藤井 三保子 院長の独自取材記事
のうみ矯正歯科医院
(鹿児島市/涙橋駅)
最終更新日:2025/01/08

旧谷山街道沿いにたたずむ「のうみ矯正歯科医院」。矯正を専門に行う同院は、「自信の持てるすてきな笑顔とよく噛める健康な生活」を基本理念としている。院長の藤井三保子先生は、「矯正歯科治療の目的は、美しい歯並びだけではなく、機能的な噛み合わせを獲得することだと考えています」と話す。歯切れの良い言葉とこざっぱりとした笑顔で患者に向き合う藤井院長に、同院の診療方針や矯正を行う上で大切にしていていること、患者への思いについて語ってもらった。
(取材日2024年10月8日)
患者とのつながりを大切にする矯正
同院のこれまでの歴史と、これからめざすクリニック像について教えてください。

初代の能見好彦院長が、1989年に旧谷山街道沿いに開業したのが当院の始まりです。それから30年以上、この地域に根差して診療を行ってきました。2016年に私が院長に就任してからも、おかげさまでたくさんの患者さんに足を運んでいただいております。以前当院に通院されていた方が、お子さんの矯正を希望して来院されることもあります。これまで築いてきた信頼を損なうことなく、これまで以上に患者さんに愛される歯科医院をめざしています。
矯正歯科の意義やメリットを教えてください。
「美しい口元で毎日を笑顔で過ごせるように」「健康な歯並びで毎日の食事を楽しめるように」という思いで毎日診療しています。ご相談のほとんどが、八重歯や出っ歯、受け口などの歯並びや見た目を気にしたお悩みです。しかし、これが一見きれいな歯並びになったとしても、上下の歯がきちんと噛み合っていなければ意味がありません。しっかり噛めることにもこだわって治療を行っています。また、歯並びの悪い方には、その原因ともいえる「癖」が必ずといっていいほどあります。舌や口の周りの筋肉がきちんと機能していなかったり、口呼吸になっていたり、姿勢が悪く猫背だったりすることが多く、これらも矯正中にトレーニングで解消を図ります。このように矯正は、口腔環境を整えるだけではなく、正しい呼吸や姿勢を取り戻すことにもつながっていくのです。
歯列矯正を行う上で、大切にしていることはありますか?

患者さんとのコミュニケーションは、何よりも大切にしています。こちらから一方的に説明や提案をするのではなく、患者さんのほうからも気になることがあればいつでも気兼ねなく聞けるような雰囲気づくりに努めています。これは、矯正においてはとても大事なことです。治療後のケアも含め、患者さんとは長期間お付き合いをしていくことになります。聞きたいことが聞けず疑問や不安を抱いたままでは、納得のいく治療はできません。お互いの信頼関係をしっかり築いた上で、安心して治療に臨んでいただきたいと思います。当院は和気あいあいとした雰囲気なので、患者さんも気軽に言葉をかけてくださいます。私自身が子育て真っ最中なので、親御さん方と子育て談義に花が咲くことも。院内に笑い声が響くことも多いですね。この明るい雰囲気は今後も大切にしていきたいと思っています。
一人ひとりに合った矯正プランを組み立てる
矯正を始めるタイミングは何歳くらいが良いのでしょうか。

矯正自体は何歳からでも可能ですが、見た目の美しさに加え、よく噛める歯並びにしたいと思われるなら、受診は早いに越したことはありません。成人ですと、できあがった歯並びを今のお口の環境に合わせて治療していかなければなりません。しかし、子どもの場合は適切な時期に治療を始めることで、成長に合わせて歯並びや噛み合わせだけでなく、お口の環境や顎の発育まで良い方向に誘導することも期待できるからです。成長を利用して歯並び全体を広げていくことで永久歯の生えるスペースができれば、将来抜歯するリスクも減らせます。最近は小学校2〜3年生のお子さんの受診が多い傾向にあります。「何か気になった時」が相談のタイミングですね。また、相談時には歯並びに悪影響を与えているお口の癖や呼吸の仕方、生活習慣を見つけ、アドバイスさせていただきます。それだけで、お口の環境の好転が望めることも。まずは気軽に矯正相談をご利用ください。
こちらのクリニックの特徴を教えてください。
当院では、小児と成人、両方の矯正に力を入れています。小児の矯正は、年齢や成長の段階、お口の中の状況を考慮して、最も効率の良い時期に、できるだけ少ない装置で、一人ひとりに合わせた治療ができるよう心がけています。成人の矯正は、通常マルチブラケット装置という矯正装置で2〜3年かけて行いますが、使用する装置を工夫し通院のタイミングを計りながら、より短期間での治療をめざしています。さらに、治療をよりスムーズにし、治療後の歯並びを長く保つために、MFT(口腔筋機能療法)という療法を取り入れています。歯並びに悪い影響を及ぼす「癖」をなくすためのトレーニングで、患者さんのご協力が第一となります。お子さんを自然とやる気にさせるための工夫や、親しみやすい雰囲気で信頼関係を築くといったことにも力を入れています。
矯正の流れを教えてください。

まずは初診相談で患者さんの悩みについて伺い、治療を希望されたら初回検査を行います。検査結果を分析診断し、その方に合った治療プランを立てていきます。例えば「八重歯だけを治したい」という患者さんがいたとします。それを受け止めた上で、「よく噛めること」など矯正で改善すべき点も含めた方法を提示し、患者さんの希望とすり合わせていきます。「どうしても歯を抜きたくない」というご希望も多いですね。もちろん、可能な限り抜歯はしない方向で検討します。ただ、どうしても抜歯が必要なケースはありますので、その際は必要性をしっかりご説明させていただきます。いずれにしても、ご納得していただいた上で方針を決定し、矯正開始となります。また、矯正は長期にわたりますので、進学や就職など患者さんの年齢や生活環境も考慮して通院期間や頻度などをご提案しています。
最後まで患者に寄り添い、笑顔と健康を得る診療を
矯正後はどのようなケアをしているのですか?

矯正後のメンテナンスとして、3年の保定期間を設けています。最初は3ヵ月ごとに来ていただき、安定の度合いに合わせて半年ごとの来院に切り替えながら、矯正した歯並びや噛み合わせを安定させていきます。せっかく矯正した噛み合わせも、後戻りしてしまっては意味がありません。保定期間は、歯を動かすことと同じくらい重要な工程です。保定期間中は、噛み合わせのチェックのほかに、お口や装置のクリーニング、虫歯のチェックなどを行います。また、患者さんの協力も不可欠です。お口のトレーニングを行い、歯並びに悪い影響を及ぼす癖に注意していただくほか、食事の仕方や姿勢などの生活習慣について、日常生活でも協力していただきながら、安定した歯並びをめざします。
矯正を検討している方に、知っていただきたいことは何でしょう。
矯正を検討していても、なかなか踏ん切りがつかないという方は多いです。また、いざ始めたはいいものの、本当にこの方法で良かったのかと悩んでいる方もいます。矯正は、患者さんご自身が納得してから始めることが大切です。ですので、当院では相談に来た方には即決しなくてもいいし、複数のクリニックを比較検討してから矯正をするかどうか決めていいですよとお伝えしています。クリニックを何軒も回って決めるのは当たり前のことですから、本当に気軽な気持ちで相談に来ていただきたいですね。具体的にどんな治療をして、どこまで改善が期待できて、どれだけ費用がかかるのかを知って、疑問や不安を解消しましょう。おしゃべりをしに来ていただくような感覚で、矯正の情報集めをしに来てください。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

矯正は時間もかかりますし、正直なところ矯正中は生活面で不便なことも多々あります。少しでも安心して矯正治療をするためには、自分に合うクリニック選びが大切です。その点、当院ではご相談時にいきなり検査をすることはありません。私自身、しゃべりすぎないよう気をつけているくらいお話することが好きですし、歯科衛生士も皆気さくなので、相談しやすい雰囲気です。患者さんによってお悩みは違いますので、自分に矯正が必要かどうか知るところからスタートしましょう。相談に来ていただければ、小さな疑問にもしっかりお答えします。笑顔で矯正を卒業する日まで親身にサポートしますので、まずはお気軽にご来院ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児の早期治療/44万円、成人の矯正治療/92万4000円、部分矯正/23万1000円 ※すべて税込み