大浦 教一 院長の独自取材記事
大浦歯科クリニック
(鹿児島市/鹿児島中央駅)
最終更新日:2024/12/13

「大浦歯科クリニック」は、1989年に開院したクリニック。JR鹿児島本線の鹿児島中央駅から車で10分ほどの住宅地に位置し、30年以上にわたり、地域に根差した歯科医療を提供してきた。一般歯科だけでなく、歯科口腔外科領域やインプラント治療、根管治療や矯正など、さまざまな治療のスペシャリストがそろい、必要に応じて処置を行う点が同クリニックの特徴だ。院長の大浦教一先生は、鹿児島県内で早くから歯科治療にレーザーを取り入れた。クリニックのスタッフだけでなく、勉強会や講演会などで全国各地の歯科医師にも、レーザー技術を指南している。優しく温かな語り口の大浦院長に、患者やスタッフに対する思いや、診療で大切にしていることなどを聞いた。
(取材日2024年10月17日)
リラックスできる空間でゆったりと治療を提供したい
開放感のあるクリニックですね。

ありがとうございます。自分のクリニックを開院する時「桜島が見える場所で診療をしたい」という願いが一番にありました。開院当初はここまで大きな窓ではなかったのですが、2007年にクリニックをリニューアルした際、自ら設計図を引き、診察台の正面を一面ガラス張りにしました。患者さんからも好評で、診療台に座るとまず目の前に緑が広がります。さらに椅子をリクライニングすると視界が上方に移っていくため「青空に吸い込まれていくみたい」とおっしゃる方もいました。診察ユニットは8台あるのですが、そのすべてからこの景色が見られます。リラックスして治療に取り組んでもらえるよう、空間づくりにはこだわっています。
今年に入り、働き方改革をされたと聞きました。
スタッフを大事にしたい、丁寧に患者さんと向き合ってほしいという想いから、2024年2月から診療時間を短くしたり、水曜の午後を休診にしたりしています。枠が狭まったことで予約が取りにくくなるなど、一見患者さんのデメリットが大きいと思われるかもしれませんが、ゆっくりじっくり対話して診療・治療することができ、患者さんの満足度も上がっているのではないかと感じます。スタッフの疲労感も少なくなり、これまで以上に生き生きと、集中して患者さんと関われていますね。スタッフが疲れていないことは、提供する医療の質の向上にも関係するので、そういった意味でも患者さんへのリターンは大きいと思います。私自身も、平日16時以降は診療に入らなくなったのですが、著しく患者さんが減ったということはありません。これまでに培ってきた患者さんとの信頼関係があるからだと思っています。
患者さんのことを大切にされているのが伝わってきます。

そうですね。「病気」は「気の病」と書きます。気持ちが病んでしまわないよう「良い気分でいる」ことが本当に大事なんです。患者さんが「緊張する」「怖い」と感じたままでは本当の意味での治療は難しく、心を開いてからでないと、より良い治療はできないと考えています。先ほどの「リラックスできる空間づくり」もそうですが、それに加えて当院は「あいさつは心のパスポート」を合言葉としてスタッフルームにも掲げていて、患者さんがいらっしゃる時も、そして帰られる際も、温かい声かけを心がけています。患者さんには、不安がなくなって気分も良くなって、笑顔で帰ってほしいんです。
各専門家をそろえ、良質な治療の提供をめざす
開院から現在まで、どのような変化がありましたか?

開院してもうすぐ36年になりますが、開院当初の診療室は今の半分以下でした。クリニックを始めて5年くらいたった時にもう少し大きくしたいと思い、それから12年後現在のような規模にできました。大学病院くらい幅広い診療に対応できるよう、歯科口腔外科やレーザー治療、インプラント治療、根管治療や矯正治療など、それぞれの専門家も増やし、デパートメント的な歯科クリニックをつくりたいと思いました。「それなら大学病院に行ったらいい」と思うかもしれませんが、大学病院は待ち時間が長く、予約が取りにくいケースが多く、治療期間が長くかかってしまうことも多くあります。クリニックであればもっとスムーズに治療計画を立てて治療を進められますし、こぢんまりしているので、会計や薬をもらうのにあちこち移動する必要もありません。別の変化といえば、当時は娘や息子が、今は歯科医師となって当クリニックで診療の手伝いをしてくれています。
お子さんと一緒に働いていて、いかがですか?
家族なので、コミュニケーションが取りやすいですね。息子は歯学部を卒業後、大学の付属病院で経験を積み、現在は当クリニックで歯科口腔外科領域のスペシャリストとして働いてくれています。息子の妻も歯科医師で、インプラント治療が専門です。娘も歯科医師となり、広島の歯科医師と結婚したのですが、娘婿が1~2ヵ月に1回、広島からこのクリニックに勉強に来ています。クリニックに来た新規の患者さんは、基本的に私が担当して、治療計画を立てます。診断の仕方や治療計画の立て方などは、可能な限り子どもたちともシェアするようにしています。治療計画を立てる際の判断材料や考え方を「なぜかわかる?」とディスカッションし、「こうやって考えていくと良いよ」と、私が教えられることはすべて伝えます。もちろん、若い人たちの新しい考えや新しい治療も取り入れていきたいですね。
診療にあたり、大切にしていることを教えてください。

最初の診断と治療計画を、いかにスムーズに、適切に進められるかが重要だと考えています。まずは全体を診て診断し、治療計画を立て、必要に応じてそれぞれの専門家が診ていく。これをなるべく短い期間で進めていきます。もちろん「この診断で、この治療計画が絶対に良いです」と勝手に決めるようなことはしません。患者さんの希望なども聞きながら、それに合わせた治療計画を一緒に決めていくことを大切にしています。治療内容を丁寧に説明し、患者さんから同意を得た上で治療を行うインフォームドコンセントを徹底し、治療内容に納得していただけない場合は、無理に治療を進めることはありません。こちらの提案がすべて正しいと思わずに、疑問や不安など、何でも伝えていただけたらと思います。
治療の先にある笑顔が、私たちの喜び
今後の展望を教えてください。

いずれは息子がこのクリニックを承継する予定ですが、今後もさらに私が思う「デパートメント的なクリニック」を極めていきたいと思っています。今働いているスペシャリストたちには、より精密な治療を提供できるようますます邁進してもらうことに加え、今以上に多くの「その道の専門家」をそろえて、ここに来ればどの分野でも良質な治療が受けられると思っていただけるクリニックにしたいですね。それもまた「患者さんが安心して来ていただけるような環境づくり」だと思います。
これから特に力を入れていきたい治療はありますか?
根管治療と歯周病治療です。根管治療という言葉にはまだなじみのない方も多いと思いますが、いわゆる歯の根っこにある神経や血管を治療することを指します。他の歯科医院で「抜歯するしかない」と言われるような歯でも、根の状態を改善へと促すことで抜かなくて済むようになるなどといったことが期待できます。当クリニックには米国式の根管治療を学んだ、根管治療を専門とする歯科医師も週に3回来ていますので、興味のある方は一度相談に来てくださいね。歯周病の治療がすべての歯科治療のベースにあると考えていますので、歯周病の方は歯周病のケアをしながら、その他の治療も同時に進めていきます。歯科の疾患にはさまざまなものがありますが、大本は歯周病が原因であるケースがとても多いのです。ゆくゆくは歯周病の専門家を入れて、より充実した歯周病治療を提供できるようにしたいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

当クリニックの法人のモットーに「患者さんの喜びがわれわれの喜び」という言葉があります。歯を治療するだけが終わりではなく、その先に患者さんの笑顔が生まれてこそ、治療の意味があると思っています。口元は、人の第一印象を決める大事な部分です。さまざまな患者さんがいますが、それぞれの笑顔が見られた時、「患者さんの喜びがわれわれの喜び」という原点に立ち返れるような気がします。また、「衣・食・住」というように、食べることは一生の中で最も大切なことの一つです。何歳になっても、自分の歯で食べられる喜びを感じていてほしいです。そのためにも、早期発見・早期治療が大切です。気になることがあれば、何でもご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント1本/18万9000円~23万2000円(税込)、かぶせ物の人工歯1本/8万円~12万円(税込)、矯正治療/資料採得5500円(税込)、診断1万6500円(税込)、治療36万3000円〜60万5000円(税込)、調整料1650円〜3300円(税込)