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永井 正彦 院長の独自取材記事

ながい正彦歯科

(鹿児島市/朝日通駅)

最終更新日:2024/08/19

永井正彦院長 ながい正彦歯科 main

朝日通駅から歩いて4分の複合ビル1階にある「ながい正彦歯科」。市役所や産業会館などが立ち並ぶ鹿児島市の中心部に開業して41年、「全身を整えることを視野に入れた歯科診療」をモットーに、多くの患者の健康をサポートする。永井正彦院長は、鹿児島大学病院の歯周病科で4年間研鑽を積み、1983年の開業後も専門の歯周病をベースに栄養や運動の研究を重ね、診療に生かしている。顎関節症や舌痛症、ドライマウスなど、虫歯や歯周病の治療だけでなく、幅広い口腔内の疾患の根本改善をめざす永井院長は、「どこへ行っても治らない、症状が繰り返すといった患者さんも大歓迎です」と笑顔で話す。難しい症例であればあるほど時間と労力を要するものだが、そこには患者に伴走しながら患者の困り事を解決したいという永井院長の熱い思いがある。

(取材日2024年6月19日)

サッカー大好き少年が歯科医師をめざして進学

鹿児島市中心部の好立地ですが、この場所に開業されたのはどうしてですか?

永井正彦院長 ながい正彦歯科1

当院は1階にありますが、3階から7階はゲストハウスとして使われています。古いビルですが内装をリノベーションしているので、海外の観光客の方々にも好評なんですよ。院内も改装して快適な使い心地になっています。一般の歯科治療室とは別に、癒やしをコンセプトにしたサロンのような治療室もつくりました。全身を整えることを視野に入れた歯科診療をめざす当院にとって、患者さんがリラックスできる静かな空間は大切だと思っています。このビルは事業を営んでいた両親が所有する物件で、私が子どもの頃には住宅兼事務所として使われていました。両親の勧めもあり、子どもの頃から慣れ親しんだ名山町に開業することができて感謝しています。

歯科医師をめざした頃のことを教えてください。

高校時代は理系だったので、両親とも相談し大学は医療系に進むことを決めました。中学からサッカーを始め、県大会でも優勝したこともあります。高校に入ってからもサッカーばかりやっていましたね。専用練習場もない高校でしたが、引退試合はベスト4をかけて実力校である鹿児島実業高校と対戦し、最後に私がPKを外して負けてしまいました。忘れられない試合になりましたが、思い切りサッカーに打ち込めたことは次の歯科医師をめざすための良いステップになったと思います。その後、鶴見大学歯学部に進学したのですが、就職時もサッカー部の顧問の先生から鹿児島大学歯学部の歯周病科を勧めていただいたので、サッカーを通じたご縁がありました。それもありサッカーは今でも大好きですね。

こちらでは「全身を整えることを視野に入れた歯科診療」を行われているそうですね。

永井正彦院長 ながい正彦歯科2

はい。例えば顎関節症の治療では一般的にマウスピースを使いますが、全身へのアプローチも取り入れています。というのも、東京医科歯科大学での研修時、顎関節症の患者さんが院内で全身のストレッチを始めたことに驚いたからです。マウスピースを口に入れたところで、患者さんの「噛みしめたい」という動きは止められません。対症療法的なアプローチだけでは、根本的な改善は見込めないと考えています。そのためには、全身を整えるためのアプローチも大切にしたいのです。歯周病の患者さんの中にも、奥歯や前歯だけが局部的に悪くなっている方がいらっしゃいますが、これは食いしばりが原因とも考えられます。それについても本質的な要因を見つけ、全身の健康を見据えながら改善をめざします。

歯科治療を通して、その人本来の健康な状態をめざす

「全身を整えることを視野に入れた歯科診療」をめざすようになった背景について教えてください。

永井正彦院長 ながい正彦歯科3

大学病院の歯周病科では、残せるものは残しながらできるだけ歯を長持ちさせるように取り組んでいましたが、なかなか治らずどんどん歯が抜けてしまう症例も多くありました。歯周病の中には、ストレスと深い関係があり、歯周病菌を減らすだけでは解決が見込めない歯周病もあるのです。そんな中参加したのが、医師と歯科医師が学ぶ研究会でした。その研究会では、食事やサプリメント、点滴に含まれる栄養について研究していて、そこでの学びが「全身を整えることを視野に入れた歯科診療」につながりました。顎関節症や舌痛症、味覚障害などの治療において、口の中での処置だけでなく栄養についての研究に基づいたアプローチなども取り入れています。そういった経験の積み重ねが診療のやりがいになっていったので、難しい症例も大歓迎です。

なかなか改善が見込めない歯周病の患者さんも来院されるのですか?

宮崎県や種子島から患者さんが来院されたこともあります。歯周病がなかなか良くならないのは、炎症のサイクルを助長する要因が複雑に絡んでいるからです。その要因を丁寧な問診からひもとき、一つ一つ取り除くための治療をします。例えば、仕事でのストレスから食いしばりが強くなり、「隠れ顎関節症」が歯周病の要因になっていることもあります。そのため、仕事を離れてバカンスへ出かけると痛みを感じなくなるケースも耳にしますね。丁寧に問診をしていると、その要因が見えてくるんです。まずは食事にかける時間や栄養、運動など、生活習慣の改善への協力をお願いをします。お口の中の健康のためには、患者さんご本人の努力が欠かせないと考えています。

他にどんな患者さんがいらっしゃいますか?

永井正彦院長 ながい正彦歯科4

顎や舌の痛みなど、どこで治療を受ければいいかわからなくて困っている患者さんが当院にたどり着かれるケースもありますね。疾患名でいうと、顎関節症や舌痛症、口腔乾燥症などです。生活習慣や栄養についてのアドバイスも取り入れながら、診療を進めます。他にも、味覚障害の相談にも応じています。重篤な症状を抱えた方のためにも、日々学びを重ねて、新しい治療の導入も積極的に検討していきたいですね。

同じ志を持つ仲間を増やし、地域に貢献していきたい

歯科治療のハードルを下げるために、いろいろな取り組みをされているそうですね。

永井正彦院長 ながい正彦歯科5

歯科治療にトラウマを持っている方には、緊張感を減らすことが鍵になります。「歯科治療を受けても大丈夫だった」という体験が大事なんですね。当院では安全性に配慮した「笑気ガス鎮静法」を用い、緊張感を和らげながら治療を進めることを大切にしています。麻酔ではないので、痛みがゼロになるわけではなく、「今までよりは不快感が少なくなることが見込める」というレベルだと思ってください。その他に音の出ないレーザー治療も行っていますし、時と場合に応じて音楽のリクエストもお受けします。緊張や恐怖を取り除けるよう、患者さんのご意見を伺いながら治療を進めています。

今後の展望をお聞かせください。

永井正彦院長 ながい正彦歯科6

地域ボランティアとしてお子さんの矯正や栄養へのアドバイスなどの話をさせていただいていますが、今後は地域の歯科医師たちともいろいろな取り組みをしたいと思っています。例えば栄養について学び合う仲間を増やすことを考えています。私が取り組んでいる「全身を整えることを視野に入れた歯科診療」は、話を聞いてじっくりと患者さんと向き合う時間が必要になってくるのでなかなか難しいのですが、少しでも興味がある歯科医師がいれば、ぜひ一緒に取り組みたいと思います。地域への恩返しでもありますので、今後の目標にしたいと思っています。

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