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野村 賢介 院長の独自取材記事

野村歯科医院

(宮崎市/宮崎神宮駅)

最終更新日:2022/03/16

野村賢介院長 野村歯科医院 main

宮崎市中心部の住宅街、宮崎神宮の参道脇に位置する「野村歯科医院」は、1931年開業、90年以上の歴史を刻むクリニックだ。3~4世代にわたって通う患者もおり、地域になくてはならない存在だ。野村賢介院長はこの老舗歯科医院の3代目。温厚かつ気さくな人柄で、宮崎市郡歯科医師会の副会長も務める地域のかかりつけ医として常に「その人にとっての適切な診療」を追求している。「人と関わるのが好きなんですよね」と笑う野村院長に、診療方針や患者への思いを聞いた。

(取材日2022年2月12日 )

かかりつけ医として、患者の立場でベターな選択を

長い歴史をお持ちの歯科医院だそうですね。

野村賢介院長 野村歯科医院1

当院は1931年に祖父が開業し、1964年に父が継承しました。現在91歳の父は今でも当院で義歯などの治療を担当しています。といっても患者さんとおしゃべりするのがメインですけれど(笑)。昔からの患者さんが多いのでコミュニケーションを図っているんですよね。父と母が歯科医師でしたから私も自然とこの道を志しました。鹿児島大学卒業後は大学院に進み、入れ歯を着けたときに骨や歯にどんな力が加わるかといった研究や、歯に詰め物やかぶせ物をする際の接着物の研究など、補綴に関して深く学びました。実を言うと研究より臨床のほうが楽しくて、臨床ばかり熱心になっていたのですが……(笑)。その後は同大学歯学部附属病院で臨床を重ねて、1996年、恩師である教授が退職されるのを機に、当院での診療を始めて、5年ほど父とともに仕事をした後、3代目院長として現在に至ります。

長く通われる方が多いとのことですが、思い出深い患者さんはいらっしゃいますか?

どなたかお一人を挙げるのは難しいのですが……、開業当初は小学生だった方が、今はお子さんを連れて受診されている、といったことも多く、そうした姿を見ると感慨深いですね。また、以前泣いてしまって診療が始められないあるお子さんに、とにかくクリニックに慣れてもらおうと月1回来院してもらい続けたということがあり、これも印象に残っています。私の診療におけるモットーは、「その方の生活環境や状況、ライフステージに合った診療をすること」で、お子さんも大人の方も、このように長いスパンで考えて対応しています。泣き叫んでいる子を無理やり治療したりはしません。

「その人に合った診療」というのは、地域に根差したクリニックならではの対応といえそうですね。

野村賢介院長 野村歯科医院2

「かかりつけ医として診る」ということが、私にとっては一番大事なんです。医学的にはこの治療のほうがいいと思っても、患者さんのタイプや生活状況、金銭面など、その方にとってはベストではない場合もあります。例えば、インプラント治療は素晴らしい治療法だと思いますが、アフターケアがとても重要。いつご自身でケアできなくなるかわからないご高齢の方にインプラントを埋入するのは、ご本人にとって最善なのかというと疑問です。ですから、自分の理想を押しつけるのではなく、患者さんの立場になり、長い目で見てベターな選択ができるよう提案しています。

診療において、ほかに心がけていることはありますか?

自分にできることとできないことをはっきり言うことも心がけています。当院ではむし歯や歯周病治療、入れ歯の治療、予防歯科、小児歯科、噛み合わせのご相談、訪問歯科診療など幅広く対応していますが、「かかりつけ医」が歯科医師としての私のアイデンティティー。例えば歯列矯正やインプラント治療など、より専門性の高い医療機関で受診したほうが患者さんにとって良いと判断した場合は、大学病院時代のネットワークや歯科医師会のネットワークも駆使して他院を紹介しています。

訪問歯科診療と外来の両輪で地域に貢献

勤務医から地域の歯科医院の院長になって、心境の変化はありましたか?

野村賢介院長 野村歯科医院3

やはり一つ一つの治療に対する責任がより重くなったのと、昔は自分の診療ばかり考えていましたが、スタッフの生活や技術向上について考えるようになりました。歯科医師だけではなく、歯科衛生士や歯科技工士など歯科をとりまくスタッフたちとともに、チームで歯科医療を盛り上げていきたいという気持ちが強くなりましたね。実は、私は20年以上、診療の傍ら歯科衛生士学校の講師を務めています。また、現在は宮崎市郡歯科医師会の副会長も務めており、ブランクのある衛生士の復職支援事業を行っているんですよ。保育園と提携して育休明けの衛生士が働きやすい環境を整えたり、衛生士と歯科医院とのマッチングサポートをしたり、セミナーを開催したり。当院でも、スタッフがなるべく長く勤めやすい環境の整備に力を注いでいます。子育てでブランクがあったけれど復職したというスタッフも多いですよ。

それは素晴らしいですね。歯科衛生士さんをバックアップする理由はどんなところにあるのでしょう?

今はむし歯が減る一方で歯周病が増加しています。また患者さんの歯に対する意識の向上もあって予防のためにクリーニングに来られる方も増えています。そこで重要になるのが歯科衛生士という仕事。予防や歯周病治療が主流である今の時代は、歯科衛生士は単なるアシスタントではありません。歯石除去や衛生指導など衛生士主導で行うケアや衛生士しか行わないアプローチが多いんです。歯科医療の中で衛生士がメインとなって動く機会が増えた、ということが理由といえますね。

診療の内容が昔と比べて変わってきているのですね。

野村賢介院長 野村歯科医院4

歯科用CTなどの医療機器も進歩しています。また、セラミックの詰め物やかぶせ物を設計・製作するCAD/CAMの技術なども発達しております。私はもうすぐ還暦ですが、今のままでいいなどとは少しも思っていません。昔から来てくださっている地域の患者さんの利益になるように新しい技術をどんどん導入していきたいと思っています。一方で高齢化が進み、通院できない方も数多くいらっしゃるのが現実。ですから訪問歯科診療にも引き続き力を入れていきたいですね。妻で副院長の野村福子先生が訪問歯科診療を担当し、私が外来担当と分担しており、訪問と外来の両輪で地域に貢献していきたいと考えています。

臨床も趣味のテニスも。「人と関わるのが好き」だから

歯科医師会の活動についてもお聞かせいただけますか?

野村賢介院長 野村歯科医院5

当初は公衆衛生の担当でした。3歳6ヵ月児健診のむし歯罹患率が中核市で最下位だったため仲間とともに健診内容にフッ素塗布を取り入れ、2歳児歯科健診や宮崎市歯科健診の導入などシステムづくりを行っていました。歯科医師会での活動は「行政の力を借りて自分たちの理想を実現すること」に面白みを感じています。また歯科医師会の活動には公益性と共益性があると思っています。前者はむし歯の数を減らす、障害者向け診療所の運営等が挙げられ、後者は学術、医療管理、税務、労務、社保等講演会の開催、医療トラブル相談、厚生行事、新人スタッフセミナー、在宅診療用機器の貸し出しなど歯科医師同士が助け合い生活の基盤をつくること。私はこれまで大学病院時代や地域でのつながりを大切に診療や衛生士の支援など幅広く携わってきました。今後も「共益」として歯科医師同士で連携しつつ、より地域の皆さんのためになる「公益」を追求できたらと思っています。

それは地域の方々も心強いですね。ところで、お忙しい日々の中、何かリフレッシュ法などはお持ちですか?

テニスが趣味で週1回プレイしています。大学時代にテニス部に入り、19歳から続けているのにいっこうに上達しないのですが(笑)。歯科医師会の中にテニス部があってそこでいろいろな先生方と楽しんでいます。競技も好きだけれど人と関わるのが好きなんですよね。大学時代の仲間もいまだに付き合いがあってオリンピックイヤーに合わせて2年に1度、鹿児島大学OBテニス合宿を行っているんですよ。テニスって知らない人とやってもすぐ仲良くなれるし、歯科医師以外の友達もできますし。「人と関わるのが好き」というのは臨床が好きなのと共通しているかもしれません。

最後に読者へメッセージをお願いします。

野村賢介院長 野村歯科医院6

大学卒業したての若い頃は「最先端の歯科医療を!」という気持ちが強かったですが長年、数多くの診療経験を重ねる中で学問的にではなく「真にその方に合った治療を」という考え方になりました。そんな私が皆さんに言えることは「ご自身が任せられるかかりつけの歯科医院を持ったほうが良い」ということ。フィーリングの合う歯科医院や歯科医師をぜひ見つけてほしいと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

ホワイトニング/片顎2万2000円~、インプラント治療/埋込1本18万7000円・上部18万7000円、スポーツ用マウスガード作製/大人5500円・小中学生4400円・歯の生え替わり3300円

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