多くの歯科医院で行われていますが、口の中の状態が悪い方に行う場合などには専門的な知識や技術が必要になることもあります。私は「東京医科歯科大学歯科補綴第二講座」といって、クラウンやブリッジなどかぶせ物を専門とする講座で学んできたため、かぶせ物治療が得意分野です。またこの講座では噛み合わせに関する研究を熱心に行っていたので、噛み合わせの基礎や診察方法についても詳しく学ぶことができました。現在噛み合わせの高い部分を調べる際に使用される“咬合紙”と呼ばれる検査紙も、早い時期からこの講座と歯科材料メーカーが共同で開発を進めていました。

噛み合わせが悪くなる原因や症状について教えてください。

噛み合わせが悪くなる主な原因は、食いしばりや歯ぎしりです。人間は上下の歯が最も多く当たる場所で物を噛もうとするのですが、それが中央からずれていることはよくあります。健康な方の場合、上下の歯が噛んだ状態になっている時間は1日のうちわずか17分程度といわれていますので、仮にずれた位置で物を噛んでいても、ほとんど問題はありません。しかし日頃から食いしばりや歯ぎしりなどの癖がある方の場合、上下の歯の位置がずれたまま1日に何時間も噛んでしまうため、周囲の筋肉もそれに合わせて発達してしまい、噛み合わせ全体が徐々にずれていってしまうのです。症状としては、若い方では虫歯がないのに奥歯がしみるようになったり、歯肉が腫れたり、顎を痛めてしまったりすることがあります。また年齢を重ねると、強く噛む癖によって神経のない歯が折れてしまったり、奥歯で物が噛めなくなって、前歯で物を噛むようになったりしてしまう方もいます。

貴院で行われている噛み合わせの治療方法について教えてください。

杉尾隆夫院長 杉尾歯科医院4

当院では「スプリント」と呼ばれるマウスピースのような器具を装着していただき、歯を削らずに噛み合わせのずれの改善を図ることを大切にしています。具体的には、まず上下の歯が2点だけ当たるようにスプリントを作製し、就寝中にそれを装着していただくことによって、顎や周辺の筋肉を少しずつ動かしていきます。次に、当たらなくなった部分の歯に専用接着剤を使ってコンポジットレジンを充填し、噛み合わせを少しずつもとの正しい位置へと調整していきます。この治療方法では歯を削らず、コンポジットレジンを足すことによって噛み合わせを調整していくため、本来の歯を損なわずに繰り返し噛み合わせの調節ができることが特徴です。ただし高齢の患者さんなど天然歯だけでは治療が難しい場合には、インプラントなどを組み合わせながら行うこともあります。噛み合わせは全身に影響を及ぼすため、治療を続けていくことが大切です。

一人ひとりの患者に丁寧な診療を

先生はさまざまな研究会に参加していらっしゃいますね。

杉尾隆夫院長 杉尾歯科医院5

歯科医療は日進月歩で進歩しているので、さまざまな研究会に参加して、新しい知識や技術はどんどん取り入れようとしています。一時は新型コロナウイルス感染症の流行により研究会の活動もほとんどできなくなり、講演会などに参加する機会も激減してしまいました。現在はリモートという強い武器を手に入れたので、全国の歯科医師の講演会を聞けるようになり、非常に勉強になっています。とはいえ今や講演会は毎日のように開催されており、全部聞いていたら大変なことになってしまいますので、自身に必要なものを選んで聞くようにしています。私が講演会を聞く上で大切にしていることは、ただ聞くだけでなく、それを日々の診療で実践できるようにすることです。そのためには日頃から基礎知識を身につけ、疑問に思ったことは調べることが大切だと思っています。これからもたくさんの知識や技術を身に着け、患者さんの治療に還元していきたいですね。

今後の展望について聞かせてください。

私自身はもうすぐ70歳になるので、世代交代を考える時期でもあります。実は私の息子も歯科医師で、いずれは息子が後を継ぐと思いますので、診療内容なども少しずつ変わっていくのではないかと思っています。それまでの間は噛み合わせの治療を中心に、これまでどおり患者さん一人ひとりの診療を丁寧にやっていきたいですね。

最後に、読者へメッセージをお願いいたします。

杉尾隆夫院長 杉尾歯科医院6

近年は予防的に歯科を受診するという考え方が一般の方にも認知されるようになったため、虫歯や歯周病にかかってしまう方の数は減少傾向にあるといわれています。虫歯がないのに歯が痛い、歯が擦れて欠けたりしている、年齢とともに下顎の位置が変わってきているなどの症状があれば、噛み合わせに問題がある可能性もあります。気になる症状があれば、ぜひ一度当院を受診していただけますと幸いです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

矯正治療/50万円〜、セラミッククラウン(前歯)治療/8万円〜、インプラント治療/30万円〜、矯正用インプラント治療/1本2万2000円〜×本数

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